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書く時に気をつけていること②


期せずして、前回の続き。

もし良かったら、前回のも参照してみてください。



前回は、どちらかというと"ぜひともこうしていきたい!"という向きでの「書く時に気をつけていること」でしたが、今回は、それとは対照的に"そうならないように注意している"という向きでの内容になります。


元来、本当に自分自身の好むように書いていると、漢字の熟語が多くなるとか、短い言葉で端的に表そうとして、読むのもそうですし、理解するのにもどこかしら"硬い"印象が出てきてしまいます。

それは、難しいは難しいにしても、難解ということではなくて、読みづらいという方の難しさで、あまりにも硬いせんべいでは歯が欠けてしまうような、得るものより損なう方が多いことにもなりかねません。

また、自分自身の生来のユーモアのセンスが、イギリス風味の少し皮肉の混じったもの(=シニカルなもの)なので、それをできるだけ避けて避けていかないと、「何だか嫌な感じがするわ」となってしまいます。

わざわざ嫌な気持ちになりたくて、誰かの書いたものを読むということはないでしょうから、妙な"ひねり"を入れることなく、素直な気持ちで率直に表すのが良いわけです。


そういう時に思い出すのは、井上ひさしさんの次の言葉。


「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、ゆかいなことはあくまでゆかいに。」(劇団「こまつ座」の機関紙「The 座」1989.9、14号)


私は寡聞にして、ここの一節しか井上ひさしさんの言葉は知らないのですが、これはまさしく至言というもので、少なくともこれだけ知っておくだけでも良い気がします。

そして、もう少し詳しく知りたい方は、こちらもぜひご覧ください!



他に気をつけていることでは、自分がいろいろな言葉を見知って、かなり難しいものまで知っているとしても、自分が書いたり話したりする時には、極力使わないのが読む人に対して優しいのかなと思っています。

文脈や字義に適っているからと言って、いきなり「千里の逕庭」とか「驚天動地の心地」とは言っても、すぐにイメージが浮かんでこなかったり、調べるのに手間がかかったりするようであれば、せっかくの読んでいるテンポが崩れかねません。


逆に、できるだけ平易に言うのが良いからといって、「破綻」を「破たん」、「語彙」を「語い」とはやらない、こういうものは熟語の成り立ちそのままで使っていくのが真っ当な考えというものでしょう。

読みやすさと正しさとの、このあたりのバランスを絶妙に取りながら、別の言葉で置き換えるとか、馴染みのあるカタカナ英語にするとか、言葉のカタチを大きく損なわない程度で使い分けていけたら良いなと思います。


あとは、無闇に英語や横文字を多用しないというのも、ひとつのマナーかもしれません。

「ひとつのキャズムを越えて云々、ダイバーシティを可能にする都市計画をカンバセーションしてベリー・センセーショナルだ」みたいなのでは、意味がようわからんのです。

これには、入念な注意が必要です。


いくら自由にやるからといっても、サッカーの格好で野球をやらないように、また、バットの代わりにラケットを持ち出さないように、決められたルールとやり方に則ってやらないといけません。

書くには書くだけのルールをしっかり守るわけですし、勢い余ったからといって、原稿用紙をはみ出して机にペンを走らせるようなこともしないわけです。

あとは、前回にも書いたように、あくまで"楽しく"書くのが良いわけですから、最後は前向きに締めるというのが、ハッピーエンドでまことにお後がよろしいようで〜♪となるわけです。


自分の書くものが、読んだ人の心に元気を与えるとか、喜びを与えるようなことだけでなく、真剣に何かを思索するとか、何かしらの決断のきっかけになるようであれば、こんなに嬉しいことはありません。

そのためにはきっと、言葉の持つ力、文章や物語のもたらすものの大きさに敬意を払いながら、それぞれの思う「書く時に気をつけていること」を念頭に置いておくと良いと思います。


今後、さらなる続きがあるのかどうかは、私自身の気分次第というところではありますが、また折に触れて「書くこと」のそれ自体を考えてみるのも良いかもしれません。

たとえば「推敲」について、これも個人的に好きなものですし、「書くこと」において大切だと思うので、いずれ取り上げることになるのかな、もとい、おそらく取り上げることになりそうだなと思います。

それでも、基本的なことを守りながら、書きたいことを書いていくのが健全な姿勢のようにも思うので、あなたも私も、いろいろと書く可能性を広げていけたらナイスですね!


<追加>

「書くことについて気をつけていること」は次の③まであります。

ぜひとも合わせてチェックしてみてください!



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