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自由気ままに、あることないこと。

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自由気ままに、あることないこと。

記事一覧

タイトル1

誰がこんな未来を想像しただろうか。 友と肩を組み馴染みの校舎の廊下で笑い合ったのはほんの5年前。 大学生になったら中々会えないけど、一生じゃないよねと頷きあった。 …

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1年前
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遠いハル

休学していたクラスメイトが亡くなったと先生から聞いた。 その子に近い友人たち程ではないが、何となく私も仲が良かったから、多少なりとも心にくるものがあった気がした…

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2年前
2

じいちゃん

"ちゃんと食べとるか" 私のじいちゃんの口癖だ 口を開くことも笑うことも少ない 怖いじいちゃん ごく稀に話し出したと思うと 戦争の話や、苦労話 正直、10も聞くと聞き飽…

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2年前
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熱しやすく冷めやすい

生まれてこの方、何か一つのことに夢中になったことがない。初めて習ったバスケだって、最初こそ興味があったが、しばらく続けたら、どうでも良くなり辞めてしまった。典型…

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3年前
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秘める

思い出の曲がある。大好きだった曲がある。でも今は、なんとなく聴きづらい、そんな曲が車内に流れた。 ど田舎の高校から大都会の大学へ進学した。 右も左も分からず、小…

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3年前
1

雨の日の夕方

雨の日の夕方、傘をさしながら線路沿いを歩く。笑いながら帰路につく子供達とすれ違い、後ろから電車が通過した。 瞬間、あの日を思い出す。 雨の日の夕方、オレンジ色に…

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3年前
1

クール

幼い頃クールな人間に憧れていた。自分自身、クールとは程遠い人間だったからだろうか。 人の過ちに茶々を入れ、自分の過ちは見て欲しくなかった。友人の幸せは、憧れに、…

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3年前

ボス猫

我が家には、レオ、タロ、ソラ、ブン、4匹の猫がいる。その中でレオは我が家のボス猫。の割に偉ぶらないし、なんなら1番スッとボケてるかも。 でも、それがボス猫所以かも…

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3年前
タイトル1

タイトル1

誰がこんな未来を想像しただろうか。
友と肩を組み馴染みの校舎の廊下で笑い合ったのはほんの5年前。
大学生になったら中々会えないけど、一生じゃないよねと頷きあった。
会おうと思えば会えるのか。
ただ私が会いに行かないのか、行けないのか。
真っ白な正方形の部屋。ただ茫然と、青に浮かぶ雲の流れを見つめる日々。
自分の最期が近いと分かると何の変哲もない24時間が、苦しくなる。

大学2年の冬、休学し旅に出

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遠いハル

遠いハル

休学していたクラスメイトが亡くなったと先生から聞いた。
その子に近い友人たち程ではないが、何となく私も仲が良かったから、多少なりとも心にくるものがあった気がした。

毎日お昼休みに自販機前で飲み物を買う。そのとき、そこに必ず君はいて、よっと声をかける関係。そこから始まった関係。好きな歌手が同じで、好きな漫画も同じだった。マイナーだけあって、謎の結束力が生まれた。ライブに行こう、イベントに行こう、そ

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じいちゃん

じいちゃん

"ちゃんと食べとるか"

私のじいちゃんの口癖だ
口を開くことも笑うことも少ない
怖いじいちゃん

ごく稀に話し出したと思うと
戦争の話や、苦労話
正直、10も聞くと聞き飽きてしまう

そんなじいちゃんが死んだ

クリスマスの夜連絡を受けた
夏頃に入院していたが、忙しくて会うことはできず
最近元気になってきたところだと聞いていた
きっと大丈夫だ 年末の帰省で会えるだろう
そう思っていた矢先だった

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熱しやすく冷めやすい

熱しやすく冷めやすい

生まれてこの方、何か一つのことに夢中になったことがない。初めて習ったバスケだって、最初こそ興味があったが、しばらく続けたら、どうでも良くなり辞めてしまった。典型的な熱しやすく冷めやすいタイプなのだ。だからこそ、将来に不安を覚え、自分を知ることで、さらなる恐怖を目の当たりにするのだ。
高校選びもなんとなく。それなりに偏差値の良い学校に入学できれば良いとだけ思っていた。

入学後に出来た友達は、既に将

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秘める

思い出の曲がある。大好きだった曲がある。でも今は、なんとなく聴きづらい、そんな曲が車内に流れた。

ど田舎の高校から大都会の大学へ進学した。
右も左も分からず、小中高と繰り上がりで友と学び舎を共にした私には、友達の作り方が分からなかった。
1人でフラフラ大学構内を歩いているとき、山岳サークルに入らないかと声をかけられた。山に囲まれたど田舎から、わざわざビルに囲まれた街に出てきたのに、声をかけてもら

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雨の日の夕方

雨の日の夕方

雨の日の夕方、傘をさしながら線路沿いを歩く。笑いながら帰路につく子供達とすれ違い、後ろから電車が通過した。
瞬間、あの日を思い出す。

雨の日の夕方、オレンジ色に染まった山間にひっそり佇む駅。
あの日、私は電車の時間を間違えて、1時間暇を持て余していた。
プラットホームには、祖母の家から都心の自宅に帰る私と、今にも泣きそうな顔をした、黄色い帽子を被った男の子。
「どうしたの?」
「。」
何も答えな

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クール

クール

幼い頃クールな人間に憧れていた。自分自身、クールとは程遠い人間だったからだろうか。

人の過ちに茶々を入れ、自分の過ちは見て欲しくなかった。友人の幸せは、憧れに、愚痴に対しては、同意する日々だった。
それがかつての自分だった。

そして今、周りから見た自分は、人の過ちを許し、自分の過ちを受け止めているように映っているらしい。
幸せ話は笑顔で受け止め、愚痴に対しては的確なアドバイスを貰えると思ってい

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ボス猫

ボス猫

我が家には、レオ、タロ、ソラ、ブン、4匹の猫がいる。その中でレオは我が家のボス猫。の割に偉ぶらないし、なんなら1番スッとボケてるかも。
でも、それがボス猫所以かもしれない。

どんなにスッとボケて怒られても、食事、トイレ、人間の膝、ベッドはレオ様が1番である。不思議だなぁ。

俺はレオ。この家でボス猫をしている。
この家での1番は俺である。食事はまず、俺から配膳される。トイレの譲り合い精神など、俺

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