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宇宙の構造/機能と「人間の生理」 トニー・ネイダー博士の著作から

今回はかなりマニアックな本の紹介です。

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「人間の生理 ヴェーダとヴェーダ文献の現れ」医学博士・生理学博士トニーネイダー著 の紹介です。

既に絶版しているのですが、

中古で売っていることもあるみたいです。

まず、あまりにもマニアックな本ですし、トニーネイダー博士のことも殆ど知らない方が多いかと思いますので、ネイダー博士が怪しい人物でないということを示したいので、簡単な略歴を載せます。

トニー・ネイダー博士

「ベイルートのアメリカン大学にてないかと精神科を専攻し、医学博士号を取得。マサチューセッツ工科大学(MIT)において「脳と認知学」の分野で博士号を取得。MITの臨床研究センターの客員医師。マサチューセッツ総合病院およびはーばど医科大学の「神経学の臨床お飛び研究」特別研究員を歴任。

自然療法の強い関心から、マハリシ・アーユルヴェーダに注目。本書「人間の生理」は、インド政府から、アーユルヴェーダ分野における最高の栄誉であるインド国立アーユルヴェーダ・アカデミー・フェローに選出され、本書はインド政府大統領の名で公式に出版される。」

マハリシとは、TM瞑想を創始した人物で、ビートルズのメンバーもその瞑想を行っています。

TM瞑想は、映画監督のデビット・リンチ、クリントイーストウッド、ヒュー・ジャックマン、グウィネス・パルトロー、ニコール・キッドマン、ナオミ・ワッツなど、名だたる海外のスターの名前が出てきますが、

日本ではあまり知られてはいない印象です。日本の著名人も行っている話はよく聞きます。私も20年ほど前にTM瞑想をはじめ、はまって上級の2週間合宿を経て上級の瞑想を取得した経緯があります。

TM瞑想については、マインドフルネス瞑想に次いで、様々な学術的な研究がなされてきているのではないでしょうか。

アメリカではアイオワ州に大学が経営されていたりと、規模は大きいですが日本では、認知度はそんなにない印象です。

トニー・ネイダー博士は、現在TM瞑想組織の代表的地位にある方のようです。

人によっては、独特の背景から本書は誕生しているように見受けられるでしょうが、しっかりした研究機関やインド政府公認ということで、内容は難解ですが、とても価値のある情報が含まれています

私は引き付けられぬ魅力に負け、購入してしまいました。内容は、きれいなイラスト付きで人間の生理と宇宙の構造などが挿入されたりしていますが、まあ難解でした。

本書は、海外では何度も版が繰り返されているようで、加筆、改定がその都度なされているようです。最新版を手にしたかったのですが、英語版しかなく、現在絶版のようです。

「人間の生理 ヴェーダとヴェーダ文献の現れ」

本書によれば、

ヴェーダは人間の最も古い記録といわれ、宇宙の設計図ともいえるヴェーダ(知識・科学)とヴェーダ文献が、人間の生理と一対一の対応があることが示されているといいます。

私たちは、数十億もの太陽や銀河に囲まれて生きているのですが一人の人間というちっぽけな点の中に、宇宙全体があると説明します。点の中にです。

つまり、私たち一人一人は大宇宙という広大な空間と比べると、まさに点のような大きさの生命であるのですが、その個人個人の中に全宇宙が含まれていると言うのです。

本書の改訂版には、他様々な記載があるようです。

例えば・・・(以下のイラストは、本書からの引用ではありあません。)

マハーラクシュミー

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ラクシュミーは、富と健康とマザーデバインの滋養を与える力を表します。胸に住んでおり、その座は心臓にある。彼女の四本の手は、心臓の四つの部屋を表している。また、分子のレベルでは、生命を維持する酸素を体の全ての組織に運ぶヘモグロビンの四つのユニットを表しています。

知識を表すサラスワティー

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サラスワティーは、脳の中に位置しています。彼女の4本の腕は4つの脳葉に対応し、全ての知識、経験、行動の座を表しています。

ガネーシュ

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生理の中には、脳への入り口となっている一連の構造があります。これらは、脳橋、延髄、小脳です。脳に出入りする全ての情報は、これらの一連の構造を通るか、これらと連絡をとります。その機能において、これらの構造は、ガネーシュのものとされている機能と全く同じ機能をもっています。これらの構造は、カネーシュと非常によく似た形をしています。

ガネーシュは、障害の除去、恐怖の解消、複雑さから単純さへの変換を表す知性(デーヴァター)の質です。



ハヌマーン

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ハヌマーンは、ホルモン、神経ホルモン、神経伝達物質などの生化学的伝達物質に相当します。

カルッティケーヤ

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カルッティケーヤは脳幹の近くに位置することが示されています。彼の 6つの頭は、5つの基底核と視床を表しています。カルッティケーヤは、私たち一人一人の中に見いだされます。

他にもシヴァ神やクリシュナにも言及していたりします。

当初、この主張を見たときに、私は「ああ、完全にオカルト領域だな…」と感じたものです。

やはり伝統的な宗教に科学的な見地を取り入れたり、現代的な解釈をすることは、不可能なのかもしれない…と勝手に決めつけてしまったのを覚えています。

しかし、そこから何年も経ち、瞑想以外の宇宙論や数学、認知科学的な見地を知ることになると、このトニー・ネイダー博士の主張が少しだけ、以前よりも理解できるような気がしたのです。

人間という設計図

現在地球上の人口は80億人近くいるのでしょうか!?

