「マチネの終わりに」を見て。

あらすじ→天才クラシックギタリストの男性は、その名を世界に轟かせる一方、自分の音楽に迷いを感じ苦悩を深めていた。そんなある日、彼はパリで活躍するジャーナリストの女性と出会う。彼女に強く惹かれ、自分の気持ちを伝える彼だったが、彼女には婚約者が居た。

感想→この作品は原作をkindleで読んだことがある。原作では同年代のギタリストが居て、スランプに陥っていた男性(蒔野)が彼と一緒にトリビュートアルバムを出すことがきっかけで復活を果たすというエピソードがあったが、映画ではその部分がばっさり切られていたのが少し気になった。
若かりし頃はその音楽的才能で脚光を浴びるも、40代を迎え才覚の衰えと自身の方向性の迷いに苦悩する天才ギタリストを福山雅治が好演。「なんかギターを弾く気がしなくなっちゃったんだよね」と音楽会社からの新作アルバムリリースを却下する気難しさもありつつ、飲み会の場では周囲を盛り上げる為に自身のすべらない話を持ち出す人の良さもある蒔野に親近感を覚えた。これらはひとえに福山雅治の演技力の賜物だと思う。

その一方で思うのは、最近の作品(「花束みたいな恋をした」「ドライブ・マイ・カー」)は長年連れ添ったパートナーとの幸せを描くのではなく、ある幸福なひとときを共に過ごした他人について描かれていることが多い、ということである。本来結婚相手との幸せを描く王道の作品があり、スピンオフ的な感じで奥さんとは違うパートナーとのひとときを描く作品がある、くらいが丁度良い気がするのだが実際は逆だ。
最近結婚をした身としては、そろそろベタに結婚したパートナーとのハッピーエンドを描いた作品が見てみたい気がする。もっとも自分が無知でそういった作品を見落としている可能性もあるので、結婚したパートナーとの幸せな結末を描いた作品を知っている方が居たら是非教えて下さい! 


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