2022年12月14日広島市議会総務委員会(中森議員質問と理事者答弁)

私が自分用の記録としてテキスト化したもので粗いメモ起こしです。正確な議事録は、後に市議会が出されるものです。広島市民にとって大切な議論である中央図書館再整備計画に関して、市民が判断するために重要な資料が適切に開示されていると思えないし、今回の総務委員会での議論も、広島市は議事録以外で別途公開するつもりはないと明確に示したので、自分のメモを、この問題に関心がある人のために公開しているという位置付けです。ということをご留意の上、ご参考になさってください。

中森議員)
今回、図書館整備方針について案が出された。問題は、市の方針を決めるスケジュールについて、年内に比較検討をして最終的にどのような形で更新を行うかは年度内に決めるという説明をしてこられた。今回の総務委員会で(案)がついているとはいえ、エールエールが結論として示された。結論を出すのは年度内という説明と違うのでは。

市民局次長)
先日の一般質問の時に平岡議員への答弁で申し上げたが、本日総務委員会で再整備候補地の比較検討での案を報告。その後、直ちに市のHP等で市民に内容を公表して、年内に図書館協議会と社会教育委員会議を開催して比較検討の内容を説明することにしています。これらの手続きを経てできるだけ早期に方針を決定することにしたい。

中森議員)
色々と意見を聞くと。

生涯学習課長)
決定についてですが、先ほど次長からありましたが、年内に広島市図書館協議会や広島市社会教育委員会議を開催して比較検討の内容を説明。これらの手続きを受けて決定する。

中森議員)
三つを比較検討するということで、そのための資料を作るために2件の民間委託契約があったが、どういう契約か。

生涯学習課長)
契約については、まずはエールエールの構造の関係の調査をしていただく業務、もう一つは三案比較のためをするための業務。

中森議員)
そういう委託契約をして業務を行ってもらった結果、比較検討の資料ができて報告文書が出たということなんでしょうけど、比較検討の資料は我々にはまだ示されていない。どういう資料を作ったのか。それからどういう風に活用して比較検討を行ったか。

生涯学習課長)
資料については、また所用の手続きを経て議員の皆様にもご覧いただくようにしたい。今回業者から出していただいた書類については、それぞれの・・・

市民局次長)比較を行うため必要な整備計画の策定、それから概算事業費、整備期間の算出をお願いした。

中森議員)
6ページの資料、報告文書。添付資料。この資料を業者に委託して作ってもらったと。

生涯学習課長)
資料については業者から提出されたものを踏まえて市が作成したもの。

中森議員)
いずれの延べ面積も11500平方メートルとなっているが、春に示された基本計画案では計約1万3000平方メートルとなっていた。実際に図面を作ったら11500になったのか。

生涯学習課長)
今回の11500については図書館再整備方針を踏まえた図書館の部分の面積。機能発揮に必要な建設スペースを、今後の増床を踏まえて、11500という数字を提示。

中森議員)
それにしても、子ども図書館を切り離すとなったわけですよね。子供のエリアは必要無くなったと思うが、青少年を加えるということで。維持するということなのか。

生涯学習課長)
再整備する中央図書館は、子どもから大人まで多世代に向けたサービスを提供できる機能を兼ね備えた新たな図書館を目指すとしている。このため、乳幼児から中高生向けの図書の設置による発達段階に応じたサービス。一緒に訪れる大人向けの一般書も合わせて整備する。

中森議員)
どちらの案にしても、そのことによって、外のエリアが結局狭くなる、制約を受けるということにならないかとも考える。それは後日検討しようと思う。この文書の結論がエールエールへの移転となっている。閉架図書のエリアが狭くなっているが、確保できるのか。現場の閉架図書エリアの面積はどれだけか。

生涯学習課長)
エールエールについて、閉架図書については、参考資料をご覧いただきたい。参考資料3にエールエールの平面図。閉架図書については8、9、10以外にも他階の一部にその機能を設ける。その中でスペースを確保。

中森議員)
合計で2080平方メートルとなっている。他階とはどこか。

生涯学習課長)
他階については、今現在エールエールで営業されている方もいるので影響で申し上げられないが、管理している(広島駅)南口開発からは必要なものを確保できると聞いている。