そして、過去に存在していた人間の数や、これから誕生する人間の数を数えると、膨大な数になります。

共有する人体構造

人間は人種に分かれてはいますが、皆、手足が二本ずつあり、頭が一つ。目と耳が二つで口と鼻は一つ、指は五本づつという外見から、

食べ物は口から入れて、胃と腸を中心に消化し、肛門から排泄。心臓は血液の循環を司り、脳は神経系統の司令塔という内臓や骨の構造、血中のヘモグロビンや白血球、赤血球、細胞構造、視神経系統の仕組みなど、障害の有無は別にして、本質的には全く同じ構造をしています。

共有する人体機能

その人間の手足や臓器、神経細胞の構造に対する、機能。

・手足:物をつかむ、移動する、という機能

・臓器:食べ物を消化する、5感で外部の情報を処理する、血液を体中に運ぶ機能

・細胞:栄養分を運ぶ、傷の種福などの機能

「機能」も過去・現在・未来においてすべての人間において全く同じです。

例えば、ビッグカメラやヤマダ電機のような電化製品店に行くと、TVや洗濯機、パソコン、スマホ、パッドなど様々な電化製品が展示して売っています。

そのパソコンならパソコンの、TVならTV の機能を果たす媒体として、その形や構造のある電化製品が店頭に売られています。

例えばTVを例にとると、世界中には何千万、何億代代のTVがあるでしょうが、TV画面があって、様々なメディアを画像として映すという、基本構造と機能は全く変わりありません。

そのマスターの設計図は殆ど同じはずです。

このことを人間に置き換えてみます。

私たちは、つい自分の体を所有していて、自分の体を自分個人のものとして認識するので、このような発想をすることが少ないように思えます。

人体という構造は皆同じような構造で、その機能も同じようなものです。

では、そのマスターとなる設計図である情報とはいったいなんのでしょうか!?

このマスター構造を、古来の人々は神と呼んだのであろうと推測します。

人間の脳や心臓、様々な臓器の構造と機能は同じで、その構造と機能のマスター情報は唯一無二の情報です。

それはどこにあるのでしょうか!?

それは物理宇宙には存在しません。情報宇宙の中に存在します。

情報宇宙の中にある心臓の機能、胃や腸、脳の機能というものがあり、それらの構造と機能が、先のヴェーダの中に出てくる神々の構造と機能に似ているということです。

時代と文化で移り変わる神々


・ラクシュミーは仏教では吉祥天ともいわれ財運の神様です。ご利益は、富・繁栄・美・快適な暮らしです。

・サラスワティーは、日本では七福神の一柱、弁才天(弁財天)として親しまれており、仏教伝来時に『金光明経』を通じて中国から伝えられたといわれます。

・ガネーシャは日本名では「聖天」で商売繁盛の機能があるよと言われます。

・カールッティケーヤは日本名では「韋駄天」で、盗難や火事防止のご利益があることで有名です。

・1,000を超える異名をもつと言われているシヴァ神は、日本で「大自在天(だいじざいてん)」と呼ばれ、「大黒天(だいこくてん)」もシヴァ神を表す名前です。

このように、宗教の伝来という形で、情報的にそれらが伝わり、各地で文化と宗教、伝統を形成していったと考えられます。

ミーム

遺伝子は体をつくるが、ミームmemeは文化をつくる。そして遺伝子と同じように淘汰(とうた)によって次の世代へと引き継がれていく。ドーキンスは生物学における物理法則に匹敵するような普遍的法則として、「全ての生物は自己複製を行う実体の生存率の差に基づいて進化する」という原理を提唱している。ミームというのはドーキンスの造語であるが、この自己複製あるいは模倣の単位をさすギリシア語「mimeme」を「gene」と対になるように縮めたとしている。
 ミームは比喩(ひゆ)ではなく遺伝子と同じく実体である。実際の生物進化においても教育(文化の伝承)が体と同様に重要である例がいくつか示されている。たとえば、一部の鳥類の鳴き声、動物による狩りなどは遺伝子に書かれた情報ではなく、親から子への教育の結果であることが示されている。また、人間のもつ文化、とくに言語とそれによって語り継がれる物語、宗教などもミームである。

もともとヴェーダは古代のリシ(聖人)達によって神から受け取られたと言われます。ヴェーダは口伝でのみ伝承され、文字が使用されるようになっても文字にすることを避けられ、師から弟子へと伝えられたといいます。

後になって文字に記されたが、実際には、文字に記されたのはごく一部とされています。

キリスト教、仏教、イスラム教、ヴェーダ、神道、それぞれの本質が似通い、同じであるということは以前触れました。

それらの教えの本質が同じであり、遺伝子的な構造と機能は宇宙の構造と機能に相似的であるということがトニー・ネイダー博士の発見であり、主張のようです。

この結果、『人間は「我は宇宙の総べてなり」という体験をすべての人が得ることが出来る』

と言います。

映画やSFのような話ですね。



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