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おばあちゃんの家2 〜おじいちゃんの存在〜
なぜかみんな「おじいちゃんの家」とは言わず、「おばあちゃんの家」と言っていた。でもおじいちゃんもいたんだよ。
おじいちゃんは小学生の頃のボクたちにとっては不思議な存在だった。
普段おじいちゃんは閉め切った暗い部屋で布団に入ったままラジオをずっと聴いてる人だった。別に寝たきりだったわけではないが、1日のほとんどをその部屋で過ごしていた。
おじいちゃんはものすごい甘党で、たまに起きてきてコーヒー
未だ忘れない人の優しさ
大人になってすぐにボクは大阪に住み始めた。
自分は絵描きになると決めていた頃で、バイトをしながら作品を作っていこうと思っていた。なんの取り柄もないボクはとりあえず派遣社員となって工場で働いていた。
工場の仕事というのも人間関係が複雑で大変だった。女性が多く派閥も目に見えてあったし、汗を拭う時間もないほどの仕事をさせられた。そしてその頃の派遣社員は本当に使い捨てだった。
下請けの電子部品工場