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『在宅ひとり死のススメ』のレビュー欄がスゴいことに…

家庭医ギータです。

今日はサラッと書籍紹介です。「タイトル+著者+新書」の合わせ技で即買いした本でした。

1) この本を読んだギータの立ち位置

ギータの主戦場は目下、病棟です。そこで入院患者さんを診つつ、週1回、訪問診療もやっています。昨年は訪問診療が中心でした。これまでに、この本に取り上げられるような「認知症と診断された、独り暮らしの高齢者」もたくさん診てきました。

一方、入院患者さんの中にも、「今回の入院を機に自宅での独り暮らしが難しくなりました」と周囲に判断されて、家に帰れず、そのまま、施設入所までの間の「ワンクッション」の病院に転院、という方が少なくありません。

「仕方がないよね…」と思う一方で、独りでも介護サービスで暮らせている方もいたのにな、その違いは何だろうな〜、と悶々としていました。

そういう経験をしたギータ目線からだと、本書はとても面白く読めました!が、読む人によっては強い嫌悪感を覚えるようです。Amazonのカスタマーレビュー欄がすごいことになっています。

著者が本書を執筆した動機はコチラ↓です。

ひとり静かに死んで、ある日亡くなっているのを発見された、それを「孤独死」とは呼ばれたくない。

この問題意識は至極、真っ当です。

2) 寄せられた反応は?

本書に対して、さきほどのAmazonカスタマーレビューには「お金があるからできるんだよ」とか「親族が世話をしないと責任を問われる」という声が寄せられています。

また、認知症の親族を持って苦労した当事者の体験談も語られています。

それだけ、この話題が皆さんにとって身近であるということと、本書が読者に自分や家族の老後についてイヤでも考えさせるきっかけになっていることが貴重だと思いました。

3) オススメの読み方、読むべき方々

Amazonカスタマーレビューなど、本書の感想(多くは否定的な内容)と合わせて読むと自らの価値観が浮かび上がってくるはずです。

ともかく在宅医はもちろん、ケアマネジャー、訪問看護師、訪問介護士、訪問薬剤師、など在宅患者さんに関わる方は必見です。あの看護師さんとか、あのケアマネジャーさんは怒るだろうな〜、とか、あの介護士さんは大爆笑するだろうな〜、とか思い浮かべられるのが面白いです。

在宅でも、ギータの闘いはつづく…

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