中森議員)
今営業しているところをどいてもらうということが増えるんですね。
現場の閉架図書エリアの面積を答えていない。

生涯学習課長)
現況の閉架図書の面積は約850平方メートル。

中森議員)
広島を知るエリアというのがやたらと広くとってある。それに比べて閉架図書に比べて図書のエリアが狭い。どういうことでこういうゾーニングになったのか。

生涯学習課長)
図書のエリアについては、現況よりも広くとってあると考えている。

中森議員)
二日前にいただいた資料で不十分なところもあると思うが、疑問はそれぞれある。中央図書館の機能の最も重要なのは図書のエリア。その点では新しい施設、そこは相当広くなるという期待もある。本当に十分に広くなるのかという点で疑問も出てくる。その点はまたこれから改めて見ながら議論をしていきたい。

それから、映像文化ライブラリーの機能はどこへ。

生涯学習課長)
映像文化ライブラリーについては、参考資料3で、その他の施設という部分に入る。

中森議員)
二つの階にまたがって?

生涯学習課長)
詳細については今後の設計。
一つは映像ホール、一つは保管庫と考えている。

中森議員)
あえて確認するが、広島市中央図書館は広島市という都市にとってどの程度重要な施設か。
全国でも例がない施設だが、映像文化ライブラリーは広島市にとってどの程度重要な施設か。

生涯学習課長)
映像文化ライブラリーについては広島市映像文化ライブラリー条例によって、映像および音楽に関する作品及び資料を収集し、保存その活用をはかって、もって文化の向上に寄与する。全国的には珍しい施設。

中森議員)
中央図書館は。

生涯学習課長)
図書館法、及び広島市中央図書館条例に基づいて、図書記録その他必要な資料を収集し、生理保存して一般公衆の利用に供し、リクリエーションに資する・・・・・
地域の情報拠点として、社会の要請に応える。調査研究に資する。

中森議員)
中央図書館についての質問だったが。

次長)
中央図書館について、今回作りました図書館再整備方針にもあったが、図書館という機能もあるが、広島に関する蓄積されたさまざまな図書資料を活用し、広島の平和文化にかかる情報発信を強化する役目が中央図書館の役目だと思います。その他の区の図書館も含めた全ての図書館の中央館。さまざまな管理の部分、予約貸出のコンピューター、収集保存、移動図書館運行などの重要な役割を担う。

中森議員)
「平和文化」と盛んに使われる。広島市の文化政策の中で、中央図書館や映像文化ライブラリーがどういう位置付けをされてきたか。これからどう位置付けて発展性を確保するか。

次長)
図書館については今回の再整備方針に掲げているが、誰もが学び憩う平和文化の情報拠点。より読書を楽しみ、広島の魅力や平和への思いを学ぶ情報拠点としたい。平和への思いの共有につながる社会教育、生涯学習の促進は平和文化の振興の一環。

中森議員)
この辺は改めて議論をしたいが、差し当たって、子供図書館は切り離す。中央図書館と映像文化ライブラリーいずれも貴重な歴史的資料を保有する施設。これらを更新するに当たって、どの程度までお金をかけられるか。極めて重要な施設だが。どの程度までなら許容されるのか。

生涯学習課長)
判断はなかなか難しいが広島市の財政状況も踏まえながら必要な予算を取っていく。

中森議員)
財政面での差は30億円程度。報告文書でも、財政状況を踏まえと、あなたが今おっしゃったようなことがあるが、財政面への配慮。そこには、財政面ではエールエールの方が適切という結論がある。今年の予算特別委員会でまさにどれくらいお金がかかるかという議論をした。現地建て替えが一番かかるが、エールエールでも100億円となっている。現地建て替えだと133億円。余分にかかるといってもたかだか33億円。この差は、結果を左右するほど極めて重要な要素なのか。

生涯学習課長)
財政面では30億というのは非常に大きな額。また、仮設を立てるとなるとその期間等もある。同じような仮設を建てるのは難しいので、規模縮小してご不便をおかけする。仮設を長い間使うのは適切でない。

次長)
補足。先ほど中森議員がおっしゃったような左右する点。説明資料の5ページ6ページを見ていただきまして、一つの検討要因ではあるが、その他まちづくりや機能サービスをしっかり提供できるかの視点も含めて。

