見出し画像

#9 私がドバイで働くまで【4/6】(ホンダ退職編)

こんにちは、キヨです。

2回に渡り、ドバイの魅力として生活編労働編について書きました。

話を戻して、私がドバイで働くまでの経緯に話を戻したいと思います。

-全6回 私がドバイで働くまで-
第1回 現地就活 実体験編
第2回 現地就活 考察編
第3回 なぜドバイ編
第4回 ホンダ退職編 (←今回)
第5回 青年海外協力隊 赴任中編 (予定)
第6回 青年海外協力隊 赴任前編 (予定)

今回の話では、ドバイに行く前の日本で働いていた本田技研工業の退職する際の流れとその時の私の気持ちを書いておきます。
今回は海外就職のノウハウとかではなく、単純に退職への心持ちのような話になります。
私は次の仕事が決める前に退職しました。 なぜ転職活動より先に退職したのかという点は以前に「第2回 現地就活 考察編」の中で記事にしていますのでそちらをご覧ください。

*本記事では下記を省略しています
戦略的退職: 次の転職先が決まる前に退職すること(勝手に命名)
ホンダ:   本田技研工業株式会社
協力隊:   海外青年協力隊

目次

・ 自分の意志の弱さを考え (ホンダから駐在の道は?)

私は海外で働くために、戦略的退職を決意しましたが、聡明な読者でなくともホンダから駐在員で行けば良いのでは?という声が聞こえてきそうです、、、

手を上げ、足を上げ、海外部門の方に直接電話をし、自分なりに八方手を尽くしましたが、ダメでした。自分の運の無さと能力の無さを悔やみました。。。

ホンダには社内公募制度があり、人手が欲しい部署がホンダグループ全社で応募を募り、書類と応募先部署上司の面接で合格すると、自部署の直属の上司の承認不要で異動ができるという素敵な制度です。

私は入社時点で現場配属と決まった時からこの制度を使おうと考えていましたが、入社して3-5年は利用できないという条件があります。ただ、入社後すぐにリーマンショックが起こり2009年より本制度は凍結されずっと利用できない状況が続きました。協力隊から帰国した2017年には解禁していましたが、復職後1年間は本制度の応募資格が無いという条件でした。

復職後、資格はないものの社内公募の案件をチェックすると、海外案件がその時と前回で募集が出ていたので、私がホンダから海外に行く道は、「退職を見送り制度を利用する」か「通常の人事異動に希望を託す」の二択でした。復職後1年以内に都合よく人事異動の話がくることもなかったです。
私は退職を見送ることもせず、制度の活用を諦め退職に踏み切りました。

これは私が「協力隊から復職後1年以内に海外に携わる部署に異動できなければ退職する」と、自分で期限を設けていたのが理由です。なので、ホンダから海外に駐在で行けないわけではなく、単純に私がその機会を手にできなかった!ということに尽きます。

私は自分の意志の弱さを理解しているので、協力隊が終わってから間を空けすぎると転職しない言い訳を自分で探し始め、異動ができなくともずるずるとホンダに残り働き続ける可能性を危惧してました。なので、ホンダで模索するのは復職後の期間を1年と定めていました。

・ 自分の道は自分が責任を持つ

1年間、社内での異動に足掻きましたが駄目だったので、退職へと舵を切る準備を私は始めました。(ほぼ諦めていたので復職後から考えていました)

舵を切ると言っても、私にとって一番重要なのはその行動を起こす(自分のスイッチを押す)ことです。大きな岐路に立ち、行動を起こす際皆さんも同じかと思いますが、私はその理由付けが必要な過程となっています。

どういうことかというと、
「ホンダで駐在として行く」「転職して海外で働く」この二つを比較し、私の中で後者のメリットを自分に示す必要があります。

入社当時から現場を出たいと考えており、手を上げ続けましたが、結局は大企業のいちサラリーマンなので、大きな人事の流れに身を託すしかなく、異動ができるかどうかも自分の上司が気にかけて人事に掛け合ってくれるか否かという他人(ひと)任せな状況でした。

