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シャドウ・ワーク⑥(終)【世にもになるまで書いてみた】

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○ 職員室(翌日・夕方17時)

 槙原 付箋に何か描いている。
 先輩教師A 槙原に話しかける

A 槙原せんせ! ちょっと頼みたいことが・・・
槙 (付箋に何かを描きながら)・・・・・・すみません。
  今日は早く帰らないといけないので。
A そこを何とか頼むよ~
槙 (描き終わり・Aに向かって)
  たまには自分でやって下さいよ!!

 静まりかえる職員室

槙 (我に返り)す、すみません・・・!
A ・・・そ、そうだよねぇ~ ごめんね!

 先輩教師A 渋々作業を始める。
 槙原 ホッと一息ついた後、帰り支度をし、付箋を手に取り職員室を出る。

槙 お先に失礼します。

○ 職員室横・教員用ロッカー

 槙原 ロッカーからコートを取り出し、羽織る。
 そこに杉山がやってきて、槙原に話しかける。

杉 お! 今日は早いんだね!
槙 ・・・ええ。
  あ教頭先生。(付箋を手渡し)これ「必ず」渡して下さいね。
  もちろん「アレ」は買ってますよね?
杉 も、もちろん!
槙 では、よろしくお願いします。
杉 ・・・うん。

 槙原 早歩きで職員玄関を目指し、階段を降りていく。
 杉山 付箋を見て、どこか感慨深げな表情を浮かべる。

○ 空き教室(19時過ぎ)

 杉山 神妙な面持ちでやってくる。
 教卓の上に槙原から受け取った付箋と彼が買ってきた栄養ドリンクを1本置く。
 置いた後に、教卓に向かって手を合わせる。

杉 ・・・・・・よし。行くか。

 杉山 職員室に戻ろうと背を向けた瞬間、彼の背中に風が吹いてくる。
 19時過ぎなのにその風はどこか暖かく感じる。
 驚く杉山。すぐに振り返る。しかし、窓は開いていない。

杉 ・・・・・・・・・まさか、な。

 杉山 再度、職員室に戻る。目にはうっすらと涙が。
 
 杉山が去った後、三輪が現れ、付箋と栄養ドリンクを見つけ、手に取る。
 三輪 付箋を読むと、思わず涙を流し、栄養ドリンクを飲み干す。
 空の瓶と付箋を置く。
 付箋には、三輪への感謝と下手くそな三輪車マークが描かれていた。

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