中森議員)
今一つの検討要因とおっしゃった。私は30億円というお金は見たことはないが、広島市にとって歴史的にも意義がある重要な事業を行うのに、これくらいの額の違いは重要な要素といえないと思う。比較してしまうが、広島駅南口開発の再整備、150億円から簡単に360億円に、2・3倍に増額した。しかもそれより1年前には、4年間で110億円も財源が足りない、財政が緊急事態だと言った最中に200億円を気前よく増額を決めたわけです。契約の中に、これがなければ工事が成り立たないほど重要な材料が含まれていなかった、なんていうありえない理由だったのに、請負業者の言い分にそって簡単に87億円もの増額。どさくさに紛れるように、凍結していた2号線と5号線の道路の建設も入れ込んで合わせて347億円もの増額をたった一回の議会で通してしまった。通行料で戻ってくると言っても、40年も50年も先の話。市が借金して賄わなかればならない。中央卸売市場の建て替えに518億円もかけるという話も出てきている。

やっぱりこういう事業の規模、こうした事業には気前よくお金を出してきたのに、30億円程度が重要だと思えない。ただの一項目と位置付けていただきたい。

今回の比較検討の文書では、三つの案のうち、中央公園内の他の場所への移転建替は用地確保困難という理由で外した。現地建て替えとエールエールの二つを比較検討するとなっている。比較検討の項目が立てられているが、結局、現地建て替えと移設、移転の両方がどちらも優劣つけられないのはあるが、結局どの項目でも現地建て替えの方に理があるという結論は一つもないものになっている。エールエールにという結論にそうものになっている。市長が立てた楕円形の都市づくりという。もう一つは、広島駅前が交通結節点にあって利便性が高く人が集まってくることが期待できるという判断。

本に親しむためには施設がより身近にあることが大事だと思う。けれど、今家にいながらでも図書館の本は借りることはできる。近くに図書館がないなら公民館で注文できるように仕組みを作ればいいし、わざわざ広島駅まで来なくていいようにするのはいろんな形で可能。広島駅の利用者の利便性を考えるなら、駅前に区の図書館なみの図書館を作ってもいいと思うが、中央図書館でなければならないか。新市域の方は広いという意見もあったが、旧市域と同じ発想というわけにはいかないが、将来的には適切に図書館を増設することも考えてもいい。以前街の図書館化を目指して、と21世紀広島市図書館計画の提言を受けて広島市は取り組みをしてきたと答弁した。これまでどのような取り組みを進めてきたか。

生涯学習課長)
街の図書館化を目指してというのを平成14年度に提案をいただいた。その10年後にそこから課題を整理し直し、広島市図書館サービスのあり方についてというのを23年度に再度整備。サービスのあり方の課題としては、施設が狭隘であると。情報発信をしっかりするべきだという課題を受け今回の再整備方針にも入れた。

中森議員)
提言を受けて具体的にどういう取り組みをしてきたかを聞いている。

委員長)どなたが答弁されますか。

次長)
提言を受けて、その中で展開してきたものとしては、きめ細かな機能の充実をはかるために、管理体制の確立、ネット活用などを目標としていた。その中にやってきたものとしてICTニーズの進展にそぐうようにする、これからの情報としてレファレンスサービスの充実、課題解決機能の充実などが課題となった。街の図書館化の提言の後、図書館法が改正され、家庭教育の向上に資するというのがあった。そこが追加されたことに対応してまいりました。その結果、14年度から改良して23年度に整備したが、課題が残っているので今回の再整備方針の中で解決していきたい。

中森議員)
より身近なところに図書館がある、身近なところで本に親しめるというコンセプトだったと思う。そういう点で、ICT活用とか色々あったが、基本的に、前進してきたと思わない。図書館のシステムそのものについては、政令市になったときに区の図書館を作っただけに終わっている。

身近に図書館がない、それこそ新市域ではあんな広いところに1か所しかない。例えばともはと号(移動図書館車)だって1台しかない。今17か所回っているというが、もっと回ってほしいというのがある。そういう風なことに応えられるようなことはできてきていないし、予算特別委員会で中学校区ごとに図書館を作っている自治体の例も示して、これぐらい身近でないといけないのではないかという提起をした。その時に、そんなにたくさん作れない。公民館があるじゃないか、ということも提起したが、難しいという答弁しか帰ってこなかった。それくらいの発想しか広島市にはなかったと思う。

今回の問題にしても、結局図書館という問題をとらえて、図書館施設をにぎわいというものの中に組み込んでいく発想になっている。図書館の再整備で一番強調されたのは色々といっているが、にぎわいの役に立つかという風に受け止めている。