私は協力隊前の8年間及び復帰後の1年も併せて遅まきながら気づき・理解したのは、自分の道を他人に委ねていたということです。

会社で自分のキャリアを他人任せにしないというのは、
組織の核であるじを理解し、
社内政治を的確に行い、
仕事としての能力も併せ持った化け物のみが
大きな組織で自分の歩きたい道(キャリア)を会社に準備させ、歩くことができると思います。つまり、自分で自分の人事権を実質握っているような状況です。
もちろん昇進も早いし、かつ自分が行きたい(進みたい)異動先へ行けるように誘導するのです。

これって滅茶苦茶すごいことです。
単に目の前の仕事を完璧にこなすだけでは足りません。私はそれに気づけずに目の前の仕事を頑張っていればいつか誰かが見てて、、、などと甘い考えでした。

では、どうやったら自分で人事権を握れるのか?
一つは上記の様に自分の上司の信頼を得た上で、行きたい先の部署の部長クラスと懇意になり、人事課長以上の人を籠絡する必要があります。自分で書いていてひどく現実的ではないと思います、、、

もう一つのやり方は、転職だと思います。「働く内容」を自分が選びたければ、中途でその部署に対して直接就活を行う。私のように「海外で働く」というのが主軸であれば転職で海外にある部署に直接就活を行うことになります。

今まで他人任せだった自分の人事権を社会人になって11年目にして取り戻しました。

今後は会社が与えてくる条件と自分の市場価値を照らし合わすことで、自分でどういう方向で自分のキャリアを築くか、そしてどこを拠点にするかという2つを自分の中にいる人事部と相談しながら決めていこうと考えています。

・ 転職を経験したい(未知→経験済みにするため)

私は高校生の時と専門学校生の時は色々バイトの経験はありますが、あくまでバイトとしての経験しかありません。20歳の時に新卒としてホンダに入社してから、一度も転職をしていませんでした。
日本では少しずつ転職市場が以前よりは賑わってきていますが、未だ以前の私のように転職未経験者という方が圧倒的多数かと思います。

私は転職未経験の為、自分の労働市場での価値が分かりません。ホンダより良い条件で働くことができるのか、ホンダを辞めたら劣悪な会社しか拾ってもらえないのか、、、

高校の友達で社会人5年目にして既に5社目という毎年会社を変えている友達がおり、当時彼に「転職って怖くないの?」と聞いたら、「慣れた」という回答をもらい驚きました。

仕事でも慣れない内や未経験の業務を振られたら、できるか分からずに不安だと思います。分からない→不安→恐怖と繋がるのが人間だと思うのですが、転職という事案も慣れるという友達の言葉には当時衝撃を受けました。

私は協力隊から復職してすぐ出世のレールに再度乗せてもらったので、ホンダでも出世の道が閉ざされたわけではありません。

ただ、もし自分が40歳になったときにそれ以上の出世が絶望的となり、もっと稼ぎたいならどうする?と考えた時、
ホンダでの出世がないので転職しか道はないのですが、40歳時点で転職の経験が無い自分がそれに踏み出せるのだろうか?私には現実的ではないと思いました。

その為、このタイミングで転職を経験しておくことは自分の長いサラリーマン人生において必ずプラスになると考えました。

私はまだ一度しか転職の経験が無いので、まだまだ転職は怖いですがホンダにいた時よりは転職を身近に感じています。

・ 10年後の自分からの視点

最後のポイントとして、私は自分の人生における大きな岐路に立つとき、10年後の自分を想像し、「10年後の自分からみてどっちがカッコいいか」というのを重要な判断材料にしています。

以前同様の話を知り合いとした際にその人は、「どっちが自分の琴線に触れるか」というのを指針にしていると聞きました。
言葉のチョイスがカッコいい(笑)

