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SaaS事業におけるインサイドセールス組織の役割とは?|SmartHR 工藤 慧亮さん

こんにちは、慶應義塾大学4年の堀口と岡田です。

今回は、クラウド労務ソフト「SmartHR」を運営する、株式会社SmartHRの工藤(@kudok779)さんにインタビューを行いました!

インサイドセールスやSaaSのセールス組織、今後のSaaS業界動向のみならず、工藤さんの就活時や転職時のお話、SmartHRの掲げるミッションやバリューができた背景・裏話などなど、多岐にわたる内容を伺いましたので、ぜひご覧ください!

前回の記事はこちら🗒

現在、SaaSをテーマに卒業論文を共同執筆しています。国内外のSaaSについてや、インタビュー記事をまとめていますので、こちらもぜひご覧ください🙇‍♂️

株式会社SmartHR 工藤 慧亮さんインタビュー

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株式会社SmartHR 工藤 慧亮さん

慶應義塾大学卒業後、大手金融機関にて勤務、コンサルティング営業と金融商品の組成及び提案を経験。その後ITとソフトウェアの魅力に惹かれ、SaaSの世界で営業及び組織の仕組み化に従事。

金融とITベンチャーのトップセールスを経て、SmartHRに入社後は営業プロセスの効率化とインサイドセールスの立ち上げを担当。現在はSales Opsチームにて営業チーム全体の組織開発に従事。

はじめに、自己紹介をお願いします!

初めまして、株式会社SmartHRの工藤と申します。

2017年11月にSmartHRに入社し、入社当時はインサイドセールス組織の立ち上げを行い、2018年7月からSales Opsという役割を担当しています。

「Sales Ops」という名前ですが、当初は営業企画という名前で、いわゆる営業推進や企画に従事していました。組織力強化や、セールスプロセスの整備などを担当し始めて、約1年ほどになります。

ーー新卒では金融機関に入社されたとのことですが、どういった思いで新卒のころに就活されていましたか?

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大学在学中に、ベンチャー企業でインターンをしていたこともあり、ITやインターネットに興味がありました。

しかし、インターンをする中で、営業職をやったことがなかった、苦手意識が芽生えていたので、せっかくなら営業スキルを身に付けたいと思い、金融機関への就職を決めました。

営業スキルを身に付けられるのはどこか?と考えた時に、一番最初に浮かんだのが金融でした。その中でもしっかりと実力主義である、証券会社を選択した形です。

ーー新卒では金融機関に入社されたとのことですが、どういった思いで新卒のころに就活されていましたか?

当時、ベンチャーから大企業の転職事例は少なかったので、「まず1社目は大企業に入社しよう」と決意して、金融機関に就職しました。

新卒の時は「入社5年くらいでスキルが身についたら、ベンチャーに転職しよう!」と考えていましたね。

入社後、だんだんと良い成績も残せるようになり、もともとITやインターネットに興味があったこともあって「ベンチャーで自分の力を試したい!」という思いが強くなり、当時SaaSの走りだったfreeeに転職することを決めました。

ーーSmartHRに入社された経緯・転職された理由を教えてください。

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前職では、インサイドセールスのプレイヤーとしての役割を担っており、段々と「もう少し経営を知りたい」「会社の成長とともに、自分の成長を感じたい」と思い始めていました。

転職を考えていたタイミングで、以前から面識のあった前田ヒロ(@djtokyo)さんに、インサイドセールス立ち上げ期のSmartHRを紹介いただいたのがキッカケで入社しました。

「Sales Ops (Sales Operations)」とは?

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ーー現在担当されている「Sales Ops」の役割について詳しく教えてください!

