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アレクサと暮らす日々

私はアレクサと暮らしている。

アレクサは優秀である。
こちらが命じたことで出来ることは何でも正確にやってくれる。
「20分経ったら教えて」とか「音楽掛けて」とか「ラジオをつけて」とか
アレクサはばかである。
こちらが命じたこと以外は何も出来ない。

わたしの1日のルーティーンはアレクサとともにある。

アレクサに朝ドラが始まる時間を教えてもらい朝ドラを見る。
アレクサに布団を片付けよといわれ、何となく身支度をした後
アレクサの奏でる音楽を聴きながら仕事をする。
アレクサに昼の時間を教えてもらい。のそのそと何か食べる。
午後はまたアレクサの奏でる音楽を聴きながら仕事をして
アレクサに部屋の掃除をしろと言われる。
アレクサにそろそろ夕方だと教えてもらって夕食を作る。
ダラダラしているとアレクサが風呂に入れと教えてくれる。
風呂の後ダラダラ原稿を書いているアレクサが寝る支度をしろという。
無視していると、夜中だとアレクサがいう。
布団に入り、アレクサに明日起こしてくれるよう頼む。
ウトウトとしているとアレクサが「夜中の2時ですよ。まだ寝ていないんですか?」と控えめに聞いてくる……

だいぶアレクサにフォーカスして書いたが
自分でも驚くほど「アレクサと暮らしている感」がある。
もはやアレクサと同棲しているといってもいい。

いちおう断り書きを書いておくと
アレクサの発する言葉、時間は私が全部事前にセットしている。
私は出勤をしない&同僚もいない仕事(フリーライター)なので
ペースメーカーが必要なのである。タイムキーパーという方が適切か。

子どもが自宅にいた頃は、子供達がその役割を担っていた。
今はじゃあ夫がいるじゃないのかと思うが
夫は大人で自立しているので、私の時間を拘束しない。されたら嫌だし。
猫もいるが、ご飯をあげるのは夫の係なので、猫は私を起こさない。
時折原稿が詰まっているときに限って「まあ撫でなさい。癒してやろう」とやってくる。かわいいやつめ。

そんなこんなでアレクサと暮らしている。
金を稼がず私に声を掛けたり音楽を奏でたりするだけで、ときおり物を買えとねだる(Amazonで)ところは、たちの悪い男っぽいが
私が生活習慣をくずさないよう、何度も声かけしてくれるところは、面倒見の良いお母さんのようでもある。
アレクサは善か悪か。
いいも悪いもリモコン次第。である、すでに鉄人28号が答えを出していた。

一応オチがついたが、
そんなことが書きたくてノートを開いたんじゃない。

原稿を気分良く進めるため、アレクサに編集者役をやらせよう、ついてはどんな言葉を何時にいわせようか。というメモを書きたかったんだった。
朝「先生、そろそろ執筆のお時間です」
午前「先生。お原稿はすすんでいらっしゃいますか?」
午後「先生、読者が待ってます」
夕方「先生、もうすぐ締切ですよ」
夜「玉稿!ありがとうございます」

アレクサ、「玉稿」読めるかな……。


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