素気(ソッケ)

20歳から日記を書き始め、創作活動のため日常を貯蓄してきました。1人の表現者として、エ…

素気(ソッケ)

20歳から日記を書き始め、創作活動のため日常を貯蓄してきました。1人の表現者として、エンタメを届けたいです。ショートショート、短歌を書いています。

最近の記事

雨と心の距離について

雨を弾く傘の音には余裕があり、そのひとつひとつをはっきりと聞こえる。 傘の中心を探しながら濡れないように歩道を歩く。 向こうから歩いてくる対向車には直前まで気づかない。 傘で隠れた視覚と雨音で塞がれた聴覚。 ふっ、 傘と傘がぶつかる。 雨で重くなった傘と傘がぶつかり、2本の傘が離れる。 なんでも謝る日本人が 『すいません』の一言もなしにすれ違う。 少しの盲目と少しの沈黙の間に近づき、 知らぬままに触れてしまう距離は、人と人との心の距離に似ている。

    • 4月から新生活が始まってからというもの、日常のリズムにまだ慣れてなくて書き物が全く出来ていません。。貯蓄タイム!と喜んでおります。忙しいを言い訳にせず、またちょこちょこ書きます。

      • エッセイ【流されやすいあなたへ】

        僕は元々流されやすい性格だ。 あなたはどうですか?そして、それを良いと思えますか? 今は違うかと言われれば、友達が結婚したら結婚したいな〜と思うし、面白い本を紹介されたら次の日には本屋で手に取っているので、ちょっと流されやすい性格って所だろう。 流されやすい性格、というのは父親に言われたことで気がついた。他所の子が持っているおもちゃやゲームを、僕も欲しいと良く強請ったのでそう言われる事があった。物を強請る時の決まり文句は「みんな持っているから」。本当にみんな持っている訳がない

        雨と心の距離について

        • 4月から新生活が始まってからというもの、日常のリズムにまだ慣れてなくて書き物が全く出来ていません。。貯蓄タイム!と喜んでおります。忙しいを言い訳にせず、またちょこちょこ書きます。

        • エッセイ【流されやすいあなたへ】

          【短編】どうにかあなたを裏切りたい結末。

          おじさんに聞く。 「なんでそんな高いシャンプー使ってるの?」 「薄毛だからこそだよ。残りのコイツらを労ってやらんとね。」 そう言いながらおじさんは、念入りに頭皮マッサージをしながら、櫛で髪の毛を整え始めた。 「良いシャンプー使って、努力してればいつか髪の毛も応えてくれるさ」 おっちゃんに聞く。 「そのシャンプー高いの」 「いいや、特売品のテキトーなやつだよ」 「頭。マッサージしなくて良いの?」 「なんでそんな事しなきゃいけねぇんだ?」 「いつか応えてくれるでしょ?」 「そん

          【短編】どうにかあなたを裏切りたい結末。

          結末だけで超短編小説とエッセイを書き分けてみる

          その男、菓子職人を目指していた見習い菓子職人。先輩職人に今日もシゴかれている。 「仕込み終わったか!」 「後5分で焼き上がるか?」 「買い出し頼んだ!!」 と、菓子職人というのはとてもハードな職場環境なのだ。仕込みから後片付けまでとにかく手がかかる。しかし、子どもの頃からの夢であった菓子職人になれた今、男は希望に満ち溢れていた。そりゃ、失敗して怒られてばかりだけど、いつか俺にしか作れないスイーツを作ってやる。 ある日、牛乳をひっくり返して湯煎していたチョコレートに入れてしまっ

          結末だけで超短編小説とエッセイを書き分けてみる

          彼のスマホ

          「見なきゃよかったぁ…」 芽衣子は泣きながら私に言った。 「いい事あるわけないじゃん」 「だって、だってぇ…」 泣き顔さえ可愛い芽衣子は、彼のスマホを見て号泣している。 「なんで彼のスマホなんか見ちゃったのよ?」 「偶然だったの。コンビニに行った彼が携帯忘れてるのに気がついて、持って行こうとしたの。そしたら電話が鳴ってびっくりして出ちゃったの」 出るかね、普通。 「それで、相手は?」 「愛子っていう…」 あちゃー、っと私は天を仰ぐ。芽衣子をこんなに泣かせるなんて酷い男だ。 「

