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人生で交わるはずのなかった人たちにどっぷりハマった一年。〜「ドングリFM」との2020年〜

インターネットはおもしろい。炎上やヘイトが飛び交う殺伐とした2020年のネット界隈において、そう思わせてくれたのがドングリFMだ。しかしパーソナリティであるnarumiさんなつめぐさんへの当初の印象は、「もし学生時代に同級生だったら、きっと友達になっていないタイプの人たち」ということ。僕は子どもの頃から "いかに怒られないように生きるか" を徹底してきた。だからもし二人がクラスメイトにいたら、「narumiくん、もっとマジメにやってくださーい」「なつめぐくんは前提をひっくり返さないで考えてくださーい」とか言っていたと思う。「二人はいつも真剣さとかマジメさが足りないんだよね、プンプン」とか思っていたはずだ。違う星の下に生まれた、自分の人生とは交わらないタイプの人たち。ドングリFMを聞いていてそんなふうに思っていた。

「許可より謝罪」。これはこの回に限らず、ドングリFMでよく出てくるフレーズ。そんな生き方ってアリなの!?と、目から鱗がドボドボ落ちた。

ところが2月、オンラインコミュニティ「裏ドングリ」のメンバーをnoteで再募集するということをきっかけに過去回を貪るように聞き、ドングリFMの不思議な魅力にハマっていく。自分と似ていないからこそ、惹かれる。自分が持っていないからこそ、近づいてみたくなる。人生にマンネリを感じ始めていた三十代半ば、何か新しい刺激をもらえるかも知れない、という淡い期待と勢いだけで「裏ドングリ」に参加してみることにした。そうしてあっという間に、普通に生きていたら交わらない人たちが僕の生活の一部に組み込まれた。そんなドングリFMとともにあった2020年を振り返りたい。

初めてお便りが読まれた4月

およそ5年前に配信された初回放送から順に聞いているうちに、ふと湧いた疑問。narumiさんは毎年「買って良かったもの」を発表しているけど、果たしてその後ちゃんと使い続けているのだろうか。そんな思いつきから初めてお便りメールを送ってみたところ初採用!丸々一回分として使ってくれ、ニヤニヤしながら聞いた。十代の頃、深夜ラジオに投稿したり、雑誌の読者コーナーに投書して採用された喜びを思い出した。これが配信されたのが4月の上旬。緊急ナントカ宣言が発令されたタイミングで、仕事で携わっていた案件のリリース日が延期になるなどバタバタしていた時期だった。

ラジオネームは「しっかりとちゃっかりは紙一重」。

生活の中に溶け込むドングリFM

2020年は自分史上、最も仕事が大変な一年だった。特に4月〜5月の2ヶ月間は完全に在宅勤務だったので、社内外問わず打ち合わせはすべてオンライン。普段とは異なる大変さがあったことに加えて、大きな案件に携わっていることへのプレッシャー、全然集中できず一向に進まない仕事、それによって生まれる大いなる不安。すべてが悪循環で、ただただソファに横になっているしかない……というときに、唯一の心の拠りどころとしてドングリFMがいた。過去回をひたすらじっと聞いていた。(2020年の暗黒期)

「面接官の心得」を速攻で答えてくれた6月

6月からは通常出社するようになり、同時に仕事の忙しさもますます加速。会社での立場が中堅にもなってくると実務をただやればいいのではなく、会社運営にも駆り出されることが増えてくる。ちょうど新卒の採用活動が始まった時期で、一次面接の面接官を初めて務めることになった。一方で実務が忙しく、面接官としての準備をする余裕なんて全くなかった。困った。こんな時こそ、ドングリFMを頼ってみよう!とメールを送ったのが面接日の一週間前。下心たっぷりで具体的な日付を書いたこともあってか、すぐに収録→配信してくれて、無事、前日に聞くことができた。ドングリFMならではのスピード感。お二人の優しさに触れた瞬間であった。

「見るより、見られる場」。肝に命じて、面接官を務めた。

意識の高さが「程良い」ポッドキャスト

ドングリFMを表す言葉としてよく「ゆるいポッドキャスト」といわれることが多いが、言い得ているようで、個人的にはちょっと違う気もしている(「ゆるい」と思われるのは多分、BGMが要因なのでは……)。ゆるい人は、「さっと始めてみる」と思わないだろうし、コンフォートゾーンにずっと居続けて現状維持に努めているはずだ。かといって、ゴリゴリに意識が高いわけでもない。熱すぎず冷たすぎず、言わば、適温。"程良い意識の高さ"が、ドングリFMなのではないか。

その思いを強くしたのが、8月に配信された【614 仕事にストレスを感じたら「心のAirPods」をつけよう】。「仕事でストレスを感じにくくする工夫はありますか?」というリスナーからのお便りへの回答が、グサグサと心に刺さった。ちょうど自分自身も仕事がピークで、精神的に最も疲弊していた時期。まさに同じ悩みを抱えていたので、このエピソードには心底救われた。

「自分一人ががんばって出来ることって、たかが知れてる」

「どうにもならないこともあるから、しょうがない」

「自分に与えられた仕事と、自分の人生は切り離した方がいい。同一視しない方がいい」

意識が高いだけが正義じゃない。がんばりすぎない生き方があっていいと励まされ肯定され、そっと背中を押された回だった。

人生は続くよ、来年へ

こうして振り返ると一年を通じて、僕の生活の隣には常にドングリFMがいた。裏ドングリに参加しているからそれは尚のことで、メンバー限定のSlackを毎日覗いては、リアクションボタンを連打している。そして今では、日常生活で迷いが生じたときや、仕事で行き詰まったときには、narumiさんだったらどう発想するか、なつめぐさんだったらどう行動するかという視点で考えるようになってしまった。人生で交わらないどころか、すっかりドングリFMのDNAが自分の体の中に息づいている。

結びに

このエントリは【ドングリFMリスナーの Advent Calendar 2020】21日目の記事でした。

こうも褒める記事ばかりが続くと、裏ドングリメンバーを中心としたステマ企画のようにすら感じてくるかも知れませんが、そういったことは微塵なく、リスナーそれぞれが思い思いの視点で「好き」を深めて、その「好き」を自由に語れる番組が、ドングリFMなのです!

100の記事より、1エピソードを。

600を超えるエピソードの中で、ふと目に止まった回を軽い気持ちで再生してみてください。なんと言っていいかわからない不思議な魅力にきっとハマるはずです。

おまけ

なつめぐさんが「ローソンの100円ビールが、めっちゃ普通にビール!! 普段プレモルかヱビスを飲んでるんだけど、違いある!?ってくらい美味しい!!」と大絶賛していたので、そのエピソードを公開収録(@配信)した翌日に早速飲んでみたこともありました。……が、僕にとってはやっぱりプレモルとは違って、しっかり発泡酒の味がしたけど(笑)、フルーティで飲みやすくビールの苦味が得意ではない人には良さそうでした!

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会社帰りに購入して、公園で星空を眺めながら飲んでみた、の図。
ドングリFMリスナーは、思い立ったらすぐに試しがち。

新幹線でおいしいビールが飲みたい!