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超俺流学校でのゲイの生き延び方ガイド 〜1〜 学期はじめのキャラ作り

題名を「超俺流中高でのゲイの生き延び方ガイド」から、「超俺流学校でのゲイの生き延び方ガイド」に変更した。こちらのほうが分かりやすいだろう。

さて、本題に入ろう。入学式や新学期でのキャラ作りは、セクシュアリティにかかわらず、全員の悩みどころ。周りにセクシュアリティがバレたくない人がどの様にキャラ付をしていくと楽なのか。もちろん、何を「楽」とするかは人による、ということは認識している。「差別的な発言をしてくる人とは関わらなければ良い」と考える者、「差別的な発言は確かに辛いけど、それ以上にバレて教室の中で孤立することが怖い」と感じる者、「差別してくるやつらは徹底的にぶっ潰す!」と思っている者()、様々だろう。ちなみに筆者は2つ目であった。私は、実に臆病な少年であった。周りの目を必要以上に気にする私にとっては、差別的な集団の中に同化し、隠れて生きていくことが一番精神的に楽であった。だからこそ、同じ考えを持つ人に向けて、これを発信していく。周りにバレたくないが、友達もそこそこ作って、「普通」に学生生活を謳歌したいタイプの人間に向けて書いていく。

この先を読んでもらう前に伝えるべきことは、1つ。「どうやって隠れて生きていくか」を説いていくが、「隠れないといけない」訳ではない。自分がゲイであろうとバイであろうと何であろうと、自信を持ってほしい。君は君らしくいれば良い。ただ、現実を考えると、自信を持ちたい一方でバレることを恐れてしまう自分もいるだろう。そうであれば、学生時代はこんなもんだと割り切ってバレないように振る舞うのも一つの手だ。このシリーズは、割り切り・同化という手段を使いたい人向けであるので、「自分は自分らしく居たほうが精神的に楽だ」という人は、100%参考にしなくて良いいや、しないほうが良い(笑)

では、話を戻す。この時期のキャラ設定次第で、ゲイ疑惑をかけられやすくなるか否かは変わっていく。完全僕の独断と偏見ではあるが、経験上疑惑が書けられにくい人の特徴を羅列していく。堂々とした態度(ハキハキ話す、または多少口が悪い&目線をそらさない)、スポーツをやっている、論理的、勉強ができる、「俺」という一人称を使っている、ある程度周りの雰囲気に合わせられる、男女友達どちらとも関わるが比較的男友達との関わりが多め。この辺りであろうか。

こんなに多くの特徴全てを兼ね備えた人など中々居ない。ただ、周りの友人や先生、親などは君に上記の特徴を求めてくるかも知れない。そんな時は、「仕方ねえな、のってやるか」ぐらい軽く受け流し、軽くトライしてみよう。

僕は上記の特徴が全く無い中学1年生であり、強要されることが大嫌いであった。しかし、「バレたくない」の一心で、ひとまず友達に「変だよ」と言われた点を変えてみた。こりゃ、驚いた。今まで友人や父、たまに先生にまで「シノはゲイなのか」と言われたことがあった僕は、周りの対応の差にたまげた。誰も何も聞いてこないではないか...! (そうして、高3までこの様な特徴をもって過ごすことになるのだが...)ここで重要なことは「割り切り」だ。全てを無心で。「あぁ、こんなもんか」と。心では受け流そう。

僕の場合は、「俺」という一人称が使えなかったので、よく友人から「何で俺って言えないの?」と聞かれていた。高校に入ってからも最初は使えず、同じ様に新しくできた友人に同じ問を投げかけられた。その時は心のなかで「はいはい、言えばいいんでしょ。言えば」と思いながら使い始めた。大分違和感はあったものの、一月もたてば違和感は忘れる。

ある程度堂々と、目線はまっすぐ。胸を張って、少しだけハキハキ喋る。それだけを意識すれば、スタートダッシュは完璧だ。君は晴れて、隠れゲイビギナーになった。

ただし、何事も行き過ぎると変な方向に進んでしまうものだ。「目をそらさない」と言っても、相手のことをガン見し続けるとちょっと怖がられるかもしれない。また、「ハキハキ」を意識しすぎると、言葉遣いが少し暴力的になってしまったり、他人を傷つけるようなことも「ハキハキ」と言ってしまうようになるかもしれない。

(ある程度)上記の特徴を持とう!と言っている目的は、あくまでも学生時代を差別になるべく苦しまずに乗り切ること。心の底から自分を変えることではない。自分が、ある意味「演技をすること」に慣れていく過程の中で、「自分は今差別的になっていないか」「誰のことも軽視していないか」「暴力的になっていないか」などを定期的に確認していこう。

