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オーダースーツとオプションについて

こんばんは。僕です。

冬用スーツを受け取ってきました。
欲を言えばスーツのためにも日替わりローテーションをしたいので、5着は欲しいのですが、収納場所がないですね。
んー、でもとりあえずあと1着は欲しいかなぁ…
今回はスーツの紹介もですが、オプションについても少し詳しく話をしていこうと思います。
今日の記事はちょっと長めです…

ちなみに、今回の生地もレダですが、レダのシルキーエフェクトを選んでいます。
名前にもあるように、まるでシルクを交織しているかのような、なめらかな質感とエレガントな艶っぽさが特徴です。
この『シルキーエフェクト』の生地は、レダが独自開発した“ドルフィン加工”によって作り出されています。
<ドルフィン加工とは?>
生地を適度に湿らせてから表面を磨きあげ、特殊なローラー技術により高温と圧力を施し、生地に熱を加えることで、美しい光沢が生まれます。さらに、より長く質感を保たせるために、型崩れしにくく、織り目が消えないように“形態安定加工”もされています。

織柄のネイビー系です。
写真では伝わりにくいのですが、非常に艶のあって柔らかく良い生地です。
一番ベーシックな2ボタンのシングルスーツです。
ちなみに、サイドベンツです。

・スーツの形の種類
スーツにはシングルとダブルがあり、それぞれボタンの数が違います。
まず、モーニングコートやタキシード、ディレクターズスーツなどの礼服、準礼服は、1つボタンが定番です。礼服以外でも、細身でスタイリッシュなジャケットは1つボタンが多く見られます。
ビジネス用のシングルスーツは2つか3つボタンが定番です。先日のジャケットの記事で紹介したように、3つボタンで1番上を襟として折り返してしまうデザインも最近は見られます。
ダブルスーツは、前身頃の上前を大きく重ねるデザインで、ボタンが2列になっています。バブル時代に大流行したことから、個性的でクラシカルな雰囲気を出したいときに向いています。ボタンの数は4~6個の場合がほとんどです。

・サイドベンツって?
ベントとは、スーツの後ろ部分にある切れ込みの事で、1本のものがセンターベント(フックベントと言われるものもありますが…)、2本のものがサイドベンツ(複数形でベンツ)と言われています。
ビジネススーツに最も多く見られるのが「センターベント(シングルベント)」。そもそもは乗馬における動きやすさ実現するために考案されたデザインであることから、別名「馬乗り」とも言われます。
あらゆるビジネススーツにフィットするディテールですが、あえて言えばシングルスーツや、細身で着丈が短めのスーツとの相性が特に良いとされています。とりわけアメリカ系ブランドのスーツに採用されることが多いディテールです。
センターベントに次いで多く見られるサイドベンツ(ダブルベンツ)。腰に吊った剣(サーベル)の抜き差しをしやすくするためのデザインの名残りと言われており、別名「剣吊り」とも呼ばれます。
とりわけ英国製スーツに採用されることが多いディテールです。両サイドに切れ込みが入っているので、センターベントよりも動きやすく、突っ張った感じがなくなります。
あらゆるビジネススーツに相性が良いですが、あえて言えば着丈が短すぎない正統派のスーツやダブルブレステッドスーツとの相性が特に良いと言われています。

裏地はキュプラで紫のカモフラージュ柄になっています。仕上げは本台場になっています。
オプションとしては、裏地の素材、本台場を選択しています。

・裏地キュプラは何がいいの?
ドレープ感
キュプラの最大の特徴が、とても柔らかくしなやかという点であり、まとわり付くようなドレープ感があります。

滑りの良さ
滑りがとてもいいのもキュプラの特徴です。

光沢感がありキレイ
光沢感があるため高級感を出すことができます。

吸湿性・放湿性に優れている
キュプラは吸湿性と合わせて放湿性も持ち合わせています。毛穴から出る汗の湿気を吸い取り、服の外に放湿してくれるので、キュプラ生地を使ったアイテムを身に付けても着心地が悪くなることはありません。

静電気が起きにくい
キュプラ生地はほぼ静電気が起きないため、着たときや触ったときの「バチッ」という不快感がありません。

・本台場(お台場)仕立てとは?
お台場仕立ての発祥の国はイタリアで、広くお台場仕立てが普及しています。逆にスーツ発祥国である英国では、お台場仕立ては一般的ではありません。
イタリアの気候やイタリア人の気質により、お台場仕立てが生まれたと言われています。
イタリアでは、できる限りスーツを軽く、柔らかく作るという考え方が強く、比較的気候が温暖であることと、スーツを軽やかに仕上げることでファッション性を追求したいという理由から、柔らかい生地を開発したり、軽く薄い芯地(スーツ生地の内側に貼られている型崩れを防ぐためのもの)を使用するようになり、それではスーツの強度が低いということで、強度を増すためにお台場仕立てが考えられたのです。
日本では、昔は裏地の強度が今よりも断然弱く、着用を重ねるうちに表地よりも先に寿命が来るということがしばしばありました。そんな際には裏地をすべて取り替えることになります。
裏地を取り替える際、内ポケットを解くということが大変難しく、ポケットを傷めてしまうということがあったため、解く必要のないお台場仕立てが日本でも一般的になりました。

