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基本の「き!」新卒採用DR編:①なぜ今、ダイレクトリクルーティング?

新卒採用で聞かれるようになったダイレクトリクルーティング(以降「DR」とします)。様々なツールも増え、このコロナ禍においても、利用企業数、登録学生数共に増えています。また私たちもDRは、次の主たる採用手法になれると考え、企業様の推進とDR採用サポート体制の構築を行っています。

今回は「DRとはどういうものか?」ということの理解を深めていただくため、DRの特徴に加え、サポートしている企業様の声なども紹介しながら、「なぜ今新卒採用でDRに注目すべきなのか」について、ご紹介していきます。

1. DRとは何か?

そもそも、ダイレクトリクルーティング(DR)は何かということからお伝えします。

そのまま直訳すれば「直接型採用」であり、採用形態のひとつとして、例えば以下のように説明されます。

企業が自ら採用候補者を探し出し、直接アプローチする能動的な採用活動

ダイレクト・ソーシング(ダイレクトリクルーティング)とは?中途・新卒採用での活用方法を徹底解説

ポイントは、直接能動的という部分です。

DRでは、今までの採用手法と異なり、何か他のもの(紹介業者やナビサイトなど)を仲介することなく直接、企業側から求職者に働きかけることから始まりますまず企業からアプローチをしなければ、何も始まらない、そういう手法なのです。
一方従来の手法、例えばナビサイトなどでは、情報を開示したら、企業は求職者の反応をひたすら待つだけでした。しかしDRではそのような戦い方はできないため、DRは「攻めの手法」とも呼ばれます。

また、求職者からの反応が直接企業にかえってくるということもDRの特徴です。短期的には、その反応を参考に細かい試行錯誤を重ねることで、よりよい改善につなげていくことができます。また、長期的に考えた時も、求職者からの反応を起点に、採用の戦略の判断材料にもなるという点も、見逃されがちですが、DRならではの長所です。

 代表的な手法

一般的なDRの手法としてポピュラーなのは、スカウトや、社員からの紹介(リファラル採用)や、SNSを利用したソーシャルリクルーティングなどです。いずれも、人材紹介や採用ナビサイトからの応募などといった、従来の採用手法と比べると、まず企業からアプローチをしなければ、何も始まらないという点が共通しています。

新卒採用に関しては、スカウトが主な手法です。そのためこの記事ではDR=スカウトという扱いで、話を進めます。

 DRのメリットとデメリット

メリットに関しては、(1)採用コストが低く抑えられる可能性が高いこと(2)個人個人にあったアプローチが可能なこと(3)出会える人の幅が広がることなどが挙げられます。

特に(3)の従来の手法であれば出会えなかった学生にも出会えるという点は、DRならではの強みです。ナビサイトなどでは、自社の情報をまず見つけてもらえないと学生には出会えません。そのため、企業ができることは、露出度を増やし、学生からの動きをひたすら待つことのみでした。一方DRでは、自分たちから学生が公開している情報を元に、会いたい学生に積極的に働きかけることができます。情報の露出度ではなく、企業がどれだけ適切にアプローチができるかで、成果が決まってくるのです。

しかしこれはDRのデメリット、ないし大変な部分でもあります。例えば「適切なアプローチ」として、「きめ細やかなフォロー」が求められます。このフォローする分の工数の増加は、DRを導入する中でも、一つの大きなハードルと捉えられがちです。また、DRの準備や体制作りの充実度が、成果の質に関わってくることもあります。時間と手間をかけることが、DRの成功には欠かせないのです。ですが、このような大変な部分があっても、DRに挑戦すべきだと私たちは思っています。


2. 今、DRに注目すべき理由

ではなぜ今、DRに注目すべきなのでしょうか?その理由を、クライアントの声などをご紹介しながら、説明していきます。

① ナビエントリー減少への対策として
まずは、エントリーの減少への解決策になりうるという点です。今までのナビ採用でも、一定数のエントリーは見込めるものの、エントリー数自体は年々減少傾向にあります。また、例えエントリーにつながったとしても、説明会等の参加率が低く、学生の質もよくないという印象を抱く企業様からご相談いただくことも多いです。

