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【国際ボランティアデー記念インタビュー】 The Front Steps Project×ソー写ルグッド

本日(12月5日)は国連が定める「国際ボランティアデー」です。2020年のテーマは「Together We Can Through Volunteering(ボランティアを通して共に実現できる)。」新型コロナウイルスが広まる中、世界各地で立ち上がった多くのボランティアへの感謝を込めつつ、コロナ禍でのボランティアの課題やニーズに焦点を当てる日です。コロナ禍であれ、ボランティアが共に力を合わせれば、実現できるというメッセージが込められています。

ソー写ルグッド_ボラ写_災害支援_災害ボランティアバナー

ソー写ルグッド株式会社も「ボランティア」について、会社設立以前から考えてきました。弊社が法人化する前の2018年に始まった「ボラ写PROJECT」。西日本豪雨で被災地となった広島県に災害ボランティアとして代表の汰木が訪れたことから始まりました。ボランティアとして活動する中、他のボランティアの方々の思いやボランティアが不足しているという実態を汰木は知りました。

ソー写ルグッド_ボラ写_災害ボランティア支援_西日本豪雨_清掃活動2

フォトグラファーとしてのスキルを活かし、写真の力で情報発信のお手伝いをしたことがボラ写PROJECTを通じた「プロボノ撮影」の始まりでした。

プロボノとは:プロのスキル・知識をボランティアとして提供すること。
ラテン語のPro Bono Publico(公共善のために)が語源。

プロのフォトグラファーがボランティアとして撮影を行うことをソー写ルグッドでは「プロボノ撮影」と呼んでいます。プロボノ撮影が持続的に行なえる仕組みとして誕生したのが「20-for-1プロボノ」という弊社のビジネスモデルです。ソー写ルグッドが受注した撮影件数20件に対し1件のプロボノ撮影をボラ写PROJECTとして行うものです。

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*2020年11月30日時点

持続可能なプロボノ撮影を行っていくための「20-for-1プロボノ」ですが、これだ!と決まるまでには、写真でどのような社会貢献ができるかをずっと考えてきたからでした。

そんな今年の春。新型コロナウイルスが大流行しました。

どんどん悪化し、不安な状況がまだまだ続きそう。
「ボラ写PROJECT」としてできることはないのか?
世界ではどんな動きがあるのか?

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そんな中、出会ったのが「The Front Steps Project」でした。
米国のマサチューセッツ州で始まり、世界的にも広まったプロジェクトです。米国の一戸建ての家にはよくFront Steps(階段)があります。家の前のFront Stepsに家族がポーズをとり、フォトグラファーは家から数メートル離れたところから撮影を行います。素敵な家族写真を無償で提供する代わりに、指定の団体・活動に有志で寄付をしてもらう仕組みです。

コロナ禍で何ができるかずっと考えてきた私たちはこのプロジェクトを知り、日本で緊急事態宣言が発せられた4月7日にプロジェクト設立者のKristen CollinsさんとCara Souliaさんに連絡をとってみました。日本で実現することができないかを相談したのです。

しかし日本ではそのまま実行するのは難しいと判断し、最終的に私たちはFront Stepsではなく、#オンライン写真家というかたちでプロジェクトを実施することを決めました。(オンライン撮影で家族写真などを撮影し、投げ銭でフォトグラファーを支援するプロジェクト)

国が違えば文化も違い、発信の方法も変わりましたが、その後もコロナ禍での撮影やフォトグラファーの現状などをメールを通して連絡を取り合いました。彼女たちのアドバイスはとても心強かったです。

そして時は経ち、気づけば今年ももう終わりに近づいています。そんな一年を振り返るような時期に国際ボランティアデーがあり、これを機会にぜひ彼女たちに話を聞いてみたいと思ったのです。そう言った経緯で、インタビューを申し込み、プロジェクトの成り立ちや反応について改めてお聞きしました。

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このプロジェクトが始まった米国マサチューセッツ州では3月にコロナ感染者が出て、そこから直ちに職場や学校は閉鎖されました。そんなとき、フォトグラファーのCaraさんのところへ、PRやマーケティングのお仕事をされている友人のKristenさんから連絡がきました。「お家で過ごす家族の写真を撮り、この歴史的出来事を記録しよう」とKristenさんは言いました。

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当時は、コロナの影響で二人ともほとんど仕事がなくなっていた状況でした。しかしこの撮影は無償で行いたい、という強い思いを持っていたお二人。活動を通して募金を集め、住んでいるNeedhamという街で支援活動を行なっている非営利団体の「Needham Community Council」に全て寄付することを決め、プロジェクトが始まりました。

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知り合いの家族の写真をいくつか撮影し、投稿すると直ちに話題になり、1週間後にはCNNの記事にも取り上げられていました。プロジェクトに参加したいと名乗り出た世界各地の数百人のフォトグラファーからも連絡が来て、爆発的に広まっていきました。今なおフォトグラファーに連絡を取り、データを集計している状況ですが、現時点で700人ほどのフォトグラファーが募金を集め合計すると、日本円にして3億円(335万ドル)が集まったそうです。それぞれのフォトグラファーが応援・支援したい団体や活動を寄付先に選び、それぞれの個性や思いも感じる温かいプロジェクトでした。

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お二人のお話によれば、この活動はあと少しで終わりを迎えますが、素敵な思いを持って参加した多くのフォトグラファーに感謝の気持ちを込めて、先週「The Front Steps Project: How Communities Found Connection During the COVID-19 Crisis」という本が発売されました。

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KristenさんとCaraさんのお話を聞き、写真の持つ力と可能性を改めて感じました。世界各地で「なにかやりたい」という思いを持つフォトグラファーがいて、それをつなげる「プロジェクト」がある。これはまさにソー写ルグッドが目指す「フォトグラファー・ネットワーク」の参考にしていきたい成功例です。

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※写真集より

全国各地に「なにかやりたい」という思いを持つフォトグラファーと共にネットワークをつくり、災害が起きてしまったときや何かニーズがあった際には、近くにいるフォトグラファーがプロボノ撮影を行う。困ったときに、微力かもしれませんが、支え合うことのできるネットワークをソー写ルグッドはこれからどんどん広げていきたい。今回のインタビューを通じて改めて強く感じました。

コロナの影響でボランティアの在り方は変わってしまったかもしれません。でも同じ思いを持つ人が集まれば、必ずできることがあるはず。

「Together We Can Through Volunteering(ボランティアを通して共に実現できる)」

ソー写ルグッド_ボラ写_災害ボランティア支援_西日本豪雨_清掃活動子ども


ソー写ルグッドは「写真の力で、もっといい社会へ」ということばを大切にし、新しい挑戦を続けていきます。


*The Front Steps Project をもっと知りたい人はこちらから!↓



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