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DAY11,やり残したことはないか?(WTBF)

イランの攻撃があり不安になりながらも、もうすでに残り3日程度となりました。やり残したことはないか?と悔いの残らないよう迎えたこの日。イエローチームは最後のフライトの予定でした。

前日の記事はこちら

まさかの払い残し

前日までの天気予報では、午後に少し雨が降りそうでしたが、風は朝も夕方も落ち着く見込みでした。
「午前中のフライトは最後だし、思いっきり楽しみたい!」

そんな気持ちでバスに乗り込みました。

しばらくして出発時間になると、なぜかバスが動きません。

変に思った先頭の海外チームが運転手に尋ねると、

「お金をもらっていないから、私たちは働かない!」

と言い出してるようなのです。「いやいや、まじで!?」

訳が分からない状態でしたが、僕らではどうしようもないので、とりあえずMiriamに連絡しました。すると、なんと別キャンプの送迎バスも、同様の理由で出発していない様子。なんとここにきて、集団ストライキの発生!

その後の説明では、Miriamから移動手配責任者にはすでに支払いしていたのですが、そこからバスの運転手達に支払いがされておらず、怒ったドライバーたちが連携してストライキを起こしてしまったそうなのです。
この間、何人かのパイロットが説得しようとしてドライバーに

「お金は僕がいま払うから、とりあえずランチサイトまで動いてくれ!」と言うと、

「僕たちが欲しいのはお金じゃない!」とまで言い出していました。

恐らく、かなり依頼の仕方が乱暴だったのかもしれません。

このあたりの詳しい事情はわかりませんが、王国で社会主義に近い国でも、貧富の差がかなーり出てきていることなどが見て取れました。

ちょうど同じ頃、フランスでも大規模なストライキが発生しているニュースがありました。こちらで労働者がストライキを起こして自分たちの声を上げるというのは、当たり前の抗議なのかな~とも思いました。

その後のやり取りはわかりませんが、いつになるかわからないが、Miriam達が解決してくれるのをバスの中で待機して待ちました。

部屋に戻って待機してもよかったのですが、バスで待って運転手に私たちからもプレッシャーをかけようと、各国みんなバス内で団結して待機をしました

そして待つこと1時間以上、何とか動いてくれることに。

ランチサイトにつくと、金曜日(こちらでは金曜、土曜が休日)なので、たくさんのゲストが並んでいるようでした。

そして運が悪いことに、時折弱い雨がぱらついているようで、来る途中のバスの窓にも雨粒がついていました。


英断

ブリーフィングでRienは参った様子で

「ストライキのことは何とか解決にむかって動いているが、それに加えて、いくつか残念なニュースがある。天候があまりよろしくなく、朝もすでにパラついてるし午後も雨の予報が出てる。さらにフライトがキャンセルになれば、イエローチームはこれ以上フライトがないのでパッキングにむけて満タンのガスをバーナーで焼却しなければならない。なので、もうしばらく天候状況を見て判断させてくれ

とのことでした。恐らくMiriam側にとってはさらに、大量のゲストがフライトを期待していることも、判断を悩ませる要因だったかもしれません。

15分後、再度ブリーフィングが行われ、

今日の朝のフライトはキャンセルにします。午後も雨の予報が高いのでキャンセルにする。私たちは雨でぬれた球皮をパッキングしたくないし、そのようなリスクをとりたくない。なのでイエローチームは満タンのガスをランチサイトで焼却するしかないので、バーナーに無理のないようゆっくり作業して、パッキングの準備をしてくれ」

と説明がありました。
残念ではありますが、主催者として英断だったと思います。

超もったいない

その後イエローチーム25機はランチサイトに出て、バーナーで満タンシリンダーを完全に無くなるまで焼却し始めました。

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僕自身満タン4本を一気にバーナー焼却するのは初めての経験でした。

グローでも4本使いきることはないので、こんなにも連続して焚く事は今後ないくらい、一気にバーナーを握りました。

誰も見る人はいないのに、とにかくさっさとガスを焼却するためにバーナーを握るって、すげーもったいない。しかも25機×4本×20L=2000L以上。

しばらくするとバーナーのコイル内側が赤くなってきます。さらに下のゴンドラ周りのレザーも熱くなり、やりすぎるとその内部のスポンジが溶けてしまうこともあるようです。

ただ握ればいいだけなのですが、バーナーの様子を見ながら傷めないように焼却するのは、なかなか熱く根気のいる作業でした。


機材パッキング

シリンダーは炎が出なくなった段階でホースから外し、逆さにして気ガスのバルブを開放します。

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ガスは温度が低いのでシリンダーの底や周りに凍ってこびりつくので、温まるとそれが気化してさらにガスが放出されるようになります。

この辺り、パージ(空にする作業)をしなければ学べないシリンダー内部の仕組みが多々ありました。

その後、機材をまとめて輸送できるようにパッキングしていきます。

砂にまみれた機材をきれいにし、組まれてあった下回りも解体してゴンドラの中にすべてをまとめていきます。

この点、ShowForceという、雇われムキムキマッチョクルー達がいたので、日本から送るときに比べ、かなり楽に作業を進めることができました。

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オレンジのビブスを来ているのがそうですが、球皮袋も転がさずバスケットの上からドンっと持ち上げて入れ込んでしまいます。
ゴンドラにすべてを入れ込むと、パレットとゴンドラをロープで固定し、ラッピングして終了です。

戻りは船便なので、高さ制限もなく楽に詰め込むことができました。空輸での1600mm制限の苦労が思い出されました。(この苦労は後程…。)

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彼らShowForceは25名ほどしかいなかったようですが、100機分の積込を毎日手伝ったくれました。ドライバーは手伝ってくれなかったけど、彼らには本当に感謝です。最後にみんなで記念撮影しました。

その後ブランチに向かい、この日の作業はほぼ終了。

最後のフライトはできませんでしたが、フライト自体は十分飛べたし、最後までトラブル続きで飽きさせないなぁと思いつつ、帰りの便までまだまだ気が抜けない予感をさせる一日でした。

夜のイスラム

その日の夕飯に向かう途中、Aさん&M上さんがレンタカーを借りてきたらしく、突如乗ることに。夕食会場に向かうと思いきやAl Ura市内の散策に向かいました。

移動手段が限られており、なかなか市内を散策することができなかったのですが、この日は夕食を市内の食堂でとりつつ、前回買い忘れたお土産をしっかり吟味しながら探すことに。

まず腹ごしらえでカレー屋に行くと、まず驚いたのが男性用と女性用&子供用の部屋に分かれていたことでした。

また注文後に料理を待っていると、だんだん内部が静かになり店員が誰もいなくなったかと思ったら、いつの間にかお祈りの時間です。そうすると入口のドアも開かなくなってしまい、外からはもちろん中からも出られなくなっていしまいました。

この辺りは1つのレストランに入っただけでもイスラム教の国ということをいくつも感じさせる体験でした。

頼んだのはカレーと焼きそば?に近い麺とチャーハンみたいなやつ。5人で行って代替100リヤル(約3000円)くらいの激安。

その後は中心地のスーパーやお菓子屋さん、雑貨屋さんをT澤さんの鋭い勘でいい店を見つけていき、満足いくまでお土産購入。

全然写真撮ってないですが、クラブメンバー用にたんまり買って帰りました。

明日はフライト最終日!さてさて、何事もなく飛べるでしょうか。。


つづく



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