Sales Ops(Sales Operations)という職種は、海外の企業では一般的な役割ですが、日本ではあまり浸透してないですよね。

SmartHRのSales Opsは、今はオペレーションを整備するOperations、分析分野のAnalytics、もう1つはEnablementという役割を担っています。

いわゆる単発的なトレーニングではなくて、しっかりとデータに基づいて営業の課題や問題点を発見し、それに対してどんな行動を起こしていくのか、など、組織の底上げの役割を担っています。

特に、成果に対して、どの施策がどれくらい影響があったのかを検証することに、重きを置いて取り組んでいます。

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【合わせて読みたい記事】
「Sales Opsの役割をもっと詳しく知りたい!」という方は、こちらのnoteをぜひご覧ください!
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データ起点で何をやるべきか、課題を考える

Operations、Analytics、Enablement。このどれか1つでも欠けていると、うまく事業は回りません。

①セールスプロセスを整えていく→②プロセスを変えると計測方法が変わってくる→③数字を追って改善していく、、というサイクルの繰り返しです。

例えば、「営業のフェーズが8つあり、1つずつ段階をクリアしていくと受注へと近づいていく」とします。

仮に、3~4番目のフェーズで失注してる割合が大きれば、「1~3のフェーズで何か問題が生じているのでは?」「その問題は具体的に〇〇で、××という解決策があるのでは?」みたいな仮説が立ちますよね。

こうした課題を定常的に見直していくという立場がOperationsの部分にあたります。

「Sales Ops」は、プレイヤーに一番近い組織

「Sales Ops」という組織はプレイヤーはやっていませんが、もともとプレイヤーにデータ起点で何をやるべきかを考えていてます。

現場と一緒に課題感を把握していき、効果的な施策を実行する、そしてそのサイクルを継続して回していけるようにしていくのです。

会社が成長していくと、会社内での自分の担う役割もどんどん大きくなっていきます。組織が大きくなる中で、組織を底上げしていくSales Ops」の役割も大きくなって行くと考えています。

SmartHRでは、会社が成長していくタイミングで、インサイド、クロージングサイド、CSといったようにOpsも役割を切り分けるようになりました。

SaaS企業内での役割は、「細分化して専門性を高めていく」流れが一般的だと思っています。

この流れはSmartHRでも見られていて、SmartHRにおける、PMMという役割がその一例ですね。

SaaSのインサイドセールス組織について

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ーーインサイドセールスの中でも、役割の細分化が進んでいると思っています。インサイドセールス内に持つSDR・BDRの役割について教えてください!

一般的に、「SDR(Sales Development Representive)」は、マーケティングリードがあることを前提にしており、訪問なしでフィールドセールスに繋げる役割のことを指します。

マーケティングがリード数を追い、インサイドセールスが商談化して、フィールドセールスが受注率を追い、分業制によって受注数を高めるといった考え方に基づいていますね。

一方で、「BDR(Business Development Representive)」は、アウトバウンドコールをエンタープライズにやっていく役割のことを指します。大企業向けの新規開拓を担う部門です。

ーーSDR・BDRの持つ重要性や、アプローチ方法の違いについて教えてください!

SaaS企業だと、受注単価や受注金額に応じて、コストパフォーマンスが変わってきます。

例えば「100件コールして、3件しかアポが取れない」状態では、コストパフォーマンスが悪いですよね。

●SDRのアプローチ方法

SDRの場合、マーケティングの力を使ってリードを温めることで、「100件コールして、30件アポが取れます」というところまで効率を上げることが可能です。

何件アポが取れるか、アポの割合をどれだけ上げられるか、そして母数が大きくなってもその割合を維持できるか、そういった点に注目した効率の上げ方が、SDRの特徴です。

BDRのアプローチ方法

一方で、BDRの場合は「確実に取りたい」「この会社バイネームで取りたい」というように、狙ってアウトバウンドしていきます。

誰にアプローチしていくか、を入念に練って動いています。たとえ受注までに時間やコストをかけたとしても、大きいクライアント(LTVの高い企業)を狙ったほうが、コスパの良い戦略と言えます。

単価が高くない比較的小さめのクライアントに対しては、効率良く獲得していく方がコストパフォーマンスは良くなりますし、それぞれクライアントの規模で役割分担をしています。