実際に私たちのクライアントの多くは、このナビからのエントリー減少がきっかけに、ご相談いただいています。ナビからの学生の説明会参加が3-4割減ってしまったという企業様も少なくはありません。
一緒にDRに取り組むことで、エントリー数減少という課題解決はもちろんのこと、会える学生の質にも満足され、結果として脱ナビに成功された企業様もいます。

②新しい母集団形成のための手段を求めて
また、市場の変化により、ナビでは出会えない学生に会いたいという需要に応えられる手法を求め、DRにたどり着いた企業様もいます。

例:IT人材獲得を目指し、DRを始めた広島銀行

例えば、地方金融機関の場合、当地での知名度や信頼度はすでに確立されており、地場企業としての母集団形成には苦労していません。しかし、変化が激しい昨今の経営課題を鑑みると、これまでの母集団とは違う、ITや仕組みづくりに強い理系人材や、それに類いするような人材学生との出会いを求める企業様も。

しかしナビだと、理系人材が就職先として地方金融機関を見つけ出せる可能性は非常に低いのが実態です。募集要項に書いても、まずそれを見つけてもらえないのです。「見つけてもらえないのであれば、こちらから見つけにいくしかない」ということで、新しい母集団形成のための手段としてのDRに注目が集まっているわけです。

③ コロナ禍の追加施策として
さらには、このコロナ禍。多くの学生との接触が見込まれていた3-4月でしたが、半数以上の中小企業が、採用活動を延期、もしくは中断しています(NHKニュース)。

このように、今年の本格期に十分な母集団形成ができてこなかったという場合でも、追加施策としてDRを取り入れることが可能です。実際、今年に限らず、六月前後から追加施策としてDRを取り入れる企業も少なくありませんでした。まだまだ、今からでもDRを使って挽回できるチャンスがあると言えます。

④ 未来の採用に向けて
最後に、きたる未来に向けて新しい手法として取り組みたいという企業様も多くいらっしゃいます。中には、ナビの時代、待ちの採用の時代から、DRなどを用いた攻めの採用の時代への変化を認識し、新しい採用手法として見極めていきたいという声も。その第一歩として新卒採用のDRが、注目を集めているのです。


 DR導入後の反応

さて、では実際に導入されてきた企業様の反応はどのようなものでしょうか。

一番多く聞くのは、学生の質の高さです。DRでは、より就職活動に前向きな学生が集まる傾向があります。その結果、ナビよりもDR経由の学生の方が説明会の参加率が高く、日々の反応に関してもより好感触と感じる企業様が多いようです。

また、新しい母集団形成に効果的だという意見も。これまで獲得できなかった学生のゾーンが取れることで、来年以降の採用戦略も前向きな意味でかわっていきます。来期からナビは必要ない「脱ナビ」に繋がった企業様も多々あります。

 DRの可能性

このような企業様とのやりとりを通し、私たちは今こそDRを導入すべきだと確信しています。採用支援を行う中で感じてきた、未来を向いたDRの可能性を、もっと多くの企業様に体験し、実感し、そして確信してもらいたいと考えています。


まとめ

DRとは何かということで、その特徴や、今DRに注目すべき理由についてご紹介してきました。直接学生に接触できるDRは、母集団形成の新たな手段や、今まで会えなかった学生に会える手段として、このコロナ禍はもちろんのこと、これからの採用に必須の手法と言えるでしょう

未来の、そして攻めの採用手法として、これからますます活用されていくであろうDR。ナビなしでも十分成果を期待できる、新たなメインの採用手法として、挑戦していただける企業の背中を押していきたいと考えています。

次回は、DRで実際に成果を出すために欠かせない準備や体制づくりについてご紹介します。お楽しみに!

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