生涯学習課長)
図書館がにぎわいを作るというより、図書館に多くの人が来ていただく方を増やすということ。

中森議員)
広島市南口開発の社長からの要望書、あれにもにぎわいとあった。それは、エールエールを考える上でのポイントだと思う。交通結節点にあるということが重要なポイントになっている。買い物などのついでに立ち寄れる。通勤通学途中、観光客。観光を目的に来られる方々。観光を目的に来られる方は、よほど広島を知るという目的でないと図書館には来られないのではないか。大幅な来館者増を想定するのは難しいんじゃないか。
ついで程度で言うなら中央図書館ではなくてもいいのではないか。

中央図書館でなければ用は足せないと言う人なら駅前じゃなくてもいいのではないか。今の立地も十分交通の結節点にある。そんなに優劣の差をつけるほどか。その点は。

生涯学習課長)
現地の中央図書館は、コロナ前の来館者数から見ると、平成30年度それの10年前から20%の減がある。場所的に、他の図書館よりもより減ってきているのは、場所というところも大きな理由ではないか。

申し訳ないです。閉架書庫について、850平方メートルといったが2000平方メートルですので訂正します。

中森議員)
それは、聞き直そうと思っていました。
「期待できる」という言葉を使って優劣の差をつける、判断の根拠としているところがいくつもある。学習塾がたくさんあるから期待できるというのもある。調査した結果ではなく、単なる願望に過ぎないと思うが。

生涯学習課長)
先ほど塾の話。塾の数についてもレファレンスを活用して調べた。紙屋町周辺では半径1キロ以内に5校、広島駅前周辺は半径1キロで21校。中高生の利用が多くあると考える。

中森議員)
塾がたくさんあるよというだけのことでしょう。そこに通ってる子たちがくるかは別の話。
留学生会館も、近くにあるだけ。留学生は散らばって住んでいる。留学生会館があるということ、それを持って、こういう人たちが駅前の図書館に来るというのはわからないと思うが。こういう優劣をいうほどの根拠、何かリサーチをしたか。

生涯学習課長)
今回、別紙3で示した商圏の人口など、公共交通機関の利用者数、多くの方が利用されているかを調べた。

中森議員)
優劣、優れているとか判断をしておられると思うが、最終的に議決で予算。そこで議会が判断することになるので、市で判断をしましたということではないということを申し上げておく。

それから、利便性。今の場所も交通結節点に近い。JR駅の近くでないというだけ。広電の駅もあるし、新市域ではとりわけバスが重要。どの地域からもバスが行く。やはり重要な交通結節点。もちろん、ペデストリアンデッキの設置予定はないが、一番来たからグリーンアリーナ、雨を避ける工夫はできる。ただ、利便性が高いに越したことはないが、それだけで利用者が増えるかはわからない。いかに利用したくなるかは施設の質的なレベルが一番重要ではないか。先ほども申した通り、市民と図書館が身近にあるか。十分取り組んできたとは言えない。この点は今回は切り離していい課題ではないか。市民にいかに親しまれるものか。自分たちの施設だと意識を持ってもらえるか。非常に大きな要素になり得る。

仮にエールエールとなると市民が自分たちで作った図書館というより、市長の意向を受けて作った。にぎわいの役にも立つ。南口開発の経営の役にも立つ、でも自分たちの思いがとどかないと市民が思っても仕方がない。そしてやっぱり交通の便利さだけに頼った施設でいいのか。

生涯学習課長)
図書館については、広島市再整備方針を策定したが、しっかりやっていくことでどこにあっても、使っていただける図書館になる。どこにあればいいかというところでエールエール。

中森議員)
何にしても、利便性が1番のポイントになっていることは間違いない文章になっている。
それでいいのかというのが、傍聴にもたくさんきているが、関心の高い点ではないかと思う。この後、図書館協議会とか社会教育委員会議で意見を聞くということを言われた。意見を聞いて、出されたそれぞれの意見をどういう扱いになるか。

生涯学習課長)
意見についてはしっかり受け止めさせていただいて審議を受けて決定する。

中森議員)
もう市は結論を出しているでしょう。私の考えは。案がついているだけで。結論を左右するような意見が出た時にどういう扱いになるか。

生涯学習課長)
基本的にまあ、エールエールに図書館があることが成り立たないという状況になると検討することはあるが、今はそういうことはないと思っている。

中森議員)
それぞれの議事録も見ておりますけど、結局それぞれで感想や意見を述べるだけで記録だけに終わってしまっているのではないかと指摘した。それぞれの会議が重要な場であるなら、それぞれで議論をしていただいて、今回出した結論が妥当かどうか、会議の場で結論を出してもらうくらいの場にしてほしいと思う。あなた方が専門的な立場で議論できる人たちだとおっしゃったわけだから。

