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死を考えてしまう人へ|あなたとつながっている人がいることを思い出そう

この記事は「シノブラジオ」の覚え書きです。本編が気になったら、下記のラジオのほうもお聴きください。
>>シノブラジオ

臨床心理士・公認心理師の高間しのぶです。志木市のソレア心理カウンセリングセンターでカウンセラーとして働いています。私が今日カウンセリングした人は30代~70代までと幅広く平均年齢は46歳でした。男女比は1:1でした。あまり意味のない数字ですね(-_-;)。

■テーマ

死を考えてしまう人へ|あなたとつながっている人がいることを思い出そう

コロナのパンデミックによって不安は高まっていますが、それが自殺にどう影響しているのか、自殺率を引き上げているのか、まだ確定したことは言えません。

今日紹介するこのインタビュー記事でわかるのは、ここ数年で、アメリカの若者の自殺率が高まっているということです。その予防策は急務。これを対岸の火事のように見ているわけにはいきません。

今回は、アメリカ心理学会(APA)の記事を取り上げます。リンクを張っておきます。
https://www.apa.org/research/action/speaking-of-psychology/suicide-prevention

次の3点を中心に述べています。

・アメリカの自殺の現状
・どういう人が自殺リスクが高まるか
・予防策、など。

■アメリカの自殺の現状

・コロナ前でも米国の自殺率は、特に若者の間で、近年増加している

・過去10年間で、若者に関しては、自殺念慮、うつ病、不安の割合が増加している

・トラウマ、薬物使用、そこからの離脱。これらは自殺念慮にも関連している

・男性の自殺の割合は女性よりも高く、3倍以上。なぜなら、男性のほうがより致命的な武器を選ぶか、より致命的な武器にアクセスできるから

・コロナのパンデミックが始まって以来、米国で銃の販売が伸びている⇒自殺リスクが高まっている

■誰が自殺するのか?

・自殺で亡くなった人の約90%は、治療可能な精神状態にあった。

・精神障害のある人のほとんどは自殺で死ぬことはないが、疾患が併存すると自殺する確率は跳ね上がる。

併存疾患で注意すべきは、うつ病、双極性障害、統合失調症、薬物乱用です。たとえば摂食障害でも、アルコールや薬物使用を伴う摂食障害、またはうつ病を伴う摂食障害の場合に自殺リスクが高まることが分かっています。

同じことは、不安神経症とPTSDにも当てはまります。つまり、アルコールや薬物使用を伴う不安神経症、またはうつ病を伴う不安神経症の場合に自殺リスクが高まり、アルコールや薬物使用を伴うPTSD、またはうつ病を伴うPTSDの場合に自殺リスクが高まります。

■自殺の伝染

学校で友人が自殺したとしても、残された人が突然自殺することはありません。芸能人の自殺も同じです。それに引きずられて自殺することはほとんどありません。

しかし、精神状態の悪化、薬物やアルコール乱用、頭部外傷、幼児期に親が別居した等、多くの危険因子があると、自殺リスクが上昇します。それらの要因がいくつか重なると、自殺は伝染する可能性があるといえるでしょう。

しかし、同じように「自殺予防も伝染」します。だからメディアは自殺報道するだけでなく、同時に自殺予防の啓蒙もセットで行っていくべきなのです。自殺事件を封印するのでなく、対話をし、互いに助け合い、何が起こっているかについて話し合うときです。それは自殺を防ぐのに役立ちます。

■どこから予防を始めるか?

「気分はどう?調子はどう?最近ストレスが溜まっているみたいだよ、何か手伝おうか?」という声かけから始めます。

「私はあなたのことを気にかけています。あなたのように感じたりすると、私も死にたいと思うでしょう。私はセラピストではないので、あなたを治せませんが、あなたを助けることを手伝うことはできます。」

相手は大丈夫というかもしれません。
「わかりました。私はいつもあなたのためにここにいます」と、あなたが相手とつながるつもりであることを伝えます。

■自殺を考えている人は、

孤立していると、その穴の中へどんどんと深く落ちていってしまいます。

・まずあなたのカウンセラーへ電話する

・いのちの電話へ電話する https://www.inochinodenwa.org/lifeline.php

つながりにくいですが、いのちの電話は24時間対応のところが多く、地域によってはスペイン語、ポルトガル語が可能なところもあります。

・ソレアへメールする・LINEする https://solea.me/ 私に何かを書いて送ってください。すぐには対応できないかもしれませんが、何かを書くことで落ち着くこともありますから。お待ちしていますよ。

■まとめ:孤立しないこと

・死を考えている人は、周りの人に助けを求めよう。自分だけで抱えて孤立しないように。

・周りの人も、死を考えている人を助けることができる。しかし、周りの人も自分だけで抱えて孤立しないように。専門機関への紹介も視野に入れて。

◇自殺防止のコツ
孤立しないように、普段から人とつながりをキープしておきましょう。




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