発芽玄ソバのこと
発芽玄米のことは、皆さんよく知っていると存じます。白米以上の栄養価を持つようになり、さらに、成人病にも効果があるといわれております。
お米も発芽させることによって、変化が起きることがわかりました。
では、蕎麦はどうでしょうか。見ていきましょう。
発芽玄蕎麦について、少し書いておきたい存じます。皆さんは、発芽玄蕎麦を見たことはおありでしょうか?
蕎麦を刈り取る時期、長雨が降ると、穂発芽が起こることがあります。農家はこれを極端に嫌がります。腐敗臭があり、美味しい蕎麦粉ができないからです。
このように、蕎麦農家にとって、蕎麦を発芽させるということは、厳禁なのです。
私も蕎麦屋を始めたころは、そのように考えておりました。なぜ、発芽させることにこだわるようになったのでしょうか。
知っての通り、蕎麦に限らず穀物類は時間の経過とともに、品質が劣化して、食味(味、香り、食感)が落ちていきます。
保管技術が優れている昨今でも、6月以降からは、暑さも加わり、かなり品質が落ちます。
これをどう乗り切るかが大きな課題なのです。
美味しい蕎麦を打つのには、新そば時期のような良い玄蕎麦を挽き、美味しい蕎麦粉を作る必要があります。
ここに、私は、そばの野生のもつ性質を利用する方法が存在する突き止めたのです。
清水でよく洗って、泥やごみを取り、水を切って発芽させる。季節によって違うが、2日間で発芽します。これを天日に干します。
これで分かるように、蕎麦の生命力は凄い。
写真は発芽玄ソバを天日干ししたものです。発芽玄蕎麦を上手に製粉すると一年経った玄そばが新そばより美味しくなるのです。
「えっ 本当 うそでしょう!」という声が聞こえてきそうですが・・・