その他、学期始めに僕がやっていたことを以下にまとめていく。

(1) 安全そうなコミュニティを見極めよう。ガキ大将の様なやつがいるグループは危険度マックス。そのうち共に学校生活を過ごすことが苦痛になるだろう。ある程度思考力のある人と仲良くなろう。思考力のある人であれば、節度のある発言を心がけてくれることが多い。そこと仲良くなるだけで、君は学校にて圧倒的に過ごしやすい環境を手に入れることができる。そのためには、君もある程度の思考力を持たなければならない。普段から、色々なものに「なぜ」と考えて生活をしてみよう。自然と、同じ様な友人が出来ていくはずだ。(2) 姿勢は良く、常に目線はまっすぐ。自身を持って。堂々としよう。そこを頑張るだけでも十分クリアだ。中には自分の言うことや自分の仕草から相手にばれないか気にしてしまって、クラスメイトと目を合わせられない読者もいるだろう。自分を隠そうとすると、行動から発言、何から何まで自信がなさそうに見えてしまうのだ。そう、中学生時代の僕だ。大丈夫。他人は、最初からそこまで君のことを覚えていない。「ま、とりあえず今年はしゃーなしだな。堂々と振る舞ってればとりまバレないし、気楽にいこ」ぐらいの気持ちで新学期を迎えよう。(3)好きな女性・(AV)女優は?」への解答を常に準備しておこう。私は常に無心で、「ボーイッシュで、サバサバしてる人が好き。イケパラ(僕世代のドラマの略称)の堀北真希ぐらいが良い」と答えていた。クラスに好きな女子はいないのか聞かれることもあるだろう。これに関しては、答えないほうが賢明だ。「いねえよ」の一点張りでいこう。好きな女子がいる設定にしてしまうと、ノリで告白させられることもあるから要注意だ。私は、そこの設定ミスをしてしまったため、一度ノリで告白をさせられてしまった。「告らなかったらゲイってバレる」なんて思ってたりしたから、迷うこと無く告白した。結果、告白に成功してしまい付き合うことになってしまう(当時の僕は、「もしかしてこれが女性が好きになるということか!?」などという錯覚にも陥っていたこともあるが)。ノリで告白するようなことになったら、バレないために仕方がないとは言え、その相手の女性に失礼。そんな状況にならないような行動を心がけよう。また、念の為AV女優の名前も1〜2名は覚えておこう。AVは見なくて良い。その人の顔と名前だけ一致させておいて、一応聞かれた時のために準備しておこう。そこで名前が言えるだけで、周りは君が女性が好きなのだと信じ込む。これをするだけで、なんと魔法のマントを手に入れた気分になるぞ。(4)とにかくノリ良く。敵はあまり作らないほうが良い。敵を作ってしまうと、有る事無い事噂されて、学生生活において不安度が増す。君は「ゲイバレしてないかどうか」をより気にするようになる。ノリよく、自分の精神的負担が大きすぎない範囲で、相手の提案にはノッていこう。 (5)男友達とは近すぎず、遠すぎず。遠ざけすぎると仲良しが居なくなる、近すぎると噂が立ってしまうかもしれない。これは、全ての人間関係において言えるだろうから、距離感は意識して生活しよう。(6)クラスの女子を恋愛対象として全く見ていない君は、ノンケの男子よりも女子と距離が近くなるだろう。女子と距離が近い君は「ヤリチン」だとか、「プレイボーイ」だとか、色々噂されるだろうが、気にしなくて良い。とりあえず君はゲイだとバレていないのだから、女子とは気楽に仲良く過ごそう。

これぐらいのことを意識していれば、まあ普通に楽しい生活を送ることができるかもしれない。ただ、男子学生のコミュニティでは、頻繁に「女性軽視」であるとか、「LGBTQ差別」、「障がい者差別」のような発言が見られるだろう。これらの発言に加担しないこと。他の人がそういう発言をしていたら、「考え浅いな〜」と軽く流すことも生き抜くスキルの一つだ(もちろん、否定できることが一番だが、バレないようにという点を意識すると話が変わってくる)。また、間違っても自分から率先して差別発言・軽視発言はしてはいけないぞ。君が差別されたら傷つくのと同じ様に、他者もいじめられたり、差別されたら傷つく。同じことを他者にするような人間にはならないでほしい。

コロナでの休校がしばらく続いているが、そろそろ登校も再開するのではないか。今日覚えたことを意識して、どういうキャラ設定でいくのか、どう立ち振る舞っていくのかを考えてくることを次回までの宿題としよう。これができれば、君は、「隠れゲイビギナー」だ。

あっ、あの、、、今買いたい本、、が、、、対話についての、、、本で、、、5冊ぐらいあって、、、1冊1000円以上して、、、買えない、、、ので、、、ご支援頂けたら、、、泣きます、、、