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DOT.

その一瞬が、その一言が、これからの何もかもを変えてしまう。
そんな冗談めいたことが本当にあるなんてこと、信じていなかった。

あの日、あの場所で、全てが悪戯に、偶然みたいな素ぶりしてさ。
僕はいつもどおりに自分のわがままだけで飛び出しただけなのに。

あなたはずっと笑っていたね。澄んだ瞳の向こうに夢見る強さ感じてた。
永遠なんて言葉は嘘だって知っていたのに、見えない事実が寂しくて。

大声で笑い合えた大切な時間も、生絲みたいな儚さで切れて消えた。
明日は必ず来るなんて素朴な蒼さを、いつまでも信じていたかったんだ。

たった一瞬で、全てが変わる事をもう一度あなたは教えてくれた。
その意味を、僕は今もずっと考えている。
足踏みする僕を押しのけて、日々は急ぎ足で通り過ぎて行く。

全てが、なにもかもが気にしない世界でもう一度出逢えたなら。
僕は君に、なにを伝えられるだろう。その一秒が二人に何を齎すだろう。

ありきたりな言葉しか知らない僕の世界で君はかけがえのない存在だった。
あなたという、君という存在を定義する言葉を、僕はこれからも探し続ける。

自費出版の経費などを考えています。