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11/3(水) 東京都2部リーグ戦 第14節(延期分)vs成城大学 マッチレポート #17

上着が手放せない気候にようやくなった11月、我々は成城大学との一戦に臨んだ。

前節は東京理科大との一戦。開始早々に先制点を奪った。風を味方につけた理科大の攻勢も何とか守り切り前半終了。エンドが逆になった後半、流れを掴むと3点を追加し4-0の快勝。この結果、2試合残して優勝決定。今季の目標の1つを達成した。

優勝こそ決めたが、まだ無敗記録が懸かっている。今季一度も土を付けられず終われるか、このチームの真価が問われる2試合となる。

対する成城大は最下位に沈んでいる。消化試合数は残留を争うライバルより少なく、なんとかここで一勝を挙げて降格圏脱出の糸口を掴みたいところだ。

上智のラインアップは以下の通り。

羽藤 宏太朗(C)(4年/#1/GK/國學院久我山高校)
髙野 陽 (3年/#56/MF/県立川和高校)
池田 総一郎 (4年/#10/FW/県立川和高校)
中尾 竜吾 (2年/#72/DF/國學院高校)
三谷 宗 (4年/#7/MF/日本大学鶴ヶ丘高校)
野田 祐成 (2年/#48/DF,MF/國學院久我山高校)
宮原 正弥(4年/#8/MF/國學院久我山高校)
古山 悠人(2年/#80/DF/新潟高校)
古宮 由視 (4年/#4/MF/東京武蔵野シティFC U-18)
松本 浩己(4年/#9/FW/東京都市大学付属高校)
神田 辰丸 (3年/#14/MF/國學院久我山高校)

サブは以下の通り。

大山 朝生(3年/#30/GK/専大松戸高校)
大橋 陽生(1年/#39/MF/桐蔭学園高校)
伊藤 大心 (3年/#78/MF,DF/國學院久我山高校)
鈴木 陽太(2年/#37/MF/市立橘高校)
大山 諒(3年/#88/MF/武南高校)
林 陵(1年/#20/DF/桐蔭学園高校)
羽鳥 颯(3年/#17/MF/昌平高校)


秋晴れの中、上智ボールでキックオフ。

ファーストシュートは上智。6分、池田がカットインからシュートを放つもこれは大きく枠を外れる。

そのまま序盤は上智ペース。13分には神田がエリア外からミドルシュートを放つも、これはGK正面。

17分、古宮が前線からの激しいプレスでボールを奪うと、一人交わして左足一閃。これが逆サイドネットを揺らし、先制。上智が早い段階で先制ゴールを奪う。

古宮が先制点をゲット


その後は上智ペースで試合を運ぶもなかなか追加点が奪えない、フラストレーションの溜まる展開。

39分に久々のビッグチャンス。右サイドから中央へボールを動かすと松本がいい形でシュートに持ち込む。しかしこれは相手のGKのビッグセーブに阻まれる。

このまま前半は終了。

後半もファーストチャンスは上智。12分にはアバウトに入れたボールに対して池田が猛然とチャージ。相手DFが処理を誤ったところをヘディングでプッシュ。GKの頭上をボールは超えるも、相手DFが間一髪クリア。

16分にも宮原のカットインからのクロスを松本がワントラップから振り抜くもこれはサイドネット。

ボールこそ保持するものの得点を奪えない嫌な展開。

23分、抜け出した池田と相手DFが交錯。このプレーに主審はイエローカードを池田に提示。これにより池田は累積警告によって、最終節で出場停止処分を受けることが決定。

追加点の取れない上智は松本に代えて大山 諒を、古山に代えて伊藤を投入。しかしなかなか追加点を奪うことはできない。

40分、髙野が持ち上がると、オフサイドラインと駆け引きしていた池田にパス。池田が抜群のファーストタッチで抜け出すと、GKと1vs1を落ち着いて沈め、追加点。2-0となる。

手荒い祝福を受ける池田


このままのスコアで試合は終了。2-0で10連勝を飾った。


勝利こそしたものの、物足りないゲームであった。主導権を手中に収めながら、2点というのは足りない、といった感想がほとんどであろう。ルーズボールや球際のところも、優勝が決まる前のような勢いや、強さというのが見られなかったというのが正直なところである。泣いても笑っても残り1試合。無敗優勝のためだけでなく、今季のチームとして全力で戦い抜くことが来期にも繋がるはず。ハングリーな上智が来週は見たいところだ。