インサイドセールスは「データドリブンでしかない」

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インサイドセールスは、「データドリブンでしかない」と考えています。目標からの逆算や数値化が欠かせません。

「アポが取れなくてマーケティングに戻っている顧客」にどうアプローチするか、「ナーチャリング対象の顧客」をどのように掘り起こかすか、など、常に数字を見て、目標から逆算していくことが重要であると考えています。

ファネル別に自分の成績や状況を確認していき、「お問い合わせからの案件化率は高い」だとか「トライアルからの案件化率は高くない」だとかを数値化しています。

コール分のアポ率や、コール分のコンタクト率、コンタクト分のアポ率なども、全部数値化して見ていくと、1日の目標が立てられて、その目標とのギャップも明確になります。

会話の内容もFBできるようになり、話す聞くの割合がそれぞれ何%か?会話が被っていないか?、沈黙の回数は多くないか?、しっかりとラリーできているか?、声のトーンを合わせられてるか?など、日々データを見ながら、改善を続けています。

インサイドセールス組織が実現できること

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ーー顧客体験という概念が浸透する中で、企業は顧客とどのように向き合うべきなのか?そのために、インサイドセールス組織が実現できることとは?

「インサイドセールス」は、初めて接点を持つ担当者になります。(もちろんLP遷移や、お問い合わせなども顧客体験に含まれますが)

最初の5~10分程度で会社のことを語れないといけないので、誰よりも自分の会社のサービスに詳しくあるべきだと考えています。

また、インサイドセールスの組織は、効率をあげることも重要ですが、売上をブーストさせることも重要なポイントです。

無料トライアル後の顧客の背中をプッシュできる存在、それがインサイドセールスです。

その結果、本来なら、受注が数年後になりそうな顧客に対しても、適切なアプローチやコミュニケーションを取ることで、前倒して利用いただけるようになるのです。

●売上のキッカケ作りができる

そういった「売上のキッカケ作りができる」「商談パイプラインを提供できる」のもインサイドセールスの重要な役割です。

また、インサイドセールス組織は、社内で一番、お客さんとの接点を持っている組織でもあります。顧客と接点を持つことではじめて、可視化できる情報は多くあります。最新のトレンドであったり、競合の動きであったり、がその1つです。

そうした情報を会社全体に還元できる、共有できる回数は、セールスでもカスタマーサクセスでも多くないと思うので、こうしたインサイドセールス組織の役割は、全社的にもインパクトが大きいですね。

SaaS業界における最新トレンドや、国内外SaaSの動向

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ーー最後に、SaaS業界における最新トレンドや、国内外SaaSの動向について教えてください。

日本は今後、SaaS大国になるのではないか?と考えています。それには、人口の減少や労働時間の短縮、労働生産性の向上などといった要素があります。

日本の労働力自体は、このままだと減損していくと考えられます。そうすると、一人あたりの生産性を高めていく必要が生じてきますよね。

そういった流れに対して、SaaSはマストで必要になってくるのではないかと考えています。世界を見ても、日本ほどSaaSにとって追い風が吹いてる国はないのではないでしょうか?

ーー現在は、海外のSaaS企業が、日本に支社を作りプロダクトを展開していることが多く見受けられます。一方で、日本のSaaS企業がグローバルに展開する必要はあると思いますか?

SaaSにおいて大事なのは、国内外問わず、「そこに市場があるかどうか」だと考えています。

日本はまだまだ市場があるので、名刺管理のSansanのように日本国内でも市場を開拓しながら、事業展開している企業もありますよね。

市場があるかないかで、国内ベンダーとしてなのか、国外に出ていくのかは決まってくるのではないか?と思っています。

ーー日本のSaaSが世界で通用することは可能だと思いますか?可能だとしたらどんな要素があれば、世界で戦うことができると思いますか?

