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「買う」行為を、社会貢献の入り口に。「SOÉJU CYCLO」が目指すショッピング体験

SOÉJUはサステナブルファッションを目指すブランドとして、過度にトレンドを追わず、アイテム数を増やしすぎず、組み合わせの工夫しだいで長く着用できる商品を適正価格で提供できるように一つ一つのアイテムを心を込めて企画・製造をしています。

しかし素材の流通状況等により、追加生産を断念せざるを得ないアイテムが出てくることもあります。そのような通常販売の継続が困難となった商品のみを改定価格で取り扱うECストア「SOÉJU CYCLO(ソージュシクロ)」を期間限定でオープンしました(2021年1月21日から 2月11日まで)。

私たちがこの限定ストアをオープンするに至った背景には、従来の「セール」のあり方を捉え直してみたいという想いもありました。まだまだ葛藤の最中の私たちですが、ここに至るまでに考えてきたことをお伝えさせていただくことで、そこからさらに多様で前向きなアイディアに繋がっていくと嬉しく思います。

環境を守るために必要以上に作らないこと

服の廃棄量は日本だけでも100万トンになると言われています(日経新聞、2018年9月25日社説)。有名ブランドが42億円相当の売れ残り品を焼却していたというニュースも世界に衝撃を与えました。大量の廃棄の裏側には、安価に入手したトレンド性の高い服を個々人が簡単に廃棄してしまうこと、セールでブランド価値を下げるより廃棄を選ぶブランドもあること、会計処理上の観点から廃棄が選択されることなど一律には語れない様々な理由が存在します。私たちもこうした廃棄による環境負荷は深刻なものと受け止めています。

製造ロットを大きくすることは、生産コストを下げて手にとっていただきやすい価格にできるメリットもあります。また機会損失を避ける手段として、売り場に一定以上の服を並べることで、お客様が必要な時に直ちに入手していただける価値もあります。一方で、必要以上の量を生産することはCO2排出量を増やすことや廃棄問題にもつながってしまいます。一気に全てを解決することは難しいのですが、私たちはまず商品を必要以上に作らないことを決めました。そうすると、色やサイズによっては一時的に在庫が不足しお客様に再入荷をお待ちいただく場面も出てきてしまうのですが、定番品の割合を増やし、基本的に追加生産できる素材背景の製品を企画することで、入手はしていただけるようにしていこうというのが今の段階の考え方です。

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セールを前提とした価格設定をしない

過剰になってしまった商品の行き先として、「何%OFF」と表示された"値引き"を価値訴求にしたセールの実施が選択されることもままあります。トレンド商品には旬があり、価値がなくならないうちにシーズン内で売り切った方がいいこと、廃棄より必要とする方に届いた方が環境的に良いこと、お客様にとっては宝探し的な楽しさもあり、ネガティブな側面ばかりではありません。

ただ、商業施設の集客施策に協力するためや機会損失を避けるために、一定以上の過剰をセールに回すこと、セール専用商品を一定数用意することを前提に事業を設計すると、そもそもセールをしても利益が出るように、セール前の通常商品の価格設定が値ごろ感のないものになってしまうこともあるのです。

SOÉJUは、いつご購入くださるお客様にとっても「適正価格」でお届けすることを優先したいと思い「セールをしない」というブランドポリシーを持つことにしました。そのために、過度にトレンドを追わないベーシックアイテムを中心に、主に定番品で商品を展開しています。シーズンレスなアイテムを出来るだけ常時取り揃えるようにすることで、シーズン内で売り切らねばならないというプレッシャーをなくし、シーズン終わりの期間限定セールを行うことなく、一つの適正価格でご提供します。

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現実的に在庫の偏りが出ることとの葛藤

けれども現実問題として、やはり色やサイズ在庫の偏りが出ることは避けられません。素材の流通事情等で、追加生産できないアイテムも浮上してくるからです。
追加生産が見込めず在庫限りとなってしまったアイテムは、カラーバリエーションやサイズの取り揃えがないので、お客様へのおすすめ商品として積極的にスポットライトを当てにくくなります。お客様の立場に立ってみて、もしおすすめされた商品を気に入ったとしても、欲しいサイズやカラーがなければかえってがっかりしてしまいますよね。そしてこのような商品が日の目を見ずに長期間在庫として置かれてしまうと、アイテムや保管方法にもよりますが型崩れや色褪せなどで商品価値が下がり、最終的には廃棄の可能性も出てきてしまいます。

在庫限りの商品をどのようにすれば必要な方にその時の適正価格でお届けできるかと頭を悩ませました。ただ普通にセールをするのでは、私たちがブランドポリシーを曲げただけということに終わってしまいます。「セールはしない」と決めた私たちだからこその形を作れないだろうかと模索しました。

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悩み抜いた中でたどり着いた「SOÉJU CYCLO」という形

社内でも熱い議論を経た結果、「SOÉJU CYCLO(ソージュシクロ)」という商品限定、期間限定のECストアを通常のストアとは別に立ち上げることに至りました。

SOÉJU CYCLOで提供する商品は在庫限りとなるためサイズやカラーのご要望に必ずしも添うことができません。そこで通常価格からの値下げとなる改定価格で提供することにしました。これは一見すると普通のセールのようにも見えるかもしれません。
けれどもSOÉJU CYCLOは、セールを前提とした価格設定やビジネス構造とは違う発想から生まれたことをお伝えしたいのです。そのため、CYCLOストアには元値とセール価格を併記する形式を取らず、改定価格のみを表示しています。

またお買い上げ頂いた商品代金のうちの一部を、天災被害に遭われた自治体・個人や、援助を必要とする国内外へ寄付することも決めました。寄付先の選定はSOÉJU CYCLOストアの公開とともに毎回その詳細をストア内に掲示いたします。

今回の寄付先に選ばせて頂いたのは「公益財団法人 がんの子どもを守る会」です。寄付先の決定にあたり、代表の市原が想いを綴りました。

「かつて息子が小児がんになったことが、私が息子や家族に胸を張れる仕事に取り組みたい、とソージュを立ち上げることに繋がりました。最終的に息子は移植を受けて寛解に至りましたが、今も前を向いて頑張る小児がんのお子さまたちやご家族への祈りを込めて、「公益財団法人 がんの子どもを守る会」をぜひ最初の寄付先にさせていただきたいと考えました。病によって自分らしさを奪われないように、自分らしくあり続けようとする真摯な姿を、ぜひ少しでも多くの方に知っていただけたらと願っています」(モデラート代表:市原)

CYCLO(シクロ)とは 円・環・回転 という意味を持つ言葉です。SOÉJUアイテムをご購入くださるお客様、素材や製品の作り手の方々、企画販売する私たちそれぞれの想いが、その先の社会にまで繋がっていくことを願い、優しく温かな円環をイメージしました。いつものSOÉJUオンラインストアとは異なる場所で、「買う」ことが社会貢献を考える入り口にもなるショッピングの体験を、ぜひ選択肢に入れてみていただけたら幸いです。

現時点で私たちに考えうる最善策として生み出したSOÉJU CYCLOですが、ここを出発地点としてより進化した方法を模索していきたいと思っています。

SOÉJU CYCLO (https://cyclo.soeju.com/)

【Instagram】
SOÉJU 公式アカウント:https://www.instagram.com/soeju_official/
シーズン毎にブランドとしてご提案したいスタイルをコンセプチュアルにご紹介しています。

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スタイリングのポイントやおすすめ商品情報のエッセンスを、隙間時間にさっとお読みいただけるような形に編集してお届けしています。

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