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ブックメモ④「BCGが読む 経営の論点2020」

こんにちは!
読んだ本の気付きや感想をメモする「ブックメモ」シリーズ第4弾です。

今回はボストンコンサルティンググループの「経営の論点2020」です。
今年の1月に読んだものです。

本書を読んで、新たなdecadeを迎える2020年にどのような変化が起こるのか、経営レベルでどのような意識変化を持つべきか、勉強になったのでいくつかアウトプットしておきます。

データ・ドリブン・マーケティング

多くの企業が取り組むデータマーケティングは、「費用対効果の高い施策に予算配分する」というもので、一見効果が高そうに見えるが、これでは顧客層を刈り取ってしまい、短期的な成功で終わってしまう。

①「見えていないデータ」にこそ顧客を知る鍵があるかもしれないと問い直して、今獲得できていないデータで有効なデータがないか探してみる

②短期的な果実ではなく、LTVの最大化や新規顧客の獲得といった長期的視点でのデータマーケティングも執り行う必要がある。

③企業が言いたい情報だけをプッシュしても効果がないので、顧客が情報を知りたい適切なタイミングで届けるようにする。

例えば、「検索」ひとつとっても上流(認知)→中流(検討)→下流(購買)という段階があり、様々なチャネルを使って最適な段階で最適な情報を届ける必要がある。
どこにどのような仕掛けを置けば、最終的に購買に繋がるのか、またLTVを最大化できるのかうち手を考えていく必要がある。

データマーケティングでは、ビジネスとテクノロジーの両面から、一番大きなインパクトに繋がる部分を特定したうえで、ユースケースを小さく始めて、アジャイルで回して磨きこむ必要がある。一個一個つぶしながら、新しいカスタマージャーニーを作りこんでいく。

要するに、まずは「ビジネスにとって最もインパクトがあるデータはどこか?」と問いを立て小さくスタートしていく。そして徐々に成功体験を積み重ねながら次のデータへ移っていくようなスケールアップをするのが成功への秘訣。

デジタル時代のエコシステム戦略

デジタルプラットフォームなので、場所や人数の制約がないエコシステムの構築ができる。

他業種との協業やそれぞれのプレイヤーに最適な形でのつながり方を選択できるエコシステムの構築が可能に。

エコシステムの核になる多くのデータを握り、顧客接点を有するオーケストレーターは、エコシステム内でも圧倒的な地位を持つことになる。

ただ、オーケストレーターのポジションを獲得するのは非常に難しく、機会はかなり限られている。強いオーケストレーターになるには、ユーザを認識するIDユーザの利用を促進するイネーブラー(ポイントなど、何らかのメリットを提供できるもの)、様々なサービスを展開するうえで中核となるデータという3つの要素で何らかの強みを持つ必要がある。

例えば、グーグル、アマゾン、フェイスブックはユーザのIDを掌握し、中核となるデータの部分で圧倒的な強みを持っている。

今後、日本企業が事業を拡大したり、付加価値を創出したりするうえで、エコシステムはますます重要になっていくと考えられる。

オーケストレーターになれば、自社だけでは入手できなかった他社のデータ、および他社がエンドユーザーから入手しているデータが手に入り、抜本的にビジネスの組み立てを変更できるかもしれない。そしてこれが自社のビジネスに付加価値を生む要因になりうるかもしれない。

ただ、このようなエコシステムから手に入るデータを活用するには、従来の枠にとらわれずゼロベースで自社の提供価値や競合優位性を見直す必要がある。

アジャイル・オーガニゼーション

価値・目標に沿って組織の原則を定義する。

アジャイル組織では各部門のリーダーに予算の使い方を一任し、スピードを阻害する個別決裁などのプロセスは一切なくしてしまう。

各部門にリーダーを設置し、リーダーは目標を達成するためのビジネスプランやロードマップについて取締役会に提示して承認を受け、合意したKPIを達成できないときには責任を負うことになる。

価値目標の観点でKPIを設定し、パフォーマンスと明確に紐づけて評価する仕組みを同時に入れるということ。そしてリーダーとその部門はKPIに基づいて判断し、動いていく。

取締役会はリーダーに「預ける」という発想で、大幅に権限委譲する。細かな口出しを控え、投資家のような感覚で接した方が良い。

デジタル・トランスフォーメーション

デジタル・トランスフォーメーションの戦略では、まず現状の取り組みの可視化、集中と選択をする。
進んでいるデジタルトランスフォーメーションがいくつもある場合には、まず思い切って選択集中する。

その後、ターゲット市場と提供価値を絞り込み集中投資する。

近年は投資家も企業が特定の市場やユーザー層を獲得できているかを厳しく見ており、それを達成している企業は時価総額が高い傾向にある。特定の領域で圧倒的なユーザー数を集め、データとノウハウを蓄積すれば、コンサルティングサービス、サブスクリプションなど様々なモデルに移行でき、大きな収益源となることを理解しているからだ。

要するに、フォーカスしたエリアでユーザーデータを握り、次のモデルへ利用できるということ。

今後は、よりリアルと融合した領域で市場獲得競争が激化するだろう。

シナリオプランニング

未来を見える化し、チャンスに変える

将来のメガトレンドと自社ビジネスをかけ合わせることで、将来のリスク要因や、そもそもなくなるかもしれないビジネスモデルを見つけることができ、変化の準備をすることができる。

例えば、ビッグデータ分析というテーマで議論すると、「今持っているデータベースをどう組み合わせるか」というような話になる。

しかし、それはすぐにでも着手できることなので、通常の会議で議論すればよいし、すぐにやればいい。

長期の時間軸で、そのキーワード自体の定義が変わるという視点で議論することが大切である。

現時点の情報は「テキストデータ」「画像データ」だとしても、10年後には現在データと認識されていないものが利用可能になるかもしれない。

このように、一つ一つの言葉の定義を見直し、幅を広げることでより有意義な議論になり得る。

既存の強みを起点として考えていく場合、今既に持っているものを洗い出し、それをそれぞれ発展させると何ができるかを議論する。
特に狙い目となるのが、現時点では積極的に活用されていない専門知識、技術、人、情報である。

たとえば、水道修理サービスのスタッフは非常に深い顧客接点となる可能性がある。なぜなら、彼らには「顧客の家の中に入れる機会」があるから。
この機会を再定義した際に、新たなビジネスアセットとして生かせる策が見つかるかもしれない。

世界の先端企業が重視する「パーパス」

パーパス=WHY?なぜ社会に存在するのか?
ビジョン=WHERE?どこを目指すのか?
ミッション=WHAT?何を行うべきか?
戦略/バリュー・カルチャー/ブランド=HOW?どのように実現するのか?

パーパスの発揮に向けて、ビジョン(Where)として目指す状態を定義し、その実現に向けた道筋としてミッション(What)を明確化する流れとなり、パーパスは最も上位の起点となる概念と言える。

社会のニーズに呼応した独自の強みを通じた提供価値=存在意義となる

現在の社会変化が激しい状況では、一人一人の従業員が目指すべき戦略や施策の是非を判断する軸(パーパス)を共有しなければ、意思決定が迷走するリスクがある。

パーパスのアプローチとして、①パーパスを定義→②経営陣、社員への共有/浸透→③実行(戦略への組み込み、組織体制の構築)

以上。

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