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自作モジュラーシンセサイザー-プログラミング1年目の成果

2020年10月10日に趣味でarduinoの組み込みプログラミングを初めて1年間が経った。成果物としてモジュラーシンセを作り、そのモジュール数は33種類に達した。

"Hello world"もLチカも出来なかった雑魚だが、この1年でYouTubeのチャンネル登録者数は2000人増やし、企業スポンサーも頂けるという、思わぬ副産物も得ることができた。

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一年という節目を迎えたので、今の「気の持ち様」を記録に残すことにする。

導入

モジュラーシンセサイザーとは
電子楽器の一種で、音を作るための機能一つひとつがモジュール化している。そのモジュールを自由に組み合わせることで、作れる音色の範囲が広いのが特徴だ。

古くはビートルズやプログレッシブロックやYMOで使われてきた。近年、規格化やデジタル化で実用性が増し、ダンスミュージックやアンビエントで使われることが多くなった。

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参入障壁
モジュラーシンセは高額なため、始めるには参入障壁が高い。音楽らしい音を出すために15~30万円の費用が掛かる。市場が小さく生産が小ロットになるのが理由の一つだ。
費用を抑える方法の一つに、DIYキットの選択肢がある。バラになった部品と基板のキットを購入し、自分で半田付けして組み立てることで、2~4割ほど費用を抑えることができる。

完全自作という選択肢
DIYキットを購入するのではなく、自分で部品を揃えてユニバーサル基板(ストリップボード)に組む方法もある。
ネットには大量のモジュールの回路図と部品表が公開されている。歴代のアナログシンセの回路や、大手モジュラーシンセメーカーのオープンソース、個人制作のものなど、様々だ。
部品のすべてを自分で調達する手間は掛かるが、7~9割の費用を抑えることが出来る。

モジュラーシンセは機能ごとでモジュール化してあるため、ひとつのモジュール自体の回路規模やプログラム量は小さくて済む。コツコツと自作し、自分だけのシステムを組み上げる作業は楽しい。
国内外にも多くのモジュラーシンセビルダーがいて、オフラインでのイベントもしばしば開催されている。

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私がモジュラーシンセを作る理由

費用を抑えたいのは勿論だが、自作を通じてプログラミングやエレクトロニクスを学ぶ目的が大きい。
仕事でプログラミングを使うことなどないので、完全な自学自習だ。人のソースコードを読んだり、ひたすらトライアンドエラーを繰り返すことで、血肉にしてきた。
2020年10月にArduinoと参考書を買って、初めてLEDを光らせた。
それから1年で33個のモジュールの設計、作成した。
うちデジタルが27個、アナログが6個だ。

所詮は素人が作るものなので、欠点は多くあるだろうが、モチベーションを保つためにも、ひたすらアウトプットを優先して完成を急いできた形だ。

フェイスブックの偉い人が言っていた「完璧を目指すより、まず終わらせろ」というヤツだ。

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学習のモチベーションを保てた理由

好きな事だから続けられる
私の場合、シンセサイザーや音楽が好きなので、それと関連付けれるモジュラーシンセを作ることで、モチベーションをと持つことができた。

反響を貰うこと
成果物を公開することもモチベーションに繋がった。YouTubeに成果物の動画を公開し、Instagramに写真を公開し、ブログに記事を残してきた。
成果物をアウトプットするたびに、何百ものいいね、何千何万ものPVを貰い、モチベーションに繋がった。

また、成果物をオープンソースにすることで、私の設計したモジュールを作ってくれた人や、海外から感謝の手紙を送ってくれる人もいた。

金銭面の憂いを断つ
SNSでのインプレッションも増え、企業様のスポンサーを得ることもでた。
制作活動にかかる費用をサポートしていただき、金銭的負担がなくなったのもモチベーションに貢献した。
一年前にLEDを光らせたあの頃には、想像もつかない反響を貰うことができた。

趣味の成果を公開することの大切さ

所詮は趣味だ。「自分より優れた人がいるから」「低レベルと叩かれるのが怖いから」といった理由で公開を躊躇するのはもったいない。

モジュラーシンセはその性質上、公開するものが回路図とソースコードと技術に寄った内容になり、間違ってはいけないと公開をためらうこともあったが、結果として公開して良かったと思っている。

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