生涯学習課長)
社会教育委員会議、図書館協議会、それぞれの専門的な立場から意見をいただいていく。これまでも素案作る際にも意見をいただいた上で再整備方針の素案を策定した。再整備方針を効果的に発揮できるのはどちらかということで出させていただきます。それぞれのご意見がありますし、みなさんが同じではありません。それを踏まえて意見をいただき判断して決定していきたい。

中森議員)
協議をする場。意見出しっぱなしで終わりというものでは本来ないと思うが、ここは意見を出す場で議論をする場ではないと、そういう発言もあったと思う。そういう風な扱いでいいのだろうかと危惧している。

それから、広島ゆかりの作家の文学資料。広島を知るエリア内の専用コーナーの設置を行うが、再整備後に別途文学館を設けることについて検討すべきものとある。文学館も受けるのはどの程度の実現性があるのか。

生涯学習課長)
この度再整備する図書館に広島の文学コーナーを設置することにしている。このコーナーで文学のものは21人の作家の図書を保管活用している。こう言った方々の増えていくことだったり、新たな広島のゆかりの作家が増えていくということで、新たに再整備する図書館で拡充が必要になった際に文学館なども含めて考えていく。

中森議員)
そうすると、今預けられている図書・資料が増えていくという前提条件が必要だということですか。

生涯学習課長)
再整備する図書館には今以上にしっかりと保管活用していただく。それでも今後増えていく資料の量だったり作家が増えていくと、今後拡充踏まえても難しい時は文学館も検討に入っていく。

中森議員)
となると、今の現状の資料では、今まで通りの扱いしかしないという理解か。

生涯学習課長)
今度再整備する図書館には保存をしっかりやっていく。エリアも拡充して充実させていく。そのまま右から左に移すのではなく、しっかり活用していただけるゾーンというかコーナーを作る。

中森議員)
最低限だと思うが、新たに文学館を設置する方向で動き出したような報道のされ方。今聞いた答弁では、何も進んでいく方向にはなっていないと思う。広島ゆかりの文学資料を預けてこられた方の思いは、やはりそれに相応しい扱いをしてほしい、きちんとした専門の文学館を作って専門の職員をおいてほしい、という想いを受け止めるなら、もっと踏み込んだ書き方をするべきだと思うが、そうはならなかったのか。

生涯学習課長)
今回の再整備では、まず広島を知るエリアで保存管理を設置するという風に考えている。

中森議員)
何も前に進んでいないということですね。

歴史的な資料を扱っているという認識がいる。専門性と権限を持って、専門の学芸員をおいて、相応しい扱いをしていくことが必要。ですから図書館ではなくて文学館だといっている。現状ではそっちに踏み込んでいく状況ではないと今、わかった。広島文学資料保全の会の方は飲食店のフロアもあって、火事が発生する確率が高いところに保管することが問題だといっている。保管のあり方を抜本的に改善をする、別の措置を講じることが必要ではないか。この点は考慮されないのか。

生涯学習課長)
再整備する中央図書館ではしっかり保存できる環境で消火設備を設置してしっかり保存活用したい。

中森議員)
展示しないにしても、保存には気を使って、劣化しないように。それくらいは最低しないといけないが、今の保存の仕方には問題があるといってきた。最低限。保存という点で。現実には前に進んでいないと感じる。

最近聞いたことですが、ゆかりの文学者の一人である栗原貞子の資料が、結局市がほったらかしのようなことにしていることに業を煮やして、寄託した関係者に引き上げられてしまったと。今は女学院大学で資料を引き受けて、名前を冠した文庫が設置されているという。今のような扱い、少し言葉を変えただけだと、結局みんな引き上げられてしまうのではないか。「平和文化」というが、その原点になるような資料を失ってしまって何が平和文化かと思う。

峠三吉の資料を寄託された方も、この権利を広島文学資料保全の会に移すお考えだとも聞いた。私は現地で建て替えて、文学資料館を設置することを検討するべき時期に来ていると思う。今回の整備方針で全く前に進まないとわかったが、そうではなくて本格的に整備する方向に向けて検討する機関を作って、どうやって保存するか専門的見地から方針を決める、原爆文学が含まれる3万点もの資料、被爆都市広島のやるべきことでは。

