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ソニーと Honda、モビリティ分野における戦略的提携に向けて基本合意

こんにちは、ソラです。

今回は、ソニーとホンダがEV開発・販売で戦略的提携をしたことについてお話したいと思います。

(今回の内容はYouTubeにも投稿しています。)
https://youtu.be/G5ufyJdFN3I

このニュースは、ソニーグループ株式会社と、本田技研工業株式会社が電気自動車の共同開発・販売、モビリティサービスの提供について、戦略的な提携に向けた協議・検討を進めることで合意したと発表した。

という内容です。

ソニーが新会社「ソニーモビリティ」を2022年春に設立すると言っていたので、ソニーがマグナシュタイヤーで少量生産するのか、それともTier1のメガサプライヤーとして自身の車載部品やシステムを自動車メーカーに売り込むのかとは思っていたのですが、こうやって発表されるとワクワクしますね!

それもこの発表がグランツーリースモ7の発売日と一緒というのも熱いですね!

では、さっそくソニーとホンダのプレスリリースを見てみましょう!

本田技研工業株式会社とのモビリティ分野における戦略的提携に向けた基本合意に関するお知らせ
当社は、本日、本田技研工業株式会社(以下「Honda」)との間でモビリティ分野における戦略的提携に向けた基本合意書(以下「本合意」)を締結しましたので、お知らせします。
1.本合意の背景及び目的
当社は、2020年1月、モビリティの進化への貢献を目指した取り組みである「VISION-S」を発表し、推進してきました。
この度、当社と Honda は、Honda が長年培ってきたモビリティの開発力、車体製造の技術やアフターサービス運営の実績と、当社が保有するイメージング・センシング、通信、ネットワーク、各種エンタテインメント技術の開発・運営の実績を持ち寄り、利用者や環境に寄り添い進化を続ける新しい時代のモビリティとモビリティ向けサービスの実現を目指すため、戦略的提携に向けた協議・検討を進めることに合意しました。
2.本合意の概要
当社とHondaは、今後、両社で合弁会社を設立し、新会社を通じて、高付加価値のエレクトリック・ビークルを共同開発・販売し、モビリティ向けサービスの提供と併せて事業化していく意向を確認しています。
3.スケジュール
今後、Hondaと本提携に係る法的拘束力のある確定契約の締結に向けた協議を行い、かかる確定契約の締結と関係当局の許認可の取得を条件として、2022年中の新会社の設立を目指します。
新会社からのEV車両の初期モデルの販売開始は、2025 年を想定しています。
4.今後の見通し
本提携に係る確定契約の締結は、提携内容の詳細についての最終的な合意又は決定があり次第行う予定であり、開示すべき事項が発生した場合には、速やかに公表します。

https://www.nikkei.com/markets/ir/irftp/data/tdnr/tdnetg3/20220304/de4tne/140120220303599962.pdf

ソニーと Honda、モビリティ分野における戦略的提携に向けて基本合意
2022年3月4日、ソニーグループ株式会社と本田技研工業株式会社は、新しい時代のモビリティとモビリティサービスの創造に向け、戦略的な提携に向けた協議・検討を進めることを合意したと発表しました。
具体的には、両社で合弁会社を設立し、新会社を通じて、高付加価値のエレクトリックビークルを共同開発・販売し、モビリティ向けサービスの提供と併せて事業化していく意向を確認した、基本合意書を締結しました。
両社は、今後、共同開発契約と合弁契約を含む法的拘束力のある各種確定契約の締結に向けた協議を行い、これらの確定契約の締結と関係当局の許認可の取得を条件として、2022年中の新会社の設立を目指します。
今回の提携では、Hondaが長年培ってきたモビリティの開発力、車体製造の技術やアフターサービス運営の実績と、ソニーが保有するイメージング・センシング、通信、ネットワーク、各種エンタテインメント技術の開発・運営の実績を持ち寄り、利用者や環境に寄り添い進化を続ける新しい時代のモビリティとサービスの実現を目指します。
新会社からのEV車両の初期モデルの販売開始は、2025年を想定しています。
新会社はEV車両の企画、設計、開発、販売などを行う想定ですが、製造設備は自ら保有せず、製造は、初期モデルについてはHondaの車両製造工場が担うことを想定しています。
また、モビリティ向けサービスプラットフォームについては、ソニーが開発し、新会社に提供することを想定しています。
ソニーグループ株式会社 代表執行役 会長兼社長CEO 吉田憲一郎のコメント
「ソニーのPurposeは『クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす』です。
『モビリティ空間を感動空間へ』というビジョンのもと、自動車業界においてグローバルな実績と知見を有し、常に先進的な取り組みをしてきたHondaとの提携を通じて、セーフティ、エンタテインメント、アダプタビリティの三つの領域を軸に、モビリティの進化に貢献していきたいと考えています。」
本田技研工業株式会社 取締役 代表執行役社長 三部敏宏のコメント
「新会社では、世界のモビリティの革新・進化・拡張をリードしていく存在を目指し、Hondaの持つ最先端の環境、安全に関する知見や技術の提供などを通じ、両社の有する技術アセットを結集し、いかにしてお客様の期待や想像を超えた価値創造を図っていくか、そのような観点で幅広く、野心的に可能性を追求していきたいと思います。ソニーとHondaは歴史的・文化的にシンクロする点の多い企業ですが、それぞれの得意とする技術ドメインは異なっており、この両社によって設立される新会社には、大いなる可能性があると確信しています。」

https://www.nikkei.com/markets/ir/irftp/data/tdnr/tdnetg3/20220304/de4tne/140120220303599962.pdf

