朝見た夢とさっき知ったニュース
夢を見るのは目覚める直前という話を聞いたような気がします。今朝、私はチューリップのコンサートへ行く夢を見ました。あまり公言しておりませんが、1964年生まれの私にとって、人生を変えるまでの大きな衝撃を受けたのは『心の旅』(1973)でした。テレビの歌番組でバンドというものを初めて見たのがチューリップであり、この曲の演奏でした。9つか10の子供でしたが、それまでに児童合唱団に所属したり、オルガンやピアノを習っていましたので音楽との関わりは既に深いものでした。それまで、レコードは主にピアノ独奏のクラシックを聴いていました。
ギターという楽器は姿形を知っていたと思うのですが、身近ではありませんでした。弾いてみたいと思ったのもこの時ですが、手にするまでには数年待たねばなりません。しかしもっともっとポップスが聴きたくなってラジオ少年になります。すでに合唱団を経てのピアノのお稽古も辞めていました。ですが、どうしてもまた音楽を実践する場が欲しくて、少年合唱団へ入団します。これは高校受験の準備が本格化する前まで続けました。
このような暗中模索の時代、お小遣いをはたいて買うレコードはチューリップ(初めて買ったLPレコードは"エクソシスト"に魅せられてマイク・オールドフィールドの"Tubular Bells"でしたが)、いずれ興味の対象がインストゥルメンタル、即ちベックの"Blow by Blow"をきっかけに"Breezin'"やらそうしたものに移行しても(もちろんサディスティックスも含まれ)、真に愛していた心のよりどころは財津さんやチューリップの音楽であり、それは成人しても変わりませんでした。
彼等のコンサートへは幾度か、そう多くない回数、足を運んでいますが、今朝の夢は、財津さんの引退が宣言されラストとなるパフォーマンスを見ようと、覚悟を決めて参戦するシーンでした。何かのトラブルで開演が遅れに遅れ、ついぞステージを拝むことなく私は覚醒しました。
会場へ向かうその前の自宅では母も、その夢の中におりました。24年前に膵臓癌で他界しておりますから、それ以前の若い時分ということになります。今朝の寝起きは、通常より早い時間、かつセットした目覚ましが鳴るより前でしたが、近頃にしては珍しく震えるような哀しみを伴うものでした。
ですから、こういうのはなんとなく嫌な予感を抱かせるものです。このところの訃報続きには心が痛みますが、仕事を終えて帰宅してネットニュースを見て衝撃を覚えます。同じ福岡出身の偉大なアーティストが身罷りました。ご冥福をお祈りします。
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