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ソロ登山のススメ

こんにちは!
株式会社ヤトラの田代蒼馬です。

山登り、特に1人で登る「ソロ登山」がサウナやヨガと同じようなマインドフルネス効果があるのでは、と思うようになりました。

マインドフルネス、検索すると以下のように定義されています。
: 過去や未来ではなく、今・ここで起こっているものごとを体験し、ただ目の前のことに集中する状態。

一言でゆえば、「心が整う」そういった状態でしょうか。
他にも「ソロ登山」を通して、良いなと感じることがたくさんありました。

記していきます。

利尻山を1人で登った

中腹からの景色。日本最北端の有人島・礼文島を望む。

先月、日本最北端の百名山・利尻山を1人で登りました。

普段から1人で自然に繰り出し、ハイキングや登山をしていますが、今回のように本格的な山を長時間「ソロ登山」することは今までなかった。

登山にハマっているわけでもないし、1人で黙々と長時間歩くのは億劫な気がしていたからです。

ですが利尻島に滞在しているからには、島のシンボルである利尻山に登らないと情けない、と一種強いられたような気持ちで、登山を決心して登りました。

黙々と1人で登山するのは、精神・肉体の両面できついなと感じました。
なかなか頂上が見えず、途中思わずに叫んでしまった。

そんな中で、ソロ登山だからこそ生まれた感情、気づきがありました。


ソロ登山を通して感じたこと

心がスッキリする

ソロ登山だからこそ、他の誰でもなく、自分自身と向き合う。
身体的な疲労と共に、日常考えている仕事・生活のことを忘れて、目の前の山登りにただ集中する。

登山の大半は、こんな感じの森を突き進む。写真をほとんど撮っていない。

これらを通して、サウナで整っている状態に近いような、心がスッキリした状態になるのを感じました。
山と人生を重ねた純文山岳小説「バリ山行」の登山の心情描写は、それそれ!と共感するものばかりでした。

都会で生活しているとあまりない感覚かな、と思います。

誰もいない山で、ひとり考えてみたかった。
五、六時間かけて山の中を歩く。日常ではそれほど長い時間、誰とも接することなく、ひとり考えを巡らせることがあるだろうか。

バリ山行 / 松永K三蔵

落ち葉を踏む音と呼気、そこに自分の心音が混じる。
歩きながらそれを聞く。それらは勝手に同調し、反発し、跳ね、熱を帯びた身体の中で騒ぎ、酔いに似た感覚があった。

バリ山行 / 松永K三蔵

挑戦する登山も、あり

宿泊していたホステルのスタッフに「通常往復10時間コースだが、早い人は6時間でやってのける」と言われたので、気づいたら時間を意識して登っていました。

宿の人に「早かったね」と言われたい。

結果的に、登りは平均6時間のところを4時間、下は平均4.5時間のところを2時間で下りました。
下りに関しては、ほぼ走るようにして下りました。

そして、宿に帰って「早かったね」と言われて、表情には出さないように心の中でかすかに喜びました。

変なプライドを自分の中に持ち続けて登ってしまったな、もっと自然を観察してリラックスして登るべきではないか、と反省しました。

ですが、5大陸の最高峰を登頂した植村さんの自伝を読むと、そういった「挑戦する登山」もありなのかと考えるようになりました。

エベレストの頂を、どうしても自分のものにしたい。各大陸の最高峰に立ってきた私にとって、エベレストはなんとしても極めたい頂上だった。

青春を山に賭けて / 植村直己

20日間なんて冗談じゃない。私は一日でやってみせる自信がわいた。

青春を山に賭けて / 植村直己

山登りは自分の足でやるもの。自分の装備でやるものだ。

青春を山に賭けて / 植村直己

植村さんは、各大陸の最高峰の頂に立った瞬間、次の山のことを考える、「冒険家」です。彼の言葉からは、目の前の登山に熱中し、全力投球する様子が伝わります。

ソロ登山だからこそ、自分の中に目標を持って挑戦する、ということができたのだと思います。

目の前のことに感謝

道中、同じホステルに宿泊している人と出会った時は、なぜか心の底から元気になりました。

下山してくる服部さんと偶然出会い、心の底から「元気もらえたっすわー!」と言った。


ソロ登山は、黙々と同じような道を登り、その感情を共有する仲間もいないので、孤独を感じます。だからこそ、仲間と出会った時は凄く嬉しい感情になる。普通の何倍もその出会いに感謝している自分がいることに驚きました。

道中見える景色も、地上から見るより美しく見えました。
利尻山の頂上から下る時は、何度も山の頂上を振り返りました。

確保が難しい水や食料などもそうですが、目の前のことにありがたみを感じられるのは、良い体験だったと思います。

山のストーリーに思いを馳せる

少し話が「ソロ登山」から脱線しますが、利尻山の後、富士山にも登りました。その際はプロの山岳ガイドの方が富士山の歴史を説明してくれました。

-恐ろしい噴火を繰り返す富士山を、鎮め奉るためにつくられた神社
-富士山を信仰する人々の集まりにより作られた集団・富士講の存在

昔の人に思いを馳せ、登る山も良いなと感じました。

富士山・山頂にて。

ストーリーを理解して富士山を登ったことで、日本人の自分にとってはより誇らしい山に思えましたし、違った感情の変化を楽しめるはずです。

ソロ登山、良いかも


今後、なんとなく心のリフレッシュを求めてソロ登山をやるような気がしています。日本の山地は約75%で、すぐ山にアクセスできる環境が整っています。

地上から見る、利尻山。島民にとってのシンボル。

インバウンド事業者として、今回のように「己と向き合う」一種の自己啓発的な要素を含んだ体験を販売していきたいと考えていますし、ソロ登山の体験が今後に繋がってくるような気がしています。

興味のある方は、以下2冊の本を読むと登山欲が刺激されるので、是非。

旅で感じたことを引き続き発信していきます!




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