
高千穂の蕎麦|記憶に残るひと皿
そば屋のおでん、
そば屋のてんぷら、
そば屋のカツ丼。
シズル感のある枕詞と
漂ってくる出汁の香りに誘われて
気がつけば各地のそば屋を巡っている。
この日ふらりと寄ったのは
天岩戸神社で有名な宮崎県西臼杵群高千穂町にある
そば屋「おたに家」さん。
標高800メートルを超える自社農園で
高千穂の在来種を無農薬・無化学肥料で栽培し
石臼で自家製粉した手打ち蕎麦を提供しているお店だ。

暖簾をくぐって引き戸を開けると
すてきな笑顔のお兄さんが出迎えてくれて
棚田を眺めるテーブルへ。
自家製の牛蒡茶をいただきながら
期待値が高まるメニューと睨めっこをして、
十割蕎麦ととろろご飯のセットに
煮しめを追加でオーダー。
まず運ばれてきたのは、できたての十割蕎麦。

完璧な加水率で
しっかりコシのある食感と
口の中でやさしく広がる蕎麦のいい香り。
続いては
日本棚田百選にも選ばれている高千穂の
気候と水で育まれたお米を使用したとろろご飯。

摺りたてのとろろ本来のおいしさに
控えめに味付けされた椎茸がトッピングされ
これだけで何杯もいけてしまう一品。
自慢のお米には
食感にアクセントをもたらす粟がミックスされていて
嬉しい心遣い。
そしてタイミングよく運ばれてきた煮しめは
なんと十種類!の盛り合わせ。

素材の持ち味をやさしく引き出し
それぞれの野菜の食感を楽しめるように
丁寧に調理されているのが伝わってきました。
自分たちで育てた食材を
いちばんおいしい状態で提供できるように日々準備をして
産地での取り組みも紹介してくれた「おたに家」さん。

https://www.instagram.com/p/Cn_armGL03u/?utm_source=ig_web_copy_link
ほっこり、まったり。
お尻から根っこが生えそうな
とっても居心地のいい雰囲気で
おなかもココロも幸せな食体験でした。
(次回に続く)
記憶に残るひと皿シリーズに掲載しているイラストとコメントは僕の個人的な解釈です。またメニューの内容や価格は訪問時の情報です。
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