一歩踏み出して管理職にチャレンジした時の話
はじめに
これは、子育てエンジニア Advent Calender 2020 2日目の記事です。
私のこと
3人の子供を育てながら、京都の製造業で社内SEとして働いています。新卒2年目で電撃できちゃった結婚〜出産。3回の産休・育休をとり13年働いた前職でのお話です。
働きかた
最初の育休が明けてからずっと、残業・休日出勤ほぼゼロ。祖父母が遠方ということもあり、会社からも優しくしてもらえる有り難い環境でした。
仕事は辛いこともあるけど、根本は大好き。新しいこと学ぶのは楽しいし、自分の作ったアプリで誰かが楽になれた瞬間ったらもう、嬉しくてしかたない。
残業考慮して貰いながら、新しいことにチャレンジも出来る。ほんとに「有難い」っていつも思ってた。
今思えば「それが普通」であるべきなんですが。
中小企業だし、何か「それってめっちゃ有難いことだよ!」と自分に言い聞かせてた。
上司
3人目の育休が明け社歴10年となった頃。大きなプロジェクトを任され、会社の経営陣(社長の息子)とも軽口を叩きつつ熱い議論ができるような関係でした。社内のいろんな問題を見つけては「あーでもない、こーでもない」「こうあるべきだよね」「この障壁がクリアできれば」なんて。
たまに彼はいつもの軽口の延長で
「なぁ、生産管理部の課長になって、俺と戦おうや」
「情報システム部の課長やらへん?」
と言うことがあった。
私の返しはいつも同じ。
「いやいや、私なんて」
「またー、冗談ばっかり!」
「そこ、いっちゃいますか(笑)」
そう、茶化してたんです。
彼は、笑ってた。
転機となる本との出会い
2月。毎週家族の誰かがインフルエンザ感染という地獄に。学級閉鎖なんかもあって、結局1ヶ月のうち5日しか出勤しなかった。
熱が下がって暇な小学生のために、図書館に通った。
ついでに選んだ自分のための本に、私の価値観は大きく変えられた。
LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲 (日本経済新聞出版) https://www.amazon.co.jp/dp/B00KAUXBNS/ref=cm_sw_r_cp_api_HRsSFbJHZT420
FacebookのCOO、シェリル・サンドバーグの書籍。
ぼんやりと「アメリカって日本よりも男女の差がすくないんだろうな」「シェリルは雲の上のようなデキる存在だろうなー」と思ってた私の先入観は見事に打ち破られた。
シェリルも私たちと同じように「こんなに目立ったら女性として嫌われるんじゃ無いか」と周りの目を気にしていたし、「なんて自分ってダメな母親だ」と悩んでいた。アメリカのハイソな女性も、平凡な日本女性も悩むポイントがそう変わらないことが衝撃的だった。
シェリルが転職した際に賃金交渉を「しなかった」ことを弟に咎められるエピソードがあった。同じシチュエーションで、男なら必ず賃金交渉するのに、なぜ姉さんはしなかったのかと。
シェリルは「こんな私を雇って貰えた、それで十分だと思っていた」から賃金交渉をしなかったが、弟のアドバイスを受けて考えを改めた。そして交渉することで相手からの評価も上がった。
自分を振り返って見つけた不整合
ふと自分を振り返ったとき気になったのが、あの上司とのやり取り。そう社長の息子からの「課長にならへん?」ってやつ。
「あれ、もし私が男だったらどう返しただろうか?」
そんな風に冗談めかして誤魔化さない。変な遠慮しない。失敗を恐れて、チャンスを自ら棒に振るなんて、バカだ。そもそも自分に期待してくれている上司に対して失礼でしょ。
「じゃあ、なぜ私は遠慮したの?」
女だから?それは違うような気がする。
自信がないから。「自分にはまだ早い」と思ったから。
「何で自信がないの?早いって、じゃあ、いつならOKなの?」
だってトラブルがあっても責任取れない。残業して最後まで残れない。
「え、責任って残業することなの?」
「今まで、定時内で生産性を上げることを10年も掲げて心中では残業漬けの人を馬鹿にしてきたのに、結局責任=残業って思ってるの?」
「子供たちが全員中学生になって残業可能になったら、あなたは残業たっぷりするわけ?それが目指す姿なの?」
そんな訳ない。そんなの目指してない。
そうなんです。ここが私の不整合。
とどのつまり
今は「子供が小さいから」を大義名分に残業しないけど
子供が大きくなったからって、私は残業したくない。
だったら「私にはまだ早い」はおかしい。
とどのつまり、私は失敗して上司、周囲に嫌われるのが怖かっただけなんだ。それに気づいたら「なーーんだ!」だけど、私にはこういう思考のクセがあると思うとちょっと怖かった。
失敗を恐れて、無意識に良くない選択肢を選ぶクセがある。それって結構怖いこと。頭では「リスクを取らなければ成功は得られない」って分かっていながら、リスクを取らないつまんない人生を無意識に歩むところだった。
結末
3月の面談で、思考の変化について話した後に「あなたの期待に応えて、課長にチャレンジしたい」ことを伝えたら、上司は私の選択をとても喜んでくれた。
管理職として働いた期間はすったもんだで本当に大変だったけど、やりがいのある充実した時間だった。一番成長できたと思う。
おわりに
「女の子らしく」の先入観から、女性は保守的になりやすい。だって「女の子らしく」なかったら嫌われる。「母らしく」なかったら疎まれる。
先入観って怖い。無意識領域に勝手に入り込んで、重要な決定をしてしまう。そんなのもったいない。
どうか私と同じように「子育て中の身で、、、」とチャレンジを諦める人がいれば、少し自分を疑ってみてほしい。それって本当に「子育て中」が理由なのかなと。
案外違う理由かもしれないし、きっとチャレンジできますよ。
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