統合失調症と診断されたことについて

私は統合失調症と診断されている。正式に診断されたのは、2023年2月~4月に初めてC病院に入院したときだ。
しかし、診断が確定する前の入院時の書類にも、既に病名の欄に「統合失調症」と書いてあった。

私は「統合失調症」という病名が嫌いだ。私の中で「統合失調症」というと、「幻聴」「幻覚」というイメージがあって、ほんとうはこんなことを言ってはいけないのだろうけれど、「頭がおかしい人」というイメージを持ってしまうからだ。
私は基本的に幻聴は聞こえないし、幻覚も見えない。ただ、対人恐怖が強くて極度に他人のことを気にしてしまい、自分の近くで誰かが話していると、(自分のことを言っているのではないか)という被害妄想的なものがあった時期があった。それが統合失調症の症状的に見られていたのだろうか?と当時は思っていたが、紹介状になんて書いてあったのかはわからないが、私のことを何も知らないくせに病名に「統合失調症」って書くなんてひどい、と当時は思っていたし、いまでも思っている。
入院してまもなく、主治医の先生に統合失調症の治療薬をのむように言われ、嫌々のんでいた。以前、統合失調症のくすりをのんでいた時期があったが、入院したときはやめていた。その後心理検査をやり、その結果で統合失調症の診断が確定した。

心理検査の結果を説明するための面談を、入院中、主治医の先生、心理の先生、受け持ち看護師さん、私、母、でやった。10年前にやった同じ検査に比べて、結果がかなり悪くなっているから、これが病気(統合失調症)のせいだろう、と言われた。主治医の先生の説明によると、私の症状は統合失調症の陰性症状だと言われた。統合失調症には幻覚や幻聴などの陽性症状と、やる気がなくなるなどの陰性症状があるらしく、私は陰性症状だと言われた。そこで、いままで入院中出されていたくすりとは別の統合失調症の治療薬をのむことを勧められた。私はそのとき、統合失調症の治療薬を絶対にのみたくない、と思っていた。統合失調症の治療薬をのむということは、自分が統合失調症だと認めることだと思った。私は統合失調症と告知されても、それを全く受け入れることができなかった。すごくショックだった。その場は、受け持ち看護師さんにも統合失調症の治療薬をのむことを勧められ、それでも私が納得しないので、後日薬剤師さんにくすりの説明をしてもらうことになった。

その日の夜は最悪だった。
面談で統合失調症と告知されたことがすごくショックで、調子が最悪だったのに、夜勤の看護師さんが苦手な人で、何も相談ができなかった。夜も寝られず、自分の部屋で大人しくしていることもできなくて、廊下で寝ていたりした。頓服を貰いに来た患者さんが私にびっくりして看護師さんに言っていて、看護師さんは私のことに気づいているはずなのに何も対応してもらえなかった。ようやく2回目の頓服をもらえる時間になったので、インターフォンで看護師さんを呼んだら別の看護師さんが来たので、「担当の看護師さんが怖い」と言ったのだけれど、その看護師さんにも嫌なことを言われたとかんじて、私は手に持っていた水の入ったコップを投げて、廊下を水浸しにしてしまった。看護師さんが床を拭いているあいだ、私は廊下に座り込んで泣いていた。誰にも面談で不調になったことを言えていなかった。そのまま泣いていたら、床を拭いてくれた看護師さんが、普通は関わることのない保護室担当の看護師さんを呼んできてくれて、この看護師さんがその日の夜勤メンバーで唯一話せる看護師さんだったので、やっと面談で統合失調症の治療薬を勧められたことを言った。保護室担当の看護師さんが部屋まで連れて行ってくれて、落ち着かせてくれて、頓服をのんで、そのあとは寝れた気がする。

次の日になっても、私はショックを引きずったままだった。そのときの入院では摂食障害の治療をしていたので、30分以内に食事を全量食べなければいけなかったのだが、面談の次の日は統合失調症と言われたショックで、朝ごはんと昼ごはんを全部食べることができなかった。
面談の次の日の夜勤がTさんで、Tさんがごはんチェックをしてくれたので、夕ごはんは全部食べることができた。夜、Tさんに話しを聞いてもらった。昨日の夜のことも聞いた、とTさんに言われた。面談で統合失調症と言われてくすりを勧められたことを言ったのだけれど、私が「Twitterに統合失調症という病名を書きたくない」と言ったことから、話しが統合失調症やくすりのことからずれていって、全然関係ない私の趣味の話しをして、その日のTさんとのお話しは終わった。でも、Tさんと他愛もない話しをしたことでだいぶダメージがなくなって、その次の日からはまた普通にごはんを食べることができた。

面談のあとも、主治医の先生や受け持ち看護師さんと統合失調症やくすりについて話した。自分が統合失調症だと認めたくないこと以外にも、くすりが脳に作用して自分が変わってしまうんじゃないかという不安があって、それも統合失調症の治療薬を拒否していた理由だった。あとは何か副作用が出るのではないかと怖かった。
主治医の先生や受け持ち看護師さんの話しによると、統合失調症のくすりは(ほぼ)一生のみ続けなければならないらしく、それを聞いてますます悲しくなった。なんだか自分が不治の病に罹ってしまったように思った。また、「統合失調症は100人に一人がなる病気」と聞いて、何故その100人に一人のくじを自分が引いてしまったのだろうか、と思って、自分がすごく不幸に思えた。

(続く)

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