傍聴記録2 妊娠している女性の覚せい剤裁判

今回から傍聴記録を有料記事として記録を掲載していきます。
今回の内容は、被告人質問、論告弁論まであり、判決は主文のみです。
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※プライバシー保護の観点から固有名詞や住所などはすべて変更しております。

2016年10月31日(月)  xxx号法廷 13:30-14:30
被告人氏名:耳塚絵里子
平成28年(わ)第xxxx号 覚せい剤取締法違反 審理
裁判官:藤沼達郎 書記官:寺岡 泰 検察官:三上真理 弁護人:村田 卓

被告人の特徴:
喋る前に「あー」を付けるのが口癖。薬物の影響なのか常にニヤけているような表情で、どこか様子がおかしい。

裁判官「それでは開廷します。被告人は証言台の前に立ってください。もう1度名前だけ言ってもらえますか?」
被告人「あ、耳塚絵里子です。」
裁判官「はい。それでは前回に続いて審理をおこないます。前回は覚せい剤の使用の事実でしたよね?」
被告人「あーはい。」
裁判官「今回は2回目の事実、9月30日に起訴されたもの。2つ目の起訴状は受け取られていますよね?」
被告人「あーはい。」
裁判官「この事実について審理をおこなっていきます。まず検察官から起訴状を内容を読まれますから、内容を聞いていてください。では検察官から起訴状を朗読してください。」

検察官「はい。平成28年9月30日付け記載の公訴事実。被告人はみだりに平成28年5月10日、東京都練馬区石神井台11丁目89番地26、練馬グランドハイツ103号、当時の被告人方において、覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパン塩類を含有する白色結晶上粉末0.102グラムを所持したものである。罪名および罰条、覚せい剤取締法違反、同法41条の2、第一項。」

裁判官「では、これから検察官が読みあげられた事実について審理を行っていきます。その前に説明しておきますけど、被告人には黙秘権という権利があります。答えたくないことについては答えなくていいですし、ずっと黙っていても構いません。もちろん質問に対して、答えることもできますけど、被告人がこの法廷で話した内容は、有利不利を問わず、証拠となりますから、そのつもりで答えてください。ではさっそくそれを前提に尋ねますが、検察官が先ほど読み上げた事実について、どこか間違っているところはありますか?」

被告人
「あー間違ってないです。」
裁判官「はい。弁護人のご意見はいかかでしょうか?」
弁護人「被告人と同意見です。」
裁判官「はい。ではまた証拠を調べていきますから、被告人は元いた席に座ってください。では検察官、冒頭陳述をお願いします。」

検察官
「はい。検察官が証拠により立証しようとする事実について述べます。まず被告人の身上経歴等ですが、こちらは前回冒頭陳述記載のとおりであります。第2に犯行にいたる経緯および犯行状況等ですが、平成28年5月9日、被告人の交際相手である村上正和が当時の被告人方を訪れたところ、被告人が覚せい剤を使用している様子で、使用した残りの覚せい剤の入ったパケや、血の付いたティッシュや注射器を発見し、片付けなければならないと考え、前記村上自ら持っていた封筒に入れました。同日に姉が被告人の様子を心配して、当時の被告人宅を訪れたため、前記村上はとっさに前記封筒を隠しましたが、最終的に被告人の姉に発見されました。犯行状況は公訴事実記載のとおりであり、平成28年5月10日、警察や被告人の姉から、被告人の部屋から封筒に入った注射器等が発見されたむねの状況提供を受けたため、被告人方に赴いたところ、被告人方から覚せい剤等が発見されました。被告人は前記パケが当初見覚えがない封筒に入っていたため、自らの覚せい剤ではないむね述べましたが、その後、前記村上が封筒に入れたことを知り、自らの物であることを認めました。第3として、その他情状等です。以上の事実を立証するため、証拠等、関係カード記載の各証拠の取り調べを請求します。以上です。」

裁判官「内容を確認させてください。封筒に覚せい剤を隠したというのは、村上さんが隠したということですか?」
検察官「はい。そうです。」
裁判官「冒頭陳述第2の1の2行目のところ、被告人が覚せい剤を使用しているというのは?」
検察官「要は村上が、被告人宅を訪れたら、被告人が覚せい剤を使用している様子で、周囲にそういうものが散らかっていたので、片付けなければいけないということで、村上が片付けたということです。」
裁判官「わかりました。はい。では証拠について弁護人ご意見はいかがでしょうか?」

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