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DAY9、新鮮な感覚(WTBF)

パッセンジャーとして乗る

前日のオフでかなりリフレッシュできた日本チーム。この日、私はオプショナルフライトで、飛んでも飛ばなくても良い日でした。

クルーをしてくれていたH田さんが休みたいとのことなので、1人では飛べないと思い、M上&Aチームに混ざって飛ぶことに。

この時は3人一緒にフライトしたのですが、M上さん&Aさんというベテランパイロットが操縦しているので、私はパッセンジャー気分でフライトする、という、案外パイロットだとなかなかできない体験ができました。

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今までほぼPICもしくはP2として乗ることがほとんどだったので、幼少期に父に乗せてもらった時以来かもしれません。


代わりに写真を撮る記録係として乗っていましたが「こんなにも心理的負荷が違うものか!?」と、フライト後の心理的疲労がないことに驚いてしまいました。なので、いつも以上に動画をとってしまった。

会話からも気楽さが漂いますね。

二人の信頼できるパイロットのおかげかもしれませんが、フライトプラン、バーナーのタイミング、風に乗る高度の調整、風の観察など、PICとして操作しているときは、どんなにフライトを重ねて簡単な天候でも、いろんなことを考えていたんだな~と、改めて実感しました。

またそれらを全く考えないパッセンジャーはお気楽な分、パイロットだけが感じる風の違いや、危険度も感知することなく乗っているんだろうな~ってこともわかりました。そのギャップに何かのヒントがあるようにも感じた、新鮮な体験でした。

低空を飛んでいくと、人や馬やヤギなどいろんなものと遭遇します。

そして着陸後には、いままで二人で行っていたインフレ・デフレ作業が、手慣れた3人だとこんなに楽なのか!ってくらい早く、簡単に終わったことに感激しました。

M上さんとも話して、やはり1チーム最低3人がベストなんだなぁと、改めて実感した瞬間でした。

ダカールラリー

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この日の午後は、ちょうどあのダカール・ラリーの中継地点としてAl Uraを通過する日なので、突如Miriam達もバスを出して見に行こうということになりました。

ダカール・ラリーについてはこちら

簡単に言うと、「世界一過酷なモータースポーツ競技」です。

食堂から1時間ほど走らせると、携帯電波も通じない、スターウォーズか何かの映画に出てきそうな広大な砂漠地点に、その中継ゴールは設置されていました。

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思ったより簡素な感じ。確かにあくまで中継地点ですから。


地平線の向こうから砂埃をあげながら、荒れ地を猛スピードで近づいてくるバギーやトラックはかなり迫力がありました。

最初にゴールしてくるのは2輪から数分おきに到着してきて、次に四輪4輪、バギー、トラックと、到着する車のサイズが大きくなっていきます。

たまにタイヤがパンクしていたり、ホイールだけで走っていたり、到着したドライバーの様子からそのレースの過酷さが伺えました。

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また中継地点は意外にも簡素で殺伐としていて、到着したドライバーはチェックポイントで黄色い紙を渡すとシールが張られ、その後はまた休憩ポイントまですぐ走り去ってしまいます。


あまり車には詳しくないのですが、それでも男心をくすぐるような改造がどの車も施されており、エンジン音の迫力を聞くとワクワクしてしまいました。

4輪ではやはりTOYOTAが多く走っており、次にMINIが多くありました。

スポンサードはREDBULLがほぼ上位に入っており、さすがの強さを見せていました。


誰と行くか


ここまでの期間中でふと周りを見ると、いままでなかなか直接はお話しできない、日本や世界中からのベテランパイロットたちがこの大会に参加していて、その環境を改めて貴重だなと実感しました。

日本チームからは、あらゆる経験をしているベテランパイロットが多数参加していたので、バス移動や食事の時など、フライトだけでは得られない昔話や経験談など聞く、貴重な時間がそこにはありました。

ただ何かを見たりどこかに行ったり飛ぶだけではなく、その期間に誰とどのように行動して、どんな価値観や発見をするかが、その旅の価値を決めるのかもしれません。

実際にフライトと同じくらい、バスの中で聞く経験談はこれから気球を続けていく私にとって、大変価値のある時間でした。

また海外パイロットとの交流もあり、特にアジアのパイロット達とは少なくとも顔見知りになり、また会うことが今後も楽しみな出会いとなりました。

きっと旅に限らず、これからの人生や目標に向かうときには、「どこに行くかより、誰と行くか」を大切にしたい、そう感じた日でした。


つづく

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