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私たちの夜はくるしい

ぐるぐるにかき混ぜられる胃を抱えて夜を泳ぐ。外では雨が窓を打って鼓膜をひっきりなしに揺らす。

眠剤を持たない私は「眠いのに眠れない」矛盾を孕みながらさっき食べたそうめんについて激しく後悔している。

眠れない夜に付き合ってくれる者はなく、特にやりたいこともなく、SNSのタイムラインにはとうの昔に飽きていて、やりかけのゲームがSwitchに溜まっている。

夜の闇を飲んだ私たちはくるしい。スプーンで渦を書き混ぜればうまく溶けきらなかったクリープがいびつに吸い込まれていき、星が消滅する。本当の闇が訪れる。今日私に接してくれた人たちのことを思い出してみなとても優しかったなと思う。そういえばあまり他人に優しくしたくて優しくしたことはないなと気付く。

喉の奥から胃酸を感じる。胃液と混ざり吐き出された夜をトイレに沈めながら、ばいばいまたねと言う。夜はよりいっそう更けていく。

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編集者・ライター | 生や生殖について書かないと生きられない | 連絡先 1103kauderni@gmail.com | Twitterが住処
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