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男子スポーツ選手にも多い「拒食症」はどうしたら防げる?

今日は気になるnoteを見つけました。

高校生のラグビープレイヤーの方による、「ご飯食べられなくなった事変」です。

中学2年生のときに「食べなければいけない」という強迫観念から拒食症状態になってしまったという辛い経験が綴られています。

スポーツ選手の摂食障害というと、女性アスリートの問題のように言われています。

確かに女性アスリートの摂食障害有病率は20.1%と非常に高く、問題になっています。

ですが、実は男性アスリートでも7.7%と一般人よりも高い有病率になっているのです。
※スポーツにおける摂食障害レポート(UKスポーツ)より

今回はあまり問題になってこなかった男性アスリートの摂食障害について、簡単に解説しつつ、予防する考え方のヒントをお伝えします。


とにかく食べることを要求されるラグビー部

引用元の仲山さんのnoteにもある通り、ラグビー部というのはとにかく食べることを要求される部活である、というのは私も自分の高校でラグビー部員を見ていて思い知りました。

彼らの弁当箱は2つ、3つが当たり前。
しかも弁当箱1つのサイズが普通のよりも明らかに大きい。
1限目が終わっては1つめを食べ、2限目が終わっては2つめを食べ…

とにかくひたすら食べることが当たり前。


自分もバドミントン部で「女子でもご飯2、3杯くらいは食べなさい」とは言われていましたが、強要されるものではありませんでした。

そのため、当たり前のように「食べなきゃ!」「体重増やさなきゃ!」と言いながら食べ続けるラグビー部員に衝撃を受けたのを覚えています。


食べることが強迫観念になっていないか?

自分の高校のラグビー部員はどちらかというと、楽しげに競うように食べていたので、特に苦しそうには見えませんでした。

他人だからそう見えていただけなのかもしれません。

人にとって、お腹が空いて食べるのは当たり前のことです。

ですが、「食べなければいけない」という強迫観念に取り憑かれたとき、それは「食べられない」という最悪の事態を引き起こします。

「食べてはいけない」という強迫観念からも拒食症を起こしますが、「食べなければいけない」というのも拒食症に繋がりうるというのはイメージがつきづらいかもしれません。

ですが、どちらの強迫観念も「食べることが苦痛に変わる」という点では共通しています。

「選手として強くなるために食事に気を遣う」

これ自体は悪いことではありません。

ですが、それが強迫観念に変わった時、病気を引き起こし、選手生命の危機に陥ります。


「食べる」も「食べない」も焦らず、少しずつ

強迫観念が病気を引き起こすのなら、対策はあるのでしょうか。

引用したnoteでも書いてくれていますが、

「焦らないこと」

これに尽きます。

具体的にいうと、「今より食べなければ!」と思ったとしても、いきなり増やすのではなく、

「きょうは茶碗半分多く食べられた」
「明日はもう半分増やしてみよう」

こんな感じですね。

もっと少しずつでも良いんです。

「食べられるものから食べようね」

この考え方が重要。

できることだけをやっていても成長しない。それは確かです。

でも、無理をして食べられなくなって選手生命の危機に陥ったら競技を続けることすらできません。

一つ一つ。少しずつ、です。

この考え方は、選手時代に拒食症を克服し、現在はプロフィギュアスケーターとして活躍されている鈴木明子さんの著書で学びました。

今、選手として伸び悩んでいたり苦しんでいる人には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

彼女がどのようにして辛い時期を乗り越え、最年長のオリンピアンとなったのか、赤裸々に綴られています。


スポーツ指導者に考えて欲しいこと

今は昔と比べたら、無茶な要求をするスポーツ指導者は大きく減っています。

ですが、結果的に選手を傷つける言葉を投げかける監督やコーチは今もいますし、それによって選手生命を絶たれる若者もいます。

特に食に関することは、本人の生命にも関わってくることです。

強要する前に少し、考えてみてほしいのです。

今、要求される食事が食べられないことよりも、選手としてのキャリアをストップすることのほうが、ずっと大きな損失ではないでしょうか。

選手自身が焦らないことが一番ですが、指導者が焦らないことが最も重要だと思います。

若いうちに必要以上の無理で、選手生命を絶たれる人は一人でも減らしていきたいですね。


今日も最後まで読んでいただき、有難うございました。

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