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物語のはじまりの本屋

今までの話はこちらから
熱海で本屋をはじめますが、その本屋の中身が知りたい方は、読んでみてください。

あたらしい本屋を始めることになりました。その名も「ひみつの本屋」
現在クラウドファンディング中です。
https://camp-fire.jp/projects/view/370846
もしよろしければ、拡散&ご支援ご協力よろしくお願いいたします。

出会い方を設計してみる

前の記事で西日暮里BOOK APARTMENTを始めた経緯の「小さな本屋のはじめかた」でも書いてきたとおり、
本屋を始めて思ったことは、本と出会う機会や体験に価値を感じている人が多いということ。
本を売るということは、簡単に消費を促すだけではなく
「その本の世界を売ることができる商売」だと思う。
つまり、その人が本に出会う瞬間の出来事によって全く印象が変わると思う。

たとえば人だって同じだと思う。
ある日出会って一目惚れすることもあるけれど、
普段はただの友達にしか見えていなかった人が、
ものすごい美しい夜景の前でとても素敵に見えたりとか。
まぁ、だからといって何かが起こるかは、その後の話次第だと思うのですが。笑

息子が本を読まなくて困っているんです

西日暮里 BOOK APARTMENTで店番をしているときに、こんなことを聞かれて、「奥さん、息子さんはきっと困っていないんです。笑」
咄嗟に僕はこんな事を言ってしまった。
僕自身本をあまり読んでこなかったので、息子さんの気持ちは痛いほどわかった。多分僕の親もこんなふうに思っていたのかなぁと。
最近、子供に本を読ませたがる親の気持ちもわかるのですが、どうにもその気持ちを押し付けても平行線な気がするのです。

僕はその昔、本を読んでいないながらにも、ビレッジバンガードに行くのは結構好きで。主に友達と一緒に行っていたわけですが、結構楽しかった

つまり、興味の矛先というのは、物語の入り口をどう設定するかが肝心だと思うんです。
手元にある本が、親に買ってもらった本か、A○mazonで見つけた本か。それとも人に勧められた本か。自分で偶然見つけたものか
その出会いの物語次第で物事を面白がることができる

クラフト・エヴィング商會が出している「おかしな本棚」という本があるのですが、これはまさにそういうおはなしでして。
とてもヒントを与えてくれました。

はじまりの本棚
ー親に買い与えられたものではなく自分で見つけたものー

小さな冒険という物語

僕は旅をすることがとても好きなのですが、ツアーに参加することにはあまり魅力を感じていません。
人に紹介してもらうのもいいのですが、偶然の見つけたものを宝物のように大切にしてみたいから。
旅というのを「小さな冒険」と例えてみると、まちのガイドマップは宝の地図のように思えてくるわけです。
その主人公は間違いなく自分自身。

こどものころ「エルマーの冒険」という本を読んだことがありました。
その頃の自分は必死にナップザックにチューインガムと輪ゴムを詰めて、いつでも動物と出会ってもいいように準備していました。笑

その時々に起こる出来事を、純粋に楽しめることが重要なのかもしれません。

カギのかかった古本屋

ひみつの本屋では、前述の通りまちなかで自分自身でカギを見つけて、借りて、開けるというシステムなのですが、
自分で探さないと開けられない。
地図を手にしたその時点で、もうすでに主人公になっているのです。

この本屋で、新しい本と出会い、新しい物語が始まることを願っています。

さて、次回は無人の本屋についてのお話を。
ありがとうございました。

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