このゲームで輝いたのは4年生の2人。まずは宮原。安定したボールキープ力と高い守備強度で勝利に大きく貢献。特に守備強度に関しては、強度にはうるさい南出学生監督も脱帽。ボール奪取から多くのチャンスを演出した。常に登録メンバーに入っていながらも、スターティングメンバーに名を連ねることはそう多くなかった宮原だったが、クローザーとして途中出場した際にはしっかりとその責務を果たし続けた。多くは語らないものの、ひたむきに試合を見つめながらアップをするその姿は、他の選手の模範となっていたし、それだけでなく、この日はスタメンとして出場してピッチ内での仕事も果たした。残り1試合、彼が背中で何を遺してくれるのか、楽しみである。

いぶし銀の輝き、宮原

もう1人は池田。エースであり不動の存在。誰もが当然のように最終節が彼の雄姿をみる最後の舞台だと思っていたが、後半23分に受けた警告によって出場停止処分を受けることになり、彼の大学サッカー人生は残り20数分で終わることに。猛抗議も覆らず、少しピッチ内には悲壮感すら漂った。しかしこの空気を打破したのも池田自身であった。川和の後輩である髙野からのスルーパスを完璧なファーストタッチを決め、シュートをゴールへ流し込んだ。髙野は直属の先輩の花道を飾れた喜びをピッチを叩いて表し、ゴールを喜ぶ池田は雄叫びを上げながら、その頬には熱い涙が伝った。会場にいる誰もが涙腺を刺激されるようなシーン。ただの追加点をここまでドラマチックに料理してしまうのはなんとなく池田らしい。そこまでひっ迫した試合状況ではないのに、五分のボールに突っ込んで警告をもらうなんて、確かに馬鹿げてる。でもそれが池田だし、彼のそのただひたむきにゴールを渇望する姿勢こそ、彼をエースに見せしめ、2部の得点王たる所以なんだと思える。納得のいく、彼らしい出場停止処分であった。苦しいときには俺を見ろ、と言わんばかりの迫力。唸りをあげてゴールへ向かうシュート。爆発的なスピード。これらをもうピッチで見られないのは残念ではあるが、思いの丈は後輩に17試合でびしびし伝わっているはずだ。月並みだが、彼の分まで他の4年生、後輩たちにはラストゲームは戦い抜いてほしいところだ。

最後の最後までエースだった池田

以下出場選手のインタビューです。

宮原 正弥(4年/#8/MF/國學院久我山高校)

・今日の試合を振り返って
なかなか自分たちのリズムに乗れきれない時間が多く難しい試合でした。しかしながら少ないチャンスをしっかりとチームで決め切ることができ勝利することができた点は良かったと思います。

・今後に向けて
今シーズン最後の試合かつ無敗優勝をかけた重要な試合。各々がこの1年間やってきた集大成を表現できるように最後までしっかりと準備して臨みます。

池田 総一郎 (4年/#10/FW/県立川和高校)

・ゴールシーンを振り返って
後半22分でもらった不本意なイエローカードで僕に残された時間は25分しかないことが決まりました。当時の心境は引退ブログで書きます。親も観にきてくれていた僕の学生サッカー集大成の試合でなんとか点が欲しかったです。点を取れた瞬間は力の限り叫びました。ましてやそれが、高校からの後輩である陽からのパスだったので尚更です。
予備動作、立ち位置、陽のパス、トラップ、体のマネジメント、シュート、全部が完璧でした。間違いなく僕のサッカー人生最高のゴールでした。なんの悔いもありません!

・今後に向けて
まず、今シーズン上智大学体育会サッカー部を応援、支援してくださった皆様本当にありがとうございました。社会情勢的にも大変なシーズンでしたが、たくさんの支えのおかげで僕たちはここまで輝くことができました。
次の最終戦に勝てば「無敗優勝」が決まります。僕は出場できないけど、今まで一緒に戦ってくれた仲間が絶対に勝利を持ち帰ってくれると信じています。今まで応援してもらった分、仲間の力に少しでもなれるように僕も全力を尽くします。今年の上智は強いです。是非最後まで応援よろしくお願いいたします。

次節は11月10日(水)、東京工業大との11連勝、無敗優勝のかかった一戦。次節は有観客での開催となるので、ご来場お待ちしております!!

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