『いい写真は誰でも撮れる』写真家・幡野広志さんのワークショップに参加しました!
写真家の幡野広志さんによる『いい写真は誰でも撮れる』という、ワークショップが開催されるとTwitterで知り、第1回目(1月・2月開催)の申込みの時にトライしてみました。その日は、1秒でなくなってしまったのでは?と思うほど、瞬時に完売。すぐに、幡野さんから3月も開催することにしました!とありがたいお知らせがありました。
今度こそ!入力情報をなるべく少なくするイメージトレーニングをひそかに積み、3月開催のワークショップの申し込みに再チャレンジ。しばらくして確認メールが来て小躍りしたのは、言うまでもありませんでした。
写真との出会い
私は、写真が好きだった父の影響で、7歳の時に初めてカメラに触れました。時は昭和。子どもでも高価なものだとわかるカメラ。「撮ってみる?」と言われてうれしかった記憶が鮮明に残っています。家族で訪れた江の島の公園で、つつじの前でベンチに座る父と弟を撮影。(もちろんフイルム)ビギナーズラックでした。たぶん何も狙っていないからでしょうか、今は同じようには撮れません。
その後も、写ルンです、コンパクトカメラ、デジカメ、フイルム一眼レフ…生活にずっとカメラはあったけれど、度が過ぎてのめりこまないように、あえて崖ぷちくらいの位置で楽しんでいました。つきあいこそ長いけれど、いいカメラでいい機材を持っている人には到底かなわない世界だと考えていました。
時は過ぎて、「外見がかわいい」という理由だけで、2014年に某メーカーの一眼レフを手に入れました。当初はカメラメーカー主催のワークショップに行ったり、写真展に応募したり。
初めての写真コンテストは、観光協会の「あなたの好きな○○(地名)」。親しみのあるコンテストだと思ったのに、絵のように加工がバリバリされた近未来を思わせる作品が入賞。選考した写真家さんの総評は「どれもこれも、はずかしい写真」とWEBページに書かれていてびっくりしました。写真って怖い。完全にトラウマです・・・。その後は1度だけ写真屋さんの合同コンテストへ応募。「春を待つ気持ちが伝わってくるようです」と写真屋さんの店長さんに選んでいただいて、伝わったことで写真を嫌いにならずに済みました。
しかし、ワークショップに参加しても、発表の時間が苦手だったり、みんなが「いいもの撮ってやろう」というムードに飲まれるばかり。趣味のランニングも写真も人と競うことにストレスを感じ、最近では自然と参加することがなくなりました。
では、なぜ今回ワークショップに参加したか。
写真家としての幡野さんの写真が好きなのはもちろんですが、執筆されている書籍やSNS、幡野さんと占い師で作家のしいたけ.さんとのトークショーにも参加させていただいたのですが、幡野さんは発する言葉が正直でユニーク。本音で体裁をつくろわない。私も記事を書いたり、写真を撮る時、リアルに感じたものを伝えたくて嘘をつきたくないタイプなので、とても信用できるんです!
そんな幡野さんが開催する写真のワークショップ。タイトルの通り『いい写真は誰でも撮れる』。いい写真とは?からスタートし、終始やわらかで楽しいムードで座学が進みます。周りの雰囲気もカメラ自慢している人もいないし、なんといっても幡野さんからリズミカルに出てくる、言葉とスライドが心地よく、ものすごく楽しい。必死に用意されていたオリジナルの用紙にメモをとりながら、頭と気持ちがどんどん整理されていくような感覚がありました。
その中でも、以下は私が響いた言葉5つ。これから参加される人もいるので、多くは控えますね。
・「バズ」と「バエ」と「エモ」を狙わない
・見たものを撮る
・自分の好きを重ねていく
・被写体に敬意を払う
・ヘタだけどいい写真が一生の思い出になる
座学の後は、各自カメラを持って撮影に出発!