SaaSの評価は、KPIやメトリクスがとてもはっきりとしています。また、SaaSの評価は、バランスシートなどで測れない部分にもあります。

国内のSaaS企業においても、海外投資機関・投資家からの出資を受けるケースも多く、SaaS企業を取り巻く環境や潮流も変わってきています。

ですので、国内でも海外でも「良いプロダクトを作ることが出来るか否か」が最終的に重要になってくると思っています。

SmartHRの事業内容、ミッションやバリューの背景・裏話など

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最後に、プロダクトと事業内容、これからのプラットフォームとしての構想や、ミッションやバリューができた背景・裏話などについて、お話を伺いました!

ーープロダクトと事業内容、これからのプラットフォーム化構想についてお伺いしたいです!

SmartHRは、もともと「社会保険手続きを、紙をなくすことで簡単にしよう」という構想でスタートしています。

今もそこはブレてませんが、近年では、人事プラットフォームとしての「プラットフォーム化構想」も描いています。例えば、下記のような人事データベースって、各々に個人のデータが溜まっていきますよね。

・勤怠データ
・給与のシステム
・人事システム

でも、1つ1つが違うとどれが正しいのかわからなかったり、データが埋もれてしまったり、、、してしまいます。

色々なHRtechのソフトがありますが、とにかく従業員に一番近い所にSmartHRがある世界を目指しています。

例えば、給与明細を見れますとか、年末調整ができますとか、様々なプロダクト開発を行なっていて、

従業員が使うことでデータが溜まっていき、溜まったデータを活用してさらに会社の意思決定であったり、問題発見につなげていくという展開を描いています。

ーードメイン的には、汎用性が高く、働く人であれば誰もが当てはまる「人事労務」でプラットフォーム化していくという展望ですか?

そうですね。会社組織である以上、「人事労務」はやるべきところだったりしますし、社会保険の手続きってどんなに優秀な人が書いても、入社1日目の人が書いてもアウトプットは同じになります。

ここにも非合理を感じますし、誰がやっても同じなのであれば定常業務にして、楽にした方がいいよねっていうところが、実現したい未来です。

ーーSmartHRのミッションやバリューができた背景はどんなものがあるんですか?

もともと、SmartHRは「株式会社KUFU」というの会社名だったんです。「KUFU」という会社名は、RHYMESTERの「K.U.F.U.」っていう曲からきていて、曲の中の「一語一句に手間ひまかける」というリリックは、バリューの1つになっていますね。

「一語一句に手間ひまかける」

細部まで徹底的にこだわろう。
言葉はもちろん、UIも、コードも、すべてはユーザーや社会に対するメッセージだ。

バリューは評価制度にも紐づいているので、社員の価値観が似てれば行動も似てくるし、それが良い行動であれば、良い評価につながる、という仕組みになっています。

インタビュー後記
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まずは、Twitterの投稿に反応してくださり、自身のお時間割いてご協力いただいた、工藤さん本当にありがとうございます!工藤さんの優しさのために、今回のインタビューを実施することができました!

少しでも、いいインタビューだなと思っていただけたら「いいね」お願いします!

【参考文献等】
今回のインタビューにあたり、参考にさせて頂いた記事になります。
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▼SmartHRのSales Opsの3つの役割

▼立ち上がったインサイドセールス組織が毎月達成するために必要な7つのポイント #1

▼立ち上がったインサイドセールス組織が毎月達成するために必要な7つのポイント #2

▼SmartHR 会社紹介資料

▼【SmartHR Next 2018】SmartHRが描く未来。AI時代を見据えた「プラットフォーム化構想」とは?

▼SmartHR 採用募集ページ


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メディア/マーケ周りが好きです/エンジニア・デザイナー向けプラットフォーム(https://offers.jp)/慶應商4年←旭丘/谷口和弘研究会/20卒【会社】https://overflow.co.jp【Offers】https://offers.jp

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コメント (1)
こんにちは
とても面白い記事ですね!

よかったら私たちのnoteも覗いてみてください^^
20卒の働き方記事書いてます!
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