でも、私は今も変わらず、「どっちがカッコいいか」としています。あまり難しい言葉より、簡単な言葉の方が自分の心からの言葉をより素直に拾えると考えているからです。

私は、
ホンダで10年後の40歳で順調に出世していれば、このくらいの地位か!というのと、
まだ見ぬ海外で働いている40歳の自分を比較した時に、
海外で仕事している自分の方がカッコいいなと思いました。

・ 準備ができたのでいざ退職

ということで、退職願いを書き、直属の上司に提出し、3ヶ月先の退職の旨を伝えましたが、なんやかんやで伝えてから退職まで半年待つことになりました。

日本は法律上2週間以内の退職願いは認められていませんが、長くお世話になったし、現場を知っていればそんなすぐに言われても困るのは分かりますし、何より当時の上司は本当によくしてくれたと感じていたので、半年先に延ばすのを了承しました。

結果的には後悔している面もありますが、まぁ良いかなと今になれば思っています。たらればを話しても仕方ないですからね、、、

退職願いを書いて持って行った日はビクビクして退職の旨を話せませんでしたし、翌日勇気をもって上司に話した際も滅茶苦茶声が小さかったかと思います、、、

退職に限らず転職でもその旨を伝えるのは勇気のいることだと思うので、ビビっちゃうという方がいれば、私も同じですよと伝えたいです。

・ 最後に

私は自分の中で転職にあたり戦略的退職しか自分の進みたい道が切り開けないと考えたので、実行しました。

ちなみに、次を決めてから退職することの方が勿論スマートです。

能力が乏しいと自認していたからこそ、の戦略的退職です。

転職後の現在の給料では満足した生活は送れていませんが、当時の自分の決断に不満は全くありません。

同じ会社で働き続けているとどうしてもなぁなぁになってしまうところもあります。なぁなぁで働けるようになっている状況自体は、上手に仕事を回せているともとれるのですが、私はもっと仕事上で学びを得て自分自身の成長を描きたいと考えました。
同じ会社で働いていても勿論新しい学びはありますが、違う環境に身を置くのと比較とするとどうしても学ぶ量が少なくなります。

雑多になんでも学べばいいというわけでもなく、その先を見据えたキャリアを自分で築き、それに向けて必要な事を学ぶことが重要です。

大きい会社で働けば、異動を経験し色んなことを学ぶのは会社の人事が用意したキャリアアッププランです。
私は会社から人事権を自分に取り戻し、これからは自分で自分のキャリア形成をする必要があります。

私は次の仕事を決めずに退職しました。同じ経験をした多くの方々が私と同じ葛藤、そしてそれぞれの不安を感じ味わったことかと思います。
でも、それを通して改めて自分の人生と向き合うことができたと思います。

仕事とはあくまで、生きるために働いているだけで、仕事の為の人生ではない。とひとつ前の記事で書きました。

ですが、仕事が人生の中で大きな割合を持っているのも事実かと思います。

なので、その仕事を通して自分の人生と向き合うこともできると思っています。

どうやってお金を得るのか?自営・起業なのか、雇われ・扶養なのか。人生に与える大きな要因の数はそんなに多くないと思います。大きな要因の一つとして「どうやってお金を稼ぐのか?」というのは入ると思いますし、稼ぐ手段の中では、被雇用者が圧倒的多数だと思います、私自身そうです。

私は被雇用者の中でも海外という労働場所という条件の重要度を上げ、転職に挑みました。どんな理由のどんな転職でもそれは挑戦だと思います。

転職する際に逃げの転職は良くないとかいう人がいますが、そもそも何ひとつ不満が無ければ転職しないので、そういう人には何を言っても逃げと捉えられてしまいます。

私は(転職希望者の)皆さんの転職を応援しています。


スキ、フォローやコメントいただけるとモチベが上がるのでもしよければポチっとお願いします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?