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#7bookcovers Day1 『おかしな国のお菓子の本』

恋人に「noteで書評でも書いてみたら」と言われた矢先に、巷で大流行してるブックカバーチャレンジバトンのトスを盟友からもらったので、じゃあFacebookではバトンのルール通り内容を書かないことにして、ネタバレOKな人はnoteに飛んでもらおう〜と思ってこちらに書きます。書評と言えるほど立派なものではないけれど、一応7日間分のセットリスト的なメモは作ったから、紹介する本については最後まで書ききるつもりです。

今日紹介するのは、池田あきこ・佐藤かずよ著『おかしな国のお菓子の本』です。
1日目からレシピ本、しかも絶版書!
とは言え今はAmazon経由で古書も簡単に探して買えるようになったのだから、本当にいい時代だね。余談ですが、古書も新本と同じか物によってはそれ以上に生活必需品だとわたしは思います。

池田あきこさんの描く猫のキャラクター「ダヤン」はなんとなく見たことがあったり知っていたりする人が多いかと思うのですが、この本はダヤンと彼の暮らす世界「わちふぃーるど」を舞台装置とした、主役はお菓子のスイーツレシピ本です。
とは言えただお菓子の作りかたが書いてある訳ではなくて、26ページもの立派な絵本パートがあります。いたずら好きの魔女の呪文で匂いがすっかりわからなくなってしまった猫のダヤンが、かわいそうな鼻を治すために世界のいろいろな場所を巡るお話です。魔王の城で食べられそうになったり、何人もの同じ顔をした王様が住む浮島で涙を珍しがられたり、ドラゴンのくしゃみでドードーの島に飛ばされたりの大冒険のうちに、ダヤンは無事に嗅覚を取り戻します。そうして進む物語には印象的な景色やエピソードがたくさん出てくるのですが、それらを想起させるお菓子が、最後にレシピと共に登場する構成になっているのですね。

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わたしは大学時代に仏文科で戯曲を学んでいた母の趣味に影響されたこともあり、かなり幼い頃からいわゆる海外児童文学を読むのが好きでした。ピーターラビットとか4歳くらいから読んでたんじゃないかな。池田あきこさんは日本の作家さんですが、ちょっとマジカルでファンタスティック、かつドライな作風は海外の児童文学作家さんを思わせるところがあります。紹介されるレシピも子ども向けのお菓子のレシピというよりは、ラム酒を使った本格的な洋菓子や、スパイスや果実を使ったひとひねりあるお菓子、むしろお酒のおつまみにしたい!という辛党さん向けレシピのオンパレード。わたしがこれを手にしたのは確かまだ中学生くらいだったと思うのですが(当時は自宅でキルシュワッサーに火をつけてフランベするなんて、やる人ほとんどいなかったのでは……)、完全に大人のレシピ、本気で向かってくる感じにすっかり魅了されてしまいました。未だに作ったことのないレシピもありますが、「屋台のおつまみスティック」というとっても手軽にできるチーズ風味のスティック状クッキーは、母と一緒に数えられないくらい作ったので、もう勘でできちゃうんじゃないかっていうくらいです。

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この本に限らず、レシピ本って細かく見ると食材の薀蓄とか料理の来歴とかいろいろ書いてあって、読むだけでもすごく楽しめるし勉強になるなっていつも思ってます。まだまだstay at homeということらしいので、久しぶりにネット検索じゃなく本を開いてゆっくりお料理してもいいかもですね。

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