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私が【飛び込み営業】を3日でリタイアした理由  <2011年の就活生は。>

■実は知らない飛び込み営業の世界
■飛び込み営業で得られたこと
■私が3日でリタイアした理由

~前回までのあらすじ~
2011年、震災の影響もあり就活が完全に暗礁に乗り上げた筆者。「なんかクリエイティブなことがしたい」というフワフワな信念はかなぐり捨て、「営業」へと舵を切った。

■実は知らない飛び込み営業の世界

【飛び込み営業】という言葉に、マイナスイメージを持つ方は多いことでしょう。特に、エンジニア志向の方やクリエイティブな仕事がしたいという方は、「自分に飛び込み営業は向いてない」と確信しているかもしれません。というか、私はそう思い込んでいました。

2011年、追い詰められた私は飛び込み営業を経験し、3日間でリタイアしました

正確には正社員採用の前にリタイアするという、何も始まってない順風満帆なキャリアスタートを切るわけですが、それでも「やったからこそ見えたもの」「経験しなければ理解できなかったこと」があったのです。

結論から言えばNot For Meということで、私の能力が足りなかったということに尽きますが、実働30時間のキャリアで個人的に感じた【飛び込み営業の大変さ・楽しさ】をまとめてみます。

1.マイナスからの商談スタート

上司から手渡された地図を見ながら、手あたり次第に飛び込みを行います。企業訪問の際はインターホンなどで来社を告げ(もちろんアポなし)、担当者につなげてもらうようお願いするわけですが、ここでほぼ100%断られます。よしんば誰かがドアから顔を出してくれたとしても、不信感マシマシのマイナスイメージからのスタート。「じゃあ、それ買うよ」の一言までが、遠い。

「売れないふがいなさ」とともに「迷惑がられている視線」が精神的にキツい。人の評価を気にするネクラ(私のこと)は尚更であります。

2.売れない→頑張る→やっぱり売れない

もちろん商材にもよるけれど、飛び込み営業の打率は非常に低いもの。そこで「売れるまで訪問先を増やし続ける」ことになります。売れない営業は、「いやー、いっぱい周って頑張ったんスけど・・・」以外に言い訳のしようがないからです。

下手くそ(私のこと)は数を増やすとどんどん雑になる習性があるので、なおさら売れなくなります。やがて「からあげ」(架空計上のこと)を食べちゃうなんてことも・・・。ただ「16ページの冊子(1000円)」というエグめの商材だったので、私が禁断の味に手を出すことはありませんでした。

3.根本的にガッツが足りない

私の場合は「何も考えてない」せいでとにかく売れませんでした。追い返されることに慣れすぎてその先のビジョンがなく、たまーに社長と面会!みたいなビッグチャンスがやってきても、楽しくお喋りして買ってもらえず終わったりしていました。根本的にガッツが足りんのです。

売れるには熱心に企業を研究するか、あるいは「若者っス!ガムシャラっス!」という熱意をぶつけて「おや、元気がいいじゃないか」と買ってもらうか、どちらか。当時ほぼ学生の私たちに求められていたのは明らかに後者だったので、半端な屁理屈で乗り切ろうとするやつ(私のこと)はまったくお呼びではありませんでした。

■飛び込み営業で得られたこと

そんな調子でも3日間やり遂げました。上記の通り明らかにうまくいっていない飛び込み営業ですが、やっていると「慣れてくる」のです。

「自分には絶対向いてない!」と思っていた飛び込みという行為が、ちょっとだけうまくいくようになるのは本当に驚きでした。何を間違ったか、ちょっと売れたりもする。だんだんと、未知の世界が開けて糸口が見えてくる感覚。これはまさに「飛び込んでみないとわからない」感覚かもしれません。

そしてもう一つ、飛び込み営業で得られたのが「開き直り」。基本的に嫌われ、怒られて終わる飛び込み営業ですから、ナイーブな心をさらけだしていては耐えられません。開き直って受け流すのです。泣くのは夜、ベッドに入ってからでいい。

■私が3日でリタイアした理由

研修期間を修了し、私の心も固まりました。まずはモノを売れる人間になるしかない。そう決意して、いよいよ正社員として一人前の飛び込み営業マンになろうというとき、元バイト先の上司から連絡が入りました。

「まだ就職活動続けていますか? 実は娘が勤めている番組制作会社が社員を募集していて、もし興味があれば紹介したいのだけど」。

「興味あります!」と答えた私の心は、再び軸がフワフワの就活生に戻っていました。鋭角なカーブをキメて飛び込んだ魔窟・テレビ業界で、飛び込み経験が存分に活かされるとは露ほども思っていなかったのです・・・。
(続く)

【今回の反省ポイント】
「飛び込み営業」「シフト勤務」「客先常駐」・・・避けられがちなワードでも、実際に経験すれば見えてくるものがある。飛び込んでみる気持ちも大切だ。

【この記事を書いた人】
NAME:こなごな
新卒で就活先なし・転職3回と華麗な(失敗をしてきた)経歴と失敗談を持つライター。ITスキルはギークに憧れるナードレベルだが、なぜかテクノロジー系の執筆機会が多く焦って勉強中。好きなYouTube動画は動物が捕食しているやつ。

「ITやモノづくりの世界を身近に感じてもらいたい」そんな思いでこのnoteを始めました。書き手は全員転職経験者。実体験にもとづくエピソードや、転職に役立つかもしれない小ネタ、気になるニュースなどをざっくばらんに更新していきます。気に入っていただけたら、ぜひサポートをお願いします!