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温泉ワーケーションは「自分らしさ」を見つめる絶好の機会

温泉ワーケーションのメリットとは何だろうか?

「温泉でリフレッシュできる」「休日を有効活用できる」「非日常感を味わえる」などさまざまなメリットが考えられる。

もちろん、これらは温泉ワーケーションから得られる大きな成果である。温泉でリフレッシュできるだけで十分、実行に移した甲斐があったといえるだろう。

だが、温泉から直接得られること以外にも、温泉ワーケーションにはメリットがあるのではないだろうか。

温泉ワーケーションは「自律的」

私は「温泉ワーケーション」について、このように定義している。あらためて確認しておこう。

「ビジネスに関わる人が、非日常の温泉地で、自律的に連泊して仕事と湯治に励むこと」

ポイントは「自律的」であること。自分の自由意思の働かないワーケーションには、バケーション(余暇)の要素がほとんどない。

自分自身の選択権がない状態で温泉地に行っても、「やらされている感」はぬぐえず、仕事も余暇も満足いくものとはならないだろう。それでは会社が主導権をもつ出張や社員旅行と変わらない。

温泉ワーケーションでは、個人が自発的、そして自律的に実践することが重要である。ワーケーションの目的を踏まえて、自分と相性のよい温泉地を選ぶ。それが担保されて初めて、温泉ワーケーションはプラスの効果をもたらすのだと考える。

自分で決めて、責任をとる

「自律的である」ということは、自分であらゆることを決めて、その結果の責任を自分で引き取ることを意味する。

そもそも「温泉ワーケーション」をするかどうかも、自分の判断である。会社のワーケーション制度を利用する場合、あえて「温泉のある場所でワーケーションをする」と決めるのは自分自身だ。会社や組織に縛られない立場の人であれば、自分の意思で温泉ワーケーションを実行することになる。

そして、いざ温泉ワーケーションを実行に移す場合も決断の連続だ。どこの温泉地に滞在するか、どの宿にするか、期間はどのくらいにするか、どんな内容の仕事をするか、仕事の成果目標はどうするか、仕事と温泉の割合をどの程度にするか、単独か他のメンバーといっしょか・・・などなど決めなければならないことは多い。

温泉ワーケーションを好き好んで実行する人は、いちいちこのようなことは意識して考えていないかもしれないが、実はこのプロセスには、「自分がどうしたいか」という願望が含まれている。「こうしたい」という意思がなければ決めることができないからだ。

一般社団法人みつめる旅・代表理事の鈴木円香さんは、CNET Japanの記事の中でワーケーションの本質的なメリットについて、こう述べている。

ワーケーションという体験をしようとすると、このように自分で決めなくてはいけないことが無数にあります。そして、この「自分で決めること」にこそ、自分の人生の主導権を取り戻すためのきっかけが豊富に詰まっているのです。どんなに小さなことであっても、「自分で決める」というアクションには、今の自分の心にある本当のWantを知り、それを実現させ、その結果を引き受けるという一連の流れが含まれています。

鈴木円香さんは、ワーケーションは「自分の人生の主導権を取り戻すためのきっかけ」になると述べている。大変共感できる考え方である。別の言い方をすれば、私は「温泉ワーケーションは自分らしさを見つめ直す機会」にもなると考えている。

自分らしい働き方とは何か?

「温泉ワーケーションを実行する」と自分で決めたということは、何らかの動機があったからだろう。

「こういう働き方をしたい」「もっと自由に生きてみたい」「特定の場所や組織に縛られない生き方をしたい」といった願望が背景にあったのかもしれない。そこには、こう生きたいと望む「自分らしさ」が眠っている可能性がある

もし私が会社員時代に「温泉ワーケーション」を体験したら、「将来は温泉地を転々としながら、自分が好きなときに好きな場所で働くような生き方をしたい」と考えたはずだ。早晩、独立に向けて動き始めていただろう。

もし「温泉ワーケーション」に少しでも興味をもってくれているのであれば、そこにはあなた自身の願望や「らしさ」が顔を出しているのかもしれない。

「温泉ワーケーション」をきっかけに、自分の働き方や自分らしさを見つめ直してみてはいかがだろうか。

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