小山田氏のイジメ問題に関わるスタンスで、その人の立ち位置が分かる問題。

現代ビジネス ヤフーニュースより


小山田氏のイジメ問題は、自らの辞任という形で決着しましたね。


彼が、オリパラに関わらない事で多くの方は

ホッとしたのではないかと思います。


もしも彼が、オリパラの音楽担当として関わっていたとしたら。

それは、被害者の方やオリパラに参加する人々にとっては、悪夢のような事だったのではないでしょうか。


しかし、これは人々の声があってこそ実現した事です。

誰もが、他人事だと押し黙ったままでいれば実現はしなかったはずです。

彼がそのままオリパラの音楽担当となっていたら。

日本人は、人権感覚の乏しい後進国としての姿を全世界に晒す事に成っていたでしょう。

いや、彼がオリパラ音楽担当として選考された事だけでも、日本人にとっては十分に危機的な事だったと思います。


しかし、この問題を被害者側に立って、自分の心の痛みとして受け取った人々が多かったという事が幸いしたのだと思います。



ですが、一部に彼を擁護とも取れるような発言もあったようです。

以下は、社会学者の古市氏の意見です。

報知新聞社 ヤフーニュースより

社会学者の古市氏は、イジメは暴行罪や傷害罪に当たるなら刑事事件になるべき事としています。

そして、加害者に対する私刑、いわゆる寄ってたかってのリンチのような事はするべきではないとしています。


この古市氏の発言に対しては、全くその通りだと思います。

しかし、今回の件が私刑にあたるのかと言うと、いささか疑問に感じる部分があります。


だいたい、小山田氏が十分に反省していて倫理観を持って仕事をしてゆくからと問題ないと組織委員会は表明していましたが。

その事を決めるのは被害者であったり、オリパラに参加する人々であったり、日本や、世界のそのことに対しての嫌悪感や心の痛みを覚える人々であるはずで組織委員会ではありませんよね。


それに彼は、オリパラ音楽担当に選出されて、組織委員会から護られて高額の報酬を得る事を考えると。

彼は、どう考えても強者で有り、弱者ではありませんよね。


今回、世論が沸騰したのは、護るべき者は強者ではなく、弱者であると誰もが考えたからではないでしょうか。

そして多くの人が、強者ではなく弱者の味方をした事が、果たして私刑にあたると言えるのか甚だ疑問です。


そして、社会学者の古市氏は、このようにも発言しています。

報知新聞社 ヤフーニュースより
「死ぬまで(もしくは死んでも)誰かを許さない社会は、やっぱり違う」とし、「何かの理由があるとして、糾弾し続けるのは違う。実際『正義』の暴走は、いくつもの不幸な事件を生んできた。『あなた』は新しく誰かが傷ついたり、死んだりするのを見たいのだろうか。そうではない社会の変え方というのもあるよね」

と、古市氏はこのように仰っていますが。

果たして社会は、小山田氏を許していなかったでしょうか?


彼は、社会の片隅に追いやられる事もなく、バンドをやり、CMを制作し、ずっと華やかな場で音楽をやり続けてきましたよね。

そして、今回はオリパラの音楽担当にまでなっています。


いったい彼に対してのどこが、

「死ぬまで誰かを許さない社会」に当てはまるのか疑問ですね。


そして、市民の弱者側に立って弱者を護ろうとする声が、どうして

「正義の暴走」

と言えるのでしょうか。


古市氏は、これらの言葉を、弱者は強者に逆らわず黙っておけ。

という意味に巧妙にすり替えて使っているように思えるのです。



このような一連の古市氏の発言は、一見弱者を護る発言のように聞こえるのですが。

実際には、強者である小山田氏を、弱者であるかのようにすり替えて擁護する発言となっているではないでしょうか。


私は、この事で古市氏は。

本当は弱者側を護るのではなく、強者側に立って弱者側の言論を封殺し強者を護ろうとしているとの印象を持ったのです。


社会学者でもある古市氏が、本心からこのような強者側への擁護をしているのか。

それとも、もっとその上にいる強者へ対しての忖度した発言なのかは分かりませんが。

少なくとも、これによってその人のスタンスが分かる事は確かではないかとと思った事と。

日本が抱えている、もう一つの大きな問題ではないのかと思ったのでした。


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小山田氏のイジメ問題に関わるスタンスで、その人の立ち位置が分かる問題。

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2021.7.21

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