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ゆがむ体癖~過去がつくる人格~前編

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「私は○種なのに、ソシャフィアが言っていることがあまり当てはまらない」という声をたまに聞きます。

そもそもその種ではなかったり、
複合体癖で他の種の方が濃かったり、
複合体癖でアクセルとブレーキのように種同士が打ち消し合っていたり、
自己認識(自分が自分だと思っている自分)と他者認識(他の人が自分だと思ってくれている自分)に大きなギャップがあったり、
私の伝え方がイマイチだったり、
原因は様々ありますし、それらの混合の場合もありますが…

それらでなければ、ひょっとすると…
過去の影響かも。

体癖診断で実際に体のみで診断したり、体の症状から診たりして、間違いなく体は○種であっても、性格の面でその種の要素が薄い人も、少ないですが、います。
話をしていても「あれ?この人私に気を遣いすぎだな。本当に○種かな?もう一度お体を調べてみよう……やっぱり○種だ。間違いない。でも気を遣いすぎだな。擬態しているのかな?」と思わせる人が、この18年の間、4万人以上の診断で一割弱くらいはいらっしゃいました。

で、話を聴いてみると、やはり「トラウマがある」とか「幼少期にいろいろあった」とか「家庭環境が複雑だった」とか、過去のお話をしてくださるのです。

五種なのに行動できなかったり…
十種なのに反抗的だったり…
三種なのに四種のようにやたらと気をつかったり…

逆に、話をしていて「この人は△種だな」と思わせる人も、お話をした後でお体を実際に診たらその種ではなかった、という場合もあります。
それもおそらくは過去の影響から、体と心が一致していない例だと思われます。

そういった方のほとんどが、過去に体癖の特徴を損なうような何かがあったのではないか?
というのが、今の私の持論です。

人の性格は、体癖だけで作られるものではなく、過去によっても作られるものです。
過去とは経験であり、積み重ねであり、運命でもあります。
それによって自分が自分になった部分は絶対にある。
良かれ悪しかれ。

同じ七種でも、何か嫌なことがあるとすぐに暴れる人もいれば、怒りをおさめられる人もいます。
体癖のみでは、人は割り切れないのです。

影響を与えている過去の出来事が、ある程度大人になってから起こったことであるなら「あぁ、あのときのアレか」と気づくこともできますが…
まだ記憶のない乳児や幼児の時代だと、自分で気づくのは難しい面はありますね。

では、どうすればいいか?
過去を乗り越えて、現在をさらに輝かせるためには、どんな試みがあるのか?
というのが、今回と次回の『タイヘキストマガジン』のテーマです。
二回に渡って”体癖と過去”についてお送りいたします。

過去に関しては、心理学講師としてTA(交流分析)やインナーチャイルド、過去退行催眠の方法などを教えてきましたし、カウンセラーとして実践してきました。
自分の心の中にある過去を終わらせたり、印象を変えたり、見方を変えたりすることによって、受けた人が変化を起こしているのをたくさん見てきました。
もしかすると、”変化”を起こしたのではなく、もともとの体癖に”純化”したのかもしれません。

一応断っておきますが、今回と次回は割とヘヴィです。
心をえぐられる人もいるかもしれません。

もし読んでいる途中で具合が悪くなったりしたなら、一度読むのを止めて、体調が良くなってからまたお読みいただくことをおすすめします。
無意識は不思議なもので、自分を変えようとするものに対しては抵抗する面があり、それが体調に表れる場合が多いのです。

体癖は”生まれつき”なのか?

本題に移る前に、「体癖は生まれつきなのか?後天的に身につけるものなのか?」を整理しておきましょう。

と言ってはみたものの…
分かりません(笑)。
調べる術がないのです。

もし調べるとするならば、妊婦を2000名集めて(統計学では2000名が最低ラインのようです)生まれてきた子どもを同じ方法で調べて、育っていくに連れて年に何回か調べて、それをある程度の年齢までやり続ける必要があります。
その調査法以外はすべて仮説です。

中には「体癖は生まれながらに3つの種を親から遺伝して、一生変わらない」とする発信者もいますが、一体どうやって調べたのか、私には疑問です。
で、尋ねてみたところ「愉気(ゆき・野口整体の技)ができれば分かる」と言われたのですが、どうしても主観の域を出ない方法であることには変わらないので、あくまで仮説であり、そういう主張であって、真実と言える段階ではないのでしょう。

もし「生まれてから死ぬまで」を本当に調べるなら、上記よりもさらに長い時間(親が生まれてからの体癖も調べるので、最低でも100年以上)がかかり、その分お金もかかりますので、国家プロジェクトでもなければ実現は不可能です。

おそらく、体癖は生まれつきに持っているものでしょう。
が…
さらに、後天的にも身につけるものでもある、というのが私の仮説です。

というのも、理由は二つあります。

【理由1】
一つは心に関するものというよりは、「体の面から見て」のことです。

例えば、小さな頃から野球やゴルフなどをやっている人は、体が捻れます。
野球もゴルフも体を捻る運動だからです。
体を捻ると、腰椎三番が捻れます。

大人になってある程度体ができてからそういったスポーツを始めるのと、3歳や4歳、それ以下の年齢からそういったスポーツを始めるのとでは、その筋肉や関節や骨のでき方が変わってくるのです。
そしてそのまま続けていけば、やっていない人を比べると大きく変わっていきます。

