12/25 Christmas

論文の進捗がヤバすぎて口から吐き出した長細い肉片がどこまでも長く止まらない方の恋々です。

論文が終わったらやることリストを書いたら結構な量になってしまい、追い詰められている時こそ発揮する人間の能力の真価について考えています。進捗が進捗なので今年の更新は今日が最後になりますかね。良いお年を!(効果音)


クリスマスですね。キリスト教がそこそこ身近なのでキリストの生誕というイメージがつよつよなのですが皆さんはどうでしょうか。自分の行ってた教会ではキリスト生誕劇をやるなどというイベントはありませんでしたがもしも自分が主催のキリスト生誕劇をやることになったら一番これだという人間にヘロデ王の役割を与え、彼が叫ぶ幼児虐殺の御触れに合わせてでかい鐘をガンガン打ち鳴らしたいです。

クリスマスといえば大きなイベントなだけあってこれにちなむ文芸作品は古今東西にありますが、一番好きなものは何でしょうか。一番は決めかねるのですが私はバレエのくるみ割り人形が結構好きです。舞台で見たこともCDを聞き込んだこともあり、思い入れが大変強く、先日夕食時に家人が海外公演のDVDを流していてついつい見惚れてしまいました。色んな要素がぎゅっと詰め込まれて、大人も子供も楽しめる味わいなのがとても素敵ですよね。色んな国の人びとが現れて、バレエ風にアレンジされた各国の踊りを披露するのなんてとても素敵です。どのDVDだったかはちょっと忘れたのですが、