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ワッティー着ぐるみ誕生秘話【第9回ワッティーってなに?】

2015年10月クラウドファンディングを行った。
内容は『カンボジアの体操キャラクターワッティーの着ぐるみを作りたい!』。

しかしクラウドファンディングは難しい。実際に、ソーシャルゲームのプロモーション費を集めるクラウドファンディングでは大失敗をした。

単にお金を集めるだけでは成功できなさそうなので、何かストーリーを作りたかった。そこで考えたのが、成功した暁にはワッティーの着ぐるみでアンコールワット国際ハーフマラソンに参加することだ。

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カンボジアの子どもたちの運動不足は意外に深刻だったりする。カンボジアの公立小学校では体育教育が十分に行われていない。そして、灼熱の暑さとバイクの普及により、「歩く」という行為をあまりしないのが実情なのだ。

体育教育支援を行う日本の認定NPO法人「ハート・オブ・ゴールド」と国際協力機構(JICA)カンボジア事務所、カンボジア教育省と協力し、カンボジア古来の体操である「クメール体操」を普及すべく、キャラクターアニメーション制作した

そして、実際にワッティーとカンボジアの子どもたちと一緒に「クメール体操」をするために、このワッティーの着ぐるみを制作しようと考えたのだ。

クラウドファンディング用の動画。これを見ると、クラウドファンデイングをやる意図などがまとまっている。

しかしである。当初から根本的な大失敗を冒していた。
一度クラウドファンディングを失敗しているので、ノリと勢いとストーリーを優先しすぎて、実際に成功することをリアルに想定することができていなかったのかもしれない。

アンコールワット国際ハーフマラソンに挑戦したい、なんて言うんじゃなかったということとだ。

クラウドファンディングは成功した。しかし、喜びと同時に、恐怖と不安に襲われたことを覚えている。

かくして、ワッティーの着ぐるみの制作することになった。

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着ぐるみ制作発注はどこに出すべきか?その当時のプノンペンでは、ほとんど着ぐるみを見たことがない。カンボジア国内で作ることができるのだろうか?

日本で制作して郵送するのが一番手堅いがコストがかさむ。アリババを通して中国に発注する案はコスト的にもクオリティ的にも良さそうだ。そしてベトナムにはいくつか安い業者があるらしいという情報も手に入った。

しかし、何度かお世話になった印刷業務の仲介ブローカーのおじさんが、着ぐるみを作れると言い張った。何度か紙の印刷でやりとりしたことはあるが、着ぐるみは初めてだ。しかし、サンプルはない。

少々リスクを感じたが、やはりカンボジアのゆるキャラなので、カンボジアで制作してみたい。そう思って、一か八かそのおじさんに発注することになった。

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ほとんど、途中報告もないまま仕上がった着ぐるみがこちら。

寸胴で鼻デカ。

頭のパーツは取り外せるように指示書を書いたつもりだったが、全身一体型となって完成した。

最初に見た時は、ドン引きだ。しかし、見慣れてくると、これはこれで不思議と可愛い気がしてくる。

これぞ、カンボジアンクオリティだ。
それにしても、鼻の穴がデカイ。着ぐるみの方のデザインを変えるのではなく、イラストの方を変えることにした。仕方がないので、それ以降のワッティーのイラストの方の鼻を、ちょっとずつ大きく描いているのだ。

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そして、アンコールワット国際ハーフマラソンも出場した。
クラウドファンディング直後の2015年、そして2017年と二度出場している。

ワッティーが出場してくれたおかげで、心なしか私も少し健康的になったような気がする。

アンコールワット国際ハーフマラソンの会場でも、おかげさまでワッティーは大人気だった。アンコールワットではなく、「トカゲ」や「バナナ」と間違えられることもあったけれど、写真撮影で前に進む事ができないほどだった。

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そしてワッティーは実際の学校へ訪問して、クメール体操で体を動かしたり、ゴミ拾いの活動をしたりと、カンボジアの子どもたちとの交流を深めている。

ポーサットの田舎の本格的な農村部などに行った際は、子どもたちに泣かれて逃げ回られたが、それ以外の地域では概ね人気者だ。

人生でここまで人に囲まれた事がない、というほど人気者になる事ができる。もし体力と若さに自身があって、カンボジアの子どもたちへのボランティアに興味がある人がいたら連絡が欲しい。

そろそろ私には限界が来ている。ワッティーといっしょにカンボジアの子どもたちと交流を深めてほしい。


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