プレスリリースの内容を要約すると、

・ソニーとホンダが一緒に会社を作って、電気自動車を開発して売る、それに加えて自動車向けのサービスも事業としてやっていく
・分担はHondaが車両の開発力、製造、アフターサービスを、ソニーがイメージセンサー、通信、ネットワーク、エンタテインメント技術を担当
・新会社はEV車両の企画、設計、開発、販売などを行う想定だが、製造設備は持たない
・初期モデルの販売開始は、ホンダの車両製造工場が担い、2025年に販売予定
・モビリティ向けサービスプラットフォームは、ソニーが開発し、新会社に提供する

という事ですね。

これまでのソニーの電気自動車開発についての取り組みをおさらいしますと、実は、ソニーはVISION-Sを出す前から、すでに電気自動車を開発していました。

SC-1 ソニーが「自動車にスマホの技術を搭載するのではなく、スマホ自体が人を乗せて走れるようにしよう」というコンセプトで開発した車両で、2016年に試作機を開発、2017年にはヤマハ発動機と共に、ニューコンセプトカート SC-1として試作機を完成。

2018年には、カヌチャベイリゾートで、沖縄の夜のゴルフ場で夜間の走行シーンに、MRを活用したエンタテインメントコンテンツが楽しめる「ムーンライトクルーズ」を2018年に期間限定で実施しました。

そして2020年1月7日に、CES2020にて、モビリティにおける安心・安全から、快適さやエンタテインメントなども追求する取り組みとして、新たに「VISION-S」を発表し、ブースには試作車を展示しました。

その後、VISION-Sの公道テストを行う等、車両の開発を続けていき、2022年1月のCES2022では新たにVISION-S 02を発表。それと同時にソニーは事業会社「ソニーモビリティ株式会社」を2022年春に設立し、EVの市場投入を本格的に検討すると発表しました。

正直、これまでは、ソニーはあくまでシステムインテグレーターを目指して自動車業界へ入っていくのだと思っていました。

これまでソニーは、

・具体的な設立時期はまだ決まっておらず、自動車に関しては、まだ勉強しなければならないことが多い。
・市場投入は、検討することを発表したまでで、EV(電気自動車)市場への参入を決定したわけではない。

といった感じの態度で、私には自社ブランドで乗用車を出す感じじゃない様に見えました。

それに、自社ブランドで出すとして、製造工場をどうするのかというのがという問題がありました。

ソニー自身が製造工場を持つというのはいくら何でもリスクが大きすぎて考えられなかったですし、既存の自動車メーカーの工場で作ってもらうというのも、自動車メーカー側の立場を考えれば、自分の会社のバッジを付けたいはずなので、これも考えにくいなぁと思っていました。

なので、ホンダとの合同会社とはいえ、新規のブランドとして乗用車を出すと聞いた時は本当に驚きました。

どんな感じの会社になるのかはまだわかりませんが、イメージセンサーを始めとしたエレクトロニクス事業に、ゲーム・映画・音楽・アニメといったエンターテインメント事業、それに自動車保険を始めとした金融事業と、いろんな事業をやってるソニーグループの強みを生かせる会社になるのかな?と思いました。

その一方で、本当に3年で出来るのかな?とも思っています。

ほとんどの人は3年もかかるの?と思われるでしょうが、自動車の開発プロセスを知っている人からすると、たった3年で作れるの?と思ってしまいます。

というのも、大手の自動車メーカーが自動車開発をする場合、
普通はマイナーチェンジで3年くらい、
フルモデルチェンジで5~6年くらいかかってしまいます。
プラットフォームを一から、例えば最近出てきている国産の新型EV、具体的にはトヨタ・bZ4Xやスバル・ソルテラ、日産・アリアの様な、今後の経営戦略の中心を担う様な車だと、新技術を数多く扱うだけでなく、いろんなOEMの思惑が絡んでくるのでもっと時間がかかります。
多分7年くらいは掛かるのではないでしょうか。

なので、販売時期から逆算すると、現時点では既存の車に新型のパワートレインを乗せた車が出来上がって、これから評価開始。
同時に試作車両の検討を開始し始めている頃になっているのではないかと思います。

とはいえ、すでにホンダで開発された車をベースにするのであれば、3年以内に出すというのは意外と現実的なのでは?とも思いました。

あと、ソニーは乗用車を作ったことがないから、自動車業界のことを全く知らないのでは?
企業文化が似ていたり、創業者同士の仲が良いだけでホンダとうまくやっていけるの?
と思われるかたもいらっしゃるのではないかと思います。

ですが、個人的には大丈夫だと思っています。

すでにソニーは、自動車業界出身者の採用をしていますし、何よりもソニー自身、自動車用の部品を作っていたりします。

あまり知られていない事だとは思いますが、ソニーの半導体部門、ソニーセミコンダクタソリューションズはイメージセンサー関連の部品を中心にTier1,Tier2のサプライヤーとしての実績があります。

私の知っている限りだと、日産自動車のアラウンドビューモニター用のカメラや、デンソーやボッシュにイメージセンサーの納入をしていたりします。

あと、自動運転用OSを手掛けているベンチャー企業の,ティアフォーから発売されているカメラのイメージセンサーにも使われていますね。

イメージセンサー関係だけとはいえ、車載部品としてはすでに開発の実績があるので、ソニーは全くの素人というわけではありません。

色々言ってしまいましたが、ソニーが本格的に自動車開発に乗り出すというのはとってもワクワクしますよね!

今回は以上です、ありがとうございました。


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