ベストは襟付きの6ボタンの5がけです。

・なんでベスト付き?
ベストは上着、ズボンとともに構成されるスリーピーススーツのパーツで、シャツと上着の間に着用する「中衣」または「胴着」といわれるものを指します。
時代や国により名称や形が少しずつ変化してきたものの、その歴史をたどってみるとかなり古く、17世紀のイギリスで生まれており、ブリティッシュスーツでは、スリーピースがスーツの本来の姿となっているため、イギリスからスーツの伝わった日本でもスリーピース=スーツと認識されていました。
ベストを着ていれば、ジャケットを着用していなくてもカッチリとした印象を保てます。もともとヨーロッパでは、Yシャツは「下着」という位置付けのため、ジャケットを脱ぐことは下着姿になる意味合いにあたります。しかし、ベストを着用していれば、内着の役割を果たすために上着は脱ぐことがマナー違反にならずに済みます。
また、ベストを着る際には、一番下のボタンをとめない、シャツの襟はベストにかかるくらいのものを選ぶ、丈はベルトが隠れるくらいという事が正しい着こなしになります。

袖は本切羽、ボタンは全て黒蝶貝のボタンにしています。

・本切羽とは
袖口にボタンとボタンホールを備えた開閉可能な仕様を意味します。英語で一般的には「surgeon’s cuffs」と呼ばれますが、英国では「working sleeve buttons」アメリカでは「functional (functioning) sleeve buttons」と呼称されることもあります。逆にボタンホールが開いていないにも関わらず、かがりによってボタンホールあるように見せた仕様を「開き見せ」と呼びます。
本切羽は「surgeon’s cuffs」という名からもわかる通り、外科医が手術や診療の際に腕まくりをしやすくするためのディテールとして誕生したと言われています。

・ボタンの素材
スーツによく使われるボタンは4種類あります。
ナットボタンは、南米エクアドルのタグワヤシの実が原料です。実の中は象牙のような乳白色で、アイボリーナットと呼ばれています。染色できるほか、経年変化するのが特徴です。
貝ボタンは、文字通り天然の貝を加工したボタンです。高瀬貝、白蝶貝、黒蝶貝などが原材料として知られています。パールのような光沢と質感が美しく、シャツやドレスなどで使われるケースが多いです。
水牛ボタンは、水牛の角が原材料です。ボタンのなかでも高級素材にあたり、ボタンの色は水牛の種類によって異なります。透明感のあるベージュはもっとも高級で、茶色、黒と色が濃くなるにつれて価格が安くなっていきます。
プラスチックボタンは樹脂の種類によってポリエステル、ユリアボタンとわかれます。ポリエステルは水牛や貝などの質感を再現するのが得意で、天然素材の代用品として1950年代後半から使われてきました。ユリアボタンも水牛やナットの再現性に優れており、耐衝撃性や耐熱性も抜群です。

AMFステッチも入れています。

・AMFステッチとは
AMFとはAmerican・Machine・Foundry社の略です。
手縫いで入れていたステッチをミシンでも入れられないかと、手縫い風のミシンを開発したアメリカン・マシン・ファウンドリー社を略してAMFステッチという名前になりました。
AMFステッチを入れるメリットとしては、襟が綺麗に見えることがあります。スーツの襟には立体感を出すため、少し硬めの芯が入っています。表の布地とは縫い止めていませんので、AMFステッチで縫うことで襟を馴染ませて、ふんわりと立体感のある襟を作ることができます。
また、デザインのアクセントを付けることができます。無地のスーツでは特に、ステッチの有無で雰囲気が変わります。

ブリティッシュスーツの好きな僕は、斜めチェンジポケット仕様もいつものパターンです。

・チェンジポケットとは?

チェンジポケットは英国調のスーツによくみられる意匠の一つです。
かつてお釣り(チェンジ)を入れていたことからその名がありますが、現在では装飾としての意味合いが強くなっています。切符入れとしても使用されていたということで「チケットポケット」と呼ばれることもあります。英国紳士のスポーツとして知られる狩猟の際、発射薬(弾丸を発射させるために使用する火薬)を入れていたとの説もあるようです。
チェンジポケットには、ポケット周辺に視線を集めることになり脚長効果が期待できるという思わぬ副産物もあります。ウエストラインがシェイプされた細身の英国調スーツとは、とくに相性がよいといわれています。

いかがでしたでしょうか?
簡単にスーツと言っても、なかなか沢山のオプションが存在します。あまり沢山説明しても読めないですよね…(笑)
今回はパンツのオプションについては割愛しましたが、ノータック、裾シングル仕上げ、折り目加工(折り目をピシッと維持できるようにする加工)をしています。
皆さんも自分のお気に入りのスタイルを見つけて、スーツライフを楽しんで下さいね!

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