生涯学習課長)
文学資料については、しっかりと保管管理をしていただくとともに、今みなさんにみていただくのが難しい状況も聞いていますが、しっかりとコーナー設置については、ただ保管するだけではなく、そう言った方々の資料を見ていただきながら平和文化の心も育んでもらいたい。

中森議員)
先ほど言った、何が平和文化かよくよく考えていただきたい。ずっと生涯学習課長が答弁しているのでこの問題は前に進む状況ではないと思う。それではダメだと思う。
浅野家の古文書の扱いも検討するのか。

生涯学習課長)
浅野文庫については、浅野家と協議しながら扱いを検討していきたい。

中森議員)
商業ビルに移転するにしても建て替えにしても、どう扱うかの方針を決めるべきこと。一室に閉じ込めただけになっていたが、貴重な文化財を眠らせておくのはどうか。サッカー場をどこにするかずいぶん悩んだが、同じように真剣に考えていくべき。

生涯学習課長)
浅野文庫については今も意見交換を行っていて、年度内にはさらに意見を交わして整理していく。その協議の進み具合によって今後の時期も決まっていく。

中森議員)
今日のやりとりも含めて、広島市は歴史も関わる文化をあまりにぞんざいに扱っているんじゃないかと思う。たくさんの命を奪ってたくさんの苦しみを与えた原爆の被害を象徴する府の文化遺産、バッファゾーンのコア部分の精神性、平和公園の外側の土手筋、さらに外側の路地、外側も含めてバッファゾーンのコア部分の精神性に理解していただけない現状がある。そういう中で、元安川に高級飲食店を誘致したかき船問題もあった。カフェポンテの問題もある。中央公園の被爆遺構や歴史遺構も、世論に押されて一部切り取り保存となったが、ほとんどつぶしてしまった状況。要は例え貴重なものでもにぎわいの役に立つかで取捨選択しているんじゃないか。それではとても文化都市とはいえない。

同時に、こういう扱いは被爆都市としても問題があるのではないか。文化はにぎわいに従属するものではない。もっと一つ一つきちんと評価して大事に扱ういうことを使っていかないと広島に継続して人々に訪れる都市にならない。真摯な立場で声を上げてる市民の声も聞いて応える取り組みを。

市民局長)
ご意見を踏まえて4点ほど説明。まず一つは、新市域における図書館サービスをどうするか。これについて私も課題を認識している。対応については、今回の整備方針に挙げている〓や、図書館公民館の問題。直ちにすべての図書室を拡充するのは難しいが地域のニーズに応じて充実させていくことは重要。リクエスト制度もしっかり市民に知っていただきながら、図書が身近にある行政を。
二点目として、図書館をにぎわいの中に組み込んでいく思想についての指摘。課長も答弁しているが、比較の観点が二つ。一つは市民が求めている機能やサービスがしっかり発揮できるか。発揮できるとしたらどちらかが優れているか。まちづくりとか圏域づくりとか。ですから、にぎわいの中に組み込んでいくという発想ではない。
あと、街の図書館、取り組みが進んでいないのではないかという指摘。先日総務委員会が主催した講演会で専門家。中央図書館においてはレファレンスサービスへの評価をいただいた。それはひとえに図書館の司書の皆さんがこれまで尽力している。引き続き中央図書館の機能がしっかり果たされしっかり市民のみなさんに喜んでいただけるよう。

最後に文学館について。マスコミが報道してましたが、これは当然私どもは承知していない。あたかも作られるようなのは違うとはっきり申し上げる。今回議員の方からふみ込んでいないと言われましたが、そこまで書いていませんが、資料の会の意見も聞き、まずしっかりと保存活用し、充実させて多くの方に見ていただく。その先には文学館の設置も考えていく必要があるということで示した。今後、資料の会の皆さんとしっかり意見交換をしながら、どういうあり方をして原爆文学など貴重な資料をご覧いただけるかを真摯に対応していきたい。

参考までに。資料を大切に保存しているか。資料の会の方に見ていただいて、評価をいただいていますので、一言添えさせていただく。

中森議員)
今、4点お話になりました。最後の文学資料の問題。望んでいらっしゃるのは、独立した文学館を作って専門職を置いて、学問的な立場でも、歴史的な資料を扱うに相応しい扱いをしていただきたいということ。そういう方向に向けて検討する必要があると出ているが、前向き文学館を作っていくという方向性を示しながら議論をしていく姿勢が必要なのではないか。


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