見出し画像

街のきらめきを、ぽっかりあいた心の中へ。


最初からわかってた。


この人を好きになったら、たくさん泣くんだろうなって。でもね、そう思ってしまったときには、だいたい遅くて。目はその人を追っている。


いつもなら、その目は合わなくて
残念ながらがりながらも、少しホッとしたりなんかするのに。


あなたとは、目が合っちゃったんだ。


♦︎♦︎♦︎


誕生日も聞かれなくて、バレンタインやクリスマスの予定も気にされなくて。それでも、可能性は捨てきれないなんて、ほんとに呆れちゃう。


当日まではドキドキして。過ぎてしまうと、たくさんの言い訳を自分でならべて、納得しようとさせていた。


あなたが一言でも突き放す言葉を投げかけてくれれば。特定の誰かをあなたの隣に認識するようなことをほのめかしてくれれば。


たくさん泣いて泣いて、あなたを恨んで。あなたへの想いを抱えたままでも、離れていけるのに。そうすることすら、許してはくれなくて。


都合のいい理由をならべている時点で、もうダメ出しなんだろうなぁって頭の片隅あっても。手放せなかった。


とびっきりの笑顔が素敵で。一緒にいるときには、誰よりも優しくて、甘くて、ほんとに幸せだったから。わたしには、毒だったのかな。


♦︎♦︎♦︎


恋なんて、愛なんて。
たくさんの人が語ってきたのであろうこと。どんな偉人たちも、恋や愛の前にはひとりの人間だったというのであれば。凡人のわたしは、狂わされるようになったとしても仕方ないのかもしれない。


あのときはしんどかったなぁって今でも思う。あなたに会えたから、なんて言わないよ。あなた以上の人を見つけようとも思わない。


今は、ただただ自分を取り戻すかのように、ひとつひとつをたどるように、自分のことを知っていくのが、楽しいんだ。


リセットボタンを押したように、綺麗にストンと理解できた訳じゃないんだけど。
ぐちゃぐちゃになってから、ボーゼンとした頭で思ったんだ。


あなたがいなくても、どうしようのない私であっても。今からまた生きるんだって。
そう思えたから、今のわたしがあるんだよね。


♦︎♦︎♦︎


クリスマスの装飾された街並みを、あなたと歩けたらよかったなぁって願っていたことをほんのり思い出す。


でも、もし一緒に歩いていたら。あなたしか見えてなくて、きっと周りの綺麗な装飾なんて、目に入らなかった。


ひとりだと寂しさが募りやすいと言われること季節。わたしは、たくさんのきらめきを、心のなかにひろっていく。あなたへの想いが黒くぬりつぶされて、ぽっかりと空いたところへ。


どうせ、何かでうめたくなってしまうのなら、きらめきがいい。あたたかさがいっぱいのきらめきが。


今、存分に味わうこの時期の素敵さを、わたしは忘れない。


いつも読んでくださり、ありがとうございます♡