体が捻れれば、頭も捻れます。
頭は22個(舌骨・耳小骨を入れれば29個)の骨で構成されており、アゴの骨である下顎骨を除けば、”縫合”という特殊な関節で連結されているのですが…
子どもの頃は縫合がまだできておらず、固まっていません。
頭の形が変われば脳の神経の伝達が変わり、それによって人格も変わるのは、多くの整体術の考え方の基本になっています。

仙骨も大人になれば1つの骨ですが、子どものときは5つあり、大人になるにつれてくっついて、1つの骨になるのです。
体を捻る運動を続けると、仙骨の上から二番目の骨(仙椎二番)が捻れて、神経伝達などの面から、副腎や性ホルモンに影響が出ます。

以上はスポーツによる捻れを例として挙げましたが、ずっと正座で過ごすのとずっとイスで過ごすのではゆがみ方が異なりますし、強制的に背骨を真っすぐにさせられ続けるのと動きたいまま自由にさせられるのとでも異なります。
幼い頃、どのような体のしてきたか?で体のゆがみ方が変わり、脳への影響が変わるのです。

ということは、「体癖は生まれたままのものだけではなく、後天的にも作られる」ということです。

幼児でなくても、私のお客様で出産によって九種の人が十種になった例もあります。
「育児で忙しく、整体院で骨盤矯正を受ける時間がなかった」と言っていました。
産後、早めに骨盤を締めておけば起こらなかったかもしれません。

ただ、これに関しては例が少ないので、補足として書き留めておきます。

【理由2】
二つ目は、心が変わったことによって、体癖が変わるということ。

冒頭でも軽く触れましたが、「自分の心の中にある過去を終わらせたり、印象を変えたり、見方を変えたりすることによって、受けた人が変化を起こしている」のです。
ひょっとすると、もともとの体癖(生まれたままの体癖)に”純化”したのではないか?と考えられるのです。

ある女性が、「心がつらい」と、過去退行催眠を群馬の私の整体院にお受けに来られたときの話です。

その女性は過去退行催眠を受ける前にも、首と胃が悪くて私の整体を5回ほどお受けになっており、見た目にも左肩が上がって、背骨を調べていくと胸椎二番、六番、十番、腰椎二番のゆがみが濃く見られ、「四種である」と診断をしていました。
さらに、施術のたびに「体の不調が感情の問題で出ている」という結果が、整体術の検査で出ていました。

どうやってそれを調べるかは、企業秘密(笑)。

で、あるときに私が「一度過去退行催眠をお受けになってみませんか?」と提案したのです。
「ぜひに」ということで、セラピーをやってみました。

そして心の問題が解決されると…
なんと、いつも上がっている左肩が下がっていたのです!

次に整体をお受けになったときにも、背骨のゆがみ方は変わり、左肩も下がったまま。
「胃と首の不調もなくなった」とのこと。
その後何年もおいでくださっていますが、その後はあれだけ出ていた四種の特徴は一度も見られません。

体癖が、変わったのです。
四種の代わりに、次に特徴が大きく出ていた一種が濃くなっていったのです。

こういった例はいくつかあって、最近でも普段は三種九種で、低潮すると四種になる方が「四種、フランスに行った」と言っていました。

三種っぽい言い方(笑)

で、低潮すると九種が大きく出て、さらに八種も少し出てくるようになったのです。
三種は真ん中に位置するようになりました。
三種九種の低潮四種が、低潮九種三種八種に…

その方は過去退行催眠ではなく、おそらくですが、フラワーレメディによる変化(純化?)だと思われます。
毎日のようにレメディを飲んでいるうちに、四種の部分が消失してしまったのかもしれません。

ということは、ひょっとすると元々は低潮しても四種なのではなく、過去のなんらかの原因によって、低潮すると四種になるようになっていったのではないか?と、私は予測するのです。

【体癖は、”素質”か”現象”か?】
体癖を見い出された野口晴哉先生は、「体癖が生まれつきかどうか?」という命題について何と言っているのか?

先生は『整体入門』という著書の中で「体癖とは、読んで字の如く、体の癖のことであります。体の癖は体癖現象を指していうのですが、体癖素質をいう方が本当でしょう。しかし、ここでは、体癖現象も体癖素質も含めて体癖と申しますが、少し話が進めば、自ずから区分されるようになるでしょう。」(原文ママ)と書かれています。

うーん、分かるような分からないような、独特の文章ですね(笑)。

”素質”という言葉を辞書で引くと「生まれつき持っていて、性格や能力などのもとになるもの」とあります。
”現象は”辞書では「直接、知覚することのできる、自然界、人間界の出来事。また、そのありさま。」とあります。

つまり晴哉先生は、「体癖とは体の癖のことで、見て聞くことのできる出来事だよ。体癖はおそらく生まれつき持っているものだろうね。」とおっしゃっているわけです。

晴哉先生も「本当でしょう」と、生まれつきかどうかは決して断言はしていないのです。
まだ研究段階だったのかもしれませんね。

このnoteでも晴哉先生と同じように、「体癖は生まれつきでもあるし、見て聞くことのできる出来事でもある」、という前提で以下を書き進めていきます。

心と体が一致していない人のほとんどが体調が悪いか心が不調

ここからが今回のnoteの本題です。

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