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りゅうおうのおしごと! 15巻 ~戦う女性は美しい~

どうも、そるです。

遂に発売されました、『りゅうおうのおしごと! 15巻』。

この時を、どれほど待っただろうか。7月に池袋アニメイトで小冊子付特装版の予約受付を見つけ、即予約。今日まで今か、今かと待ち望んできた日。

受け取りと、新刊など面白そうなのを10冊ほど見繕っていつも行くカフェに即突入。2時間半、熟読に熟読を重ね隅々まで堪能しまくりました。

今回はラストに向けた溜め巻であったものの、白鳥先生の完成された構成に、知識量からくる伏線、エロい描写もライトに書き上げる文章力。緻密な感情描写に、奮闘する小学生。今回シャルちゃんは登場がなく大変残念であるが、終始圧巻の一言であった。

特に文章は読者にストレスをかけないほど滑らかであり、作品への没入感がほかの作品と比べて非常に高い。『このライトノベルがすごい!』(宝島社)で殿堂入りする作品は伊達じゃない。

14巻エピローグの天ちゃん新婚イベントフラグからの「犬小屋には住めない」からの4億円の家を購入は、まぁ…でしょうねみたいな流れ。某ギャルゲー制作アニメのツンデレ丸出しの幼馴染キャラや、某電子レンジでメール送れちゃう系の天才ツンデレキャラとかの素直さも欲しいところではあるが、JCでかわいいから許す。

八一視点では、万智ちゃんが八一を射止める3度目の正直であり、ラストチャンスであった。結局は愛する愛弟子と、愛する将棋お化けのラブレターのために利用された節はあるが、作品途中に出てきたの与謝野晶子の「みだれ髪」の短歌


むねの清水 あふれてつひに 濁りけり 君も罪の子 我も罪の子


訳:胸に湧く清水のように恋心はあふれて、この世にあふれ出るまま
ついに濁ってしまいました。
あなたも私も恋という罪を持つ人間なのですね。
         『小哲姉の毎日』より引用

大切な人を裏切って自分のものにしようという、不貞の歌。最初から、略奪愛でも何でもいいから小学生のころから好きで好きでたまらない八一を、何が何でも振り向かせたかった儚い恋心が伝わってきた。結局八一も銀子への愛を貫き通し、万智のアタックは実を結ばなかった。

関東に移籍したあいは、山刀伐尽やたぎりじんの研究部屋で鹿路庭珠代ろくろばたまよと共同生活を送ることになる。女流棋士として生きていくための術を教えて貰いながら、結婚観や勝負観を垣間見ることになる。

スポーツや仕事、どんな現場を見ても女性というだけで不利に立たされるのは多くはない。特に将棋界は男尊女卑の傾向が非常に強く、物語の中では銀子が女性初のプロ棋士になったが、現実世界では女性プロ棋士というのは歴史上存在しない。

現在、奨励会三段リーグには23歳の中七海三段が在籍。過去には里見香奈女流四冠、西山朋佳女流三冠が在籍していたが昇段ならず年齢制限で退会している。

月の1週間は必ず来てしまう生理。結婚、妊娠と男性と比べると勝負に振り切るのが非常に難しい。そんな中で強くあり続ける為には、それ相応の覚悟と忍耐が必要となる。世の中の活躍する女性は本当に凄いと思う。

話が脱線気味になってしまったが、戦う女子はカッコいいという事だ。

そしてラストシーン、八一が書いたラブレターを受け取って復活を誓う銀子。少し伸びた銀髪が、エントリープラグの中にいた綾波に見えてもう...なんとも言い難いシンクロが...。本当早く結ばれて欲しい。ただ、シャルちゃんも捨てがたいし天ちゃんだって。桂香さんだって幸せになって欲しいし。

最終回とんでも展開で法律改正一夫多妻制解禁とかだったら丸くおさ...まらないか。反感買って大炎上どころか、今まで築いたキャリアがいっぺんの無くなりそう。

白鳥先生にはちゃんと終わったら、短編で皆んなそれぞれと結婚してるとこも見たい。シャルちゃんファンとしてのお願いです。

小冊子付もイチャラブしすぎな展開で、あれが『りゅうおうのおしごと』本編で入っていたと考えるとさらに急転直下の展開に耐えられないほどの甘々。あわや本番まで行きかける辺りは、モドカシイ気持ちで一杯。絶対通常盤よりも小冊子付特装版を買うことをお勧めする。

次回は銀子復活編が予想されるが、病床での生活が半年以上続いている銀子の棋力が心配になってくるが、八一の書いた『九頭竜ノート』が彼女の将棋にどのような影響をもたらしてくるのか。早く読みたい限りである。

結ばれてほしいようで、完結してしまうのは嫌だ。だが、物語という代物は完結して作品として完成するのだ。ラストどんな展開になろうとも、私は『りゅうおうのおしごと!』という作品を一生読み続けていくのであろう。そう思わせてくれるような、壮大かつ成熟された物語なのである。


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