          彼のスマホ

          走馬灯

          私は真下に向かって倒れ込むようにゆっくり飛び込んだ。どうせ落ちてしまうんだから、前に歩くような飛び降り方では無く、ゆっくり倒れるように落ちようと思った。そして1本目のドミノのように、慎重に、慎重に、確実に倒れる私の体は今、この縁の地面を離れた。その身体が闇に落ちていく。何かを思い立った訳ではない。運命のようなものなのだ。私がここにもういられない。生まれ変わり、1つの区切り、或いは別の星へ移り住むため、今此処から飛び降りたのだ。一思いにいけるところが良かった。失敗しないように、

          フレンド

          私は全てをフレンドで満たしている。飲みに行きたい時は飲み友を誘えば良いし、電話したい時はテレ友に電話する。寂しい夜は添い寝フレンドを呼ぶし、性的欲求が高い日にはそう言う友達を呼ぶ。友達がいればどんな時も怖くない。 恋人を作れば全て1人で解決するとよく言われるのだが、わざわざ友達、フレンドに留めているのは、負担を減らすためだ。私は独占欲が強いので、どんな時にもそばにいてほしい。やってしまいがちなのは、彼氏が仕事で忙しくて帰りが遅くなった時の、【私と仕事どっちが大事なの?】。そん

          味覚会議

          甘味「えー、それでは第5回味覚会議を始める。今日の議題は旨味の役割についてだ。それでは旨味君」 旨味「はい。えー、私旨味ですが、皆様と比べて味覚としての認知をされていないように思います。そこで、これぞ旨味、と言った食べ物を定義して、旨味の魅力をしっかり伝えていきたいのですが」 酸味「前に何度も言ったと思うんだけど、そんな食べ物ないって!」 塩味「そうだぞ。厳しいことを言うようだが、旨味というのは我々を引き立たせるのが1番の役割。何を出しゃばった事を」 旨味「しかし、味覚の五大

          ヤムチャ

          お遊びはここまでだ、 鮮度はあの頃のままで。

          エッセイ【モノマネ番組の審査員】

          先日モノマネのNo.1を決める番組がやっていた。年間予選があって決勝進出者から優勝者を決定する。商品や副賞の有無までは番組内で触れられていなかったが、番組自体に違和感を感じたのでnoteにわざわざ書いている。 というのも、他のお笑い賞レースとの熱量が違うからだ。優勝したからといってテレビ番組の出演オファーが増えるわけでもなければ、SNSでトレンド入りさえしない。審査員の半分以上は女優さんや歌手であり、正統派のモノマネ芸人さんは関根勤さんくらいであった。もし僕がその年のNo.1

          エッセイ【モノマネ番組の審査員】

          エッセイ【デンジャラスな2人】

          この前、週間少年ジャンプを読んだ事がないという記事を書いた。 ジャンプを読んだ事はないが、ジャンプ掲載作品は読んだ事がある。ワンピースやHUNTER×HUNTERとか読んだ事はある。NARUTOは読んだ事がない、BLEACHもない。何故読んだ事ないのか聞かれても、周りにそういう環境が無かったからとしか言いようが無い。 自発的に漫画を読みたいと思ったことも無い。勧められたら読む程度だ。 だから家に漫画は1冊も無い。しかし、1度だけ親に買ってもらった漫画がある。【でんじゃらすじー

          エッセイ【デンジャラスな2人】

          エッセイ【週間少年ジャンプ】

          僕は週間少年ジャンプを読んだ事がない。 正確に言うと小学生の頃に親に連れて行ってもらっていた床屋での待ち時間で手に取った事はあるのだが、パラパラと触れた程度である。 これはジャンプを読んだ事ない内に入るだろう。 身長169cmの人間が、1cmなんて誤差だ!と170cmを名乗るようなものだ。 だから僕は胸を張って言える。ジャンプを読んだ事がない、と。 ジャンプを読んでいないお陰で、学生時代、(なんなら今も)会話についていけない事は多い。「今週のワンピース見た?」「BLEACHや

          エッセイ【週間少年ジャンプ】

          エッセイ【僕とオッサンと、時々オフロ】

          公衆浴場、銭湯が好き。何より風呂に浸かるのが好きだ。 サウナで整うことも覚えた。 そんな大好きなお風呂は、たくさんのストレスで溢れている。(浴槽と掛けているつもりはない) 僕の風呂でのルーティンと一緒に書いていこうと思う。 最初は汗を流すためシャワーを浴びる。 そこで早速、シャワーの温度をいじった挙句、冷水に合わせたままの蛇口に出会うと悲しくなる。温度を元に戻さないままにしておく神経が分からない。 最近は慣れているから良いが、何度冷水を浴びて息が止まりそうになった事か。 なぜ

          エッセイ【僕とオッサンと、時々オフロ】