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追加コロナ対策(個人給付金2,000ドルへ引き上げ)で米議会が揉めるのはなぜか?


米国株に投資する投資家たちは、年始の米国株式市場を左右するであろう、追加コロナ対策法案(個人給付金600ドル → 2,000ドルへの引き上げ)について注視していると思います。


この追加対策案、米下院で12/28に賛成多数で可決され、これを現大統領トランプは支持(以下Tweet)
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「共和党が『死の願望』でも抱いていない限り、給付額の引き上げを『一刻も早く』通過させるべきだ!」


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上院では、野党の民主党議員たちが給付金引き上げのため個別の採決を進めていたのにも関わらず、共和党重鎮(与党トップ)マコネル上院院内総務が阻止。(共和党員の多くは給付金額引き上げには反対)

では、なぜマコネル氏を筆頭とした多くの共和党員たちは、コロナで苦しむ貧困層を救おうとする給付金引き上げに反対するのでしょう?

その理由は、一人2,000ドルへの増額には4,640億ドル(約48兆円)に上る追加予算が必要とされ、2020年度の米国財政赤字は3兆ドル(約315兆円)を越え、27兆ドル(約2,800兆円)の連邦政府債務を更に膨らますからです。


27兆ドルの連邦政府債務とは、米国GDP(国内総生産)の120%にあたり、日本(266%)、イタリア(162%)に次ぐ水準


基軸通貨ドルを抱える米国の財政悪化は、国際経済の波乱要因となり得ますし、財政規律を重視する共和党としては、これ以上の量的緩和(カネのばら撒き)による財政赤字の拡大は阻止すべし、というスタンスを崩せないわけですね。

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