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目的と手段の混同が及ぼすラグビーへの弊害


【目標設定】


スポーツ界においてはかなり重要視されてきていること。

もちろん企業においては当たり前のように目標が設定されている。
会社としての理念だけでなく、売上目標など。
さまざまなものが数値化されて見える化されている。

全ては、掲げた目標が達成できているかどうかを判断するためだ。


今回はこのような事象をラグビーに置き換えて考えてみる。



『ラグビーにおける目標』

これはチームや個人それぞれで違ってくるものである。

・所属するリーグで優勝すること。
・全国大会に出ること。
・試合に勝つこと。

・日本代表選手になること。
・プロ選手になること。
・楽しむこと。

ラグビーをする人にとって目標は様々であっていいものとも言える。


目標を達成するために必要なものはたくさんある。

ここでは具体的に何が必要なのかが問題ということではなく、抽象的に考えて目標達成に必要なものが必要なのかについて問題視していく。


目標を達成するために目的を持つ。
目的を遂行するために手段がある。


上記に書いた事柄は、ラグビーをプレーする中で一番僕自身が心がけていることである。

正直この文章を読んでもピンとくる方は少ないと思います。


具体的にプレーに置き換えて説明してみる。


「試合における目標 = 勝つこと」だとする。

「勝つために必要なこと = 得点を取ること」だと言い換えることができる。

となると勝つという目標に対して、必要な目的はトライを取ることである。

トライを取ることは試合に対しても目的であり、手段でもある。

が、目的のために必要なことは手段に当たるので、トライを取るための手段を考える。


トライを取る手段は無数にある。

全員を弾き飛ばしてトライラインめがけて一直線に走ること。
パスを繋いでチームワークでトライを取ること。
強力FWでドライビングモールでトライを取ること。
華麗なキックパスでトライを取ること。

などなど。


手段を上げ切ればキリがない。


トライを取るための手段を挙げられるだけ挙げてみよう!という話ではなく(たまには挙げられるだけ挙げてみよう!からチームの攻撃の主軸を作っていくのも面白いかもしれない)、先に挙げたこれらはあくまでトライを取るための手段に過ぎないということを再認識してほしい。


どういうことかというと、上述したことが目的と手段において混同することはあまり無いと思うが、

例えばセットプレーからのBKの攻撃を考えた場合に、

目的と手段はどのような関係値になるだろうか。


以前公立高校を訪れた際に質問がきた。

「セットプレーからの一発サインを一緒に考案してほしい。」と。



そこで嬉しい反面、悲しい感情がよぎった。

その理由は単純で、彼らが興味を持って貪欲に前向きにラグビーに取り組んでいる姿勢を感じられたことと、目的と手段を混同していることに気づいたからである。


まず先に2チーム作り、セットプレーからのBKだけで攻撃をさせてみた。
すると練りに練られたサインプレーを両チームが披露してくれた。

だが、DFを突破することはできなかった。

理由は?と問うと、誰も答えることができなかった。



なぜ答えられないのかは単純である。

そのプレーの意図が明確でないからだ。


もう少し噛み砕いて説明すると、この時に起こっていたことは、サインプレーを遂行することが目的になっていたのである。

彼らにもう一度問うてみた。

「サインプレーをする目的はなに?」と。


すると、「トライを取ることです!」と元気に答えてくれた。

一概に間違っているわけではないが、サインプレーをおこなってトライを取れるような容易いスポーツではない。


おそらく「サインプレー = トライを取る手段」という認識があるからこそ、一番初めの質問である「一発サインの考案」があったのだろう。


※もちろん1発でトライが取れると楽だし、試合展開を変えることができるので1試合に対して1~2つ用意することはあるが、どれも万能なものではない。
そんなものがあれば、世界中どのチームも使っているだろう。


サインプレーを披露してくれ、トライを取ることです!と回答してくれた彼らに意地悪なことを言ってみた。

「トライを取るためにサインプレーをしたがトライ取れなかったよね。どうして?」と。

すると、沈黙が起こる。



ある種当たり前の反応である。

上述のように目的と手段はかなり密接に関係しており、正しく設定することができなければ、意図した結果は得ることができない。



そこで、セットプレーからも目的はもちろんチームによって、あるいはその時々(時間や点差、メンバー、天候、相手との力量さなどなど)によって変化するが、今回は「オフサイドラインを取ること」が目的だとする。という話をした。

それを考えて、今目的を達成するための手段としてサインプレーを考えて実践するようアドバイスをしてみた。


するとあっという間に目的を達成したのだ。

(どういうプレーをしたらいいのかは、書きたいところですがそこまでは書けないのでぜひ仲間内で話し合ってみてください!)


再度集めて質問をしてみた。


「なぜそのプレー選択をしたのか?」

すると、「目的であるオフサイドラインを取る一番簡単な方法だからです」と即答。


もう1つ質問を投げかけた。

「DF側は簡単だったか?あるいは嫌に感じたか?」

回答は「嫌だと思います。」

「なぜだと思う?」

「1次目で食い込まれているので、その後もDFがしにくいからです」



ラグビー経験者の方であれば、今何が起こっているのかが頭の中で連想いただけるかと思います。




改めて何が言いたいのかというと、

目的と手段は混同してはいけないということ。


さらに、目的を適切に設定することができれば、その手段はびっくりするほど容易に決まり、それは対峙する人・モノがある場合、絶大的な効果を生む可能性があるということ。である。


本来であれば、この続きをもっと書きたいが、おそらく大学のレポート並みの長さになってしまうので、この辺でおいておきたいと思います。


もし気になる方がいればこの続きとして「その次にどのようなサインプレーを考案・実践するのか」についてほんの少しですがアドバイス感覚で書いていますので、気になる方はぜひ読んでみてください!!


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