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【彼目線】彼女の第一印象

「メラビアンの法則」という心理学で有名な説がある。
 
人は相手とコミュニケーションをとる際に、視覚や聴覚などあらゆる機能を使って相手から情報を得ようとするのだけど、「見た目(視覚情報)」が全体の55%を占めるという法則だ。
(相手が伝えたいと思っている話の内容自体はわずか7%)
 
こんな法則があるくらいだから「見た目」の第一印象はやっぱり大事だ。
 
マッチングアプリでいうと、写真はすごく重要だと思う。 
どういう写真を選ぶかで性格が出るし、写っている身だしなみや表情から、その人の雰囲気とか人となりが伝わってくるからだ。
(その第一印象は実際に会ってみてそんなにズレない気がする)
 
メラビアンの法則を知らずとも「見た目」の第一印象が大事だということは、利用者の誰もが分かっている。
だから、自己紹介用のプロフィール写真は、みんな自分の中でとっておきの写真を使う。
 
でも彼女はちょっと違ったようだった。
友達と旅行か何か出かけていたときの何気ないスナップ写真を載せていた。
インスタ映えもしない。おめかししているわけでもない。かといって顔を隠しているわけでもなく、至って普通の写真 (と僕は思った)。

変に着飾らない写真の数々を見て「なんかいいな」と思った。
 
その中で、友達がおそらく何気なく撮ったであろう一枚に目が留まった。
カフェかどこかの店内で、彼女がテーブルに目線を落として少し何か考えごとに耽っているような写真だった。

「何を考えているんだろう…」最初そう思った。
たぶん本人は見られていることに気づかずに、俯き加減で顔を落としている。
ずっと見ていると、そのうち視線に気づいてパッとこっちを見てきそうな、そんな一瞬を切り取ったような写真だった (彼女はこのアングルの自分の姿を気に入ったのか、なぜこの写真をプロフィールに載せようと思ったのかは分からない)。
 
そのうち、この写真に写っている彼女とやり取りがしてみたいと思った。
 
何人も登録している女性の中から、1人のプロフィールの写真を見るのなんて、わずか5〜6秒だと思うけど、その一瞬で、僕はすでに彼女のことを55%は好きになっていた気がする。
 
僕からイイねをすると、すぐに彼女からイイねが返ってきてマッチングが成立した。
彼女はイイねを返してくれるような気がしたから、実際にその通りになったときに、なんでか分からないが「なにか通じるものがあるな」と本能的に感じた。

こうして初めて彼女と知り合ったのは、帰国まで残りわずかな年の瀬の12月5日のことだった。

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