当日は雨模様。晴れの日の自然光が撮影には1番ですが、雨の日は2番目に撮影するのにはいい日なのだそう。たしかに曇りよりも雨の中キラキラした光が、心配をよそにありがたく感じました。
しかし、ここからが戦い。
「誰かの好きをマネしない」「映えを狙わない」
カメラとではなく、ひたすら自分との葛藤が続きます。
ワークショップでは、あえて撮った時には写真を確認することはせず、「撮影した後に自動的にモニターに写真が表示される機能を消す」。枚数も多く撮ることができるし、何より「見たもの」に集中できます。
「見たもの 見たもの」「わ~!と思ったものを撮る」と呪文のようにブツブツとつぶやきながら雨の中、1時間。
なにも考えず心が動いたときに、シャッターを切る。
気が付いたら、コートの腕は絞れるほどビショビショ。
代々木公園の奥まで行ってしまうほど、夢中になっていました。
人もまばらだったので、同じような写真ばかりになってしまいましたが、「あの人カメラ撮ってる」という視線も特に気にすることなく、ひたすらカメラを手に歩きまれました。
よくある「カメラ持ってる(撮ってる)、あの人。」という人目を気にする心理。みなさんもありませんか。私はあります。たまたま同じ日に参加されていた方が質問していました。その質問に幡野さんは「私は外国人です。と思ったら、大丈夫です。日本語も通じません。」と答えていました。本当にユニークですよね。気持ちがラクになります。こんなちょっとした参加者と幡野さんとの会話もこのワークショップの魅力です。
用意していただいたお弁当を食べた後は、パソコンに向かいRAW現像!
幡野さんにポイントとなる手順をひと通り教えていただき、今度は一斉に先ほど撮った写真を手探りでRAW現像。
現像後、jpgに書きだした画像を参加者の中から数名、その場で幡野さんが同じ写真をRAW現像してくれます。実際にパソコンの画面でその様子をみながら、参加者が現像した画像と比較してみます。あえて発表形式じゃないところがよかったように感じます。リラックスしたムードの中、みなさん真剣に魅入っていましたよ。
後日、全員が3枚づつ提出したRAW画像を、幡野さんが現像。自分が現像したものと比べてみると、違いがまざまざとわかります。
色の現れ方がぜんぜん違う。木々の緑やランナーのパンツの青。キレイですよね。やっぱりプロってすごい!トリミングも少し違います。たしかに私のは右に特に要らない(情報の)石が入っています。左のゴミ箱も私の写真は歪んでいますが、幡野さんの写真は、レンズ補正で起き上がっていますよね。
こちらも歪みが補正された幡野さんの現像には奥行が感じられます。木々の緑、手前の土の色の表現もすごいな~
やっぱり、どこか色がぼんやりとねむい印象がある、私の現像…。
絞るところ、明るくするところ。
私もメリハリを見てる人にわかりやすく伝えたい!
たくさん好きなものを撮影して、RAW現像して。練習あるのみですね。
当日は、いつも使っているのは25mmF1.8の単焦点レンズなのに、なぜか標準レンズをもっていったことや、老眼との闘い、パソコンの空容量が少なくて「Lightroom classic」が固まりまくりでハプニングも多かったけど、本当に参加できてよかったです!
今までWEBデザインや「haconiwa」で記事に使用する写真を撮る事も多かったのですが、実は写真について誤解していたことが多くあることが判明。「こういうもんだ」という誰かの2次(3次)情報をなんの疑問もなく受け入れてやっていたんだなぁと、気づきました。この機会に幡野さんからの生きた1次情報を自分の中に受取れたことが、よかったなぁと思います。
そして、どんな質問にも180%くらい、ちゃんと向き合って答えてくれる幡野さん。すごい!写真家さんに何でも質問できる機会って、なかなかないですよね。申し込んでからは緊張の日々だったけれど、勇気をだして1歩踏み出てみた自分をほめてあげたいです。
これからも、私の目線でたくさん写真撮りたい!
(中古のカメラほしい。容量の多いパソコンほしい…ため息)
写真の勉強は写真以外から。
年齢関係なくまだまだ世界を広げられそうです。
最後に幡野さん、and recipeの小池さん、開催関係者のみなさま、どうもありがとうございました。いろんな方に写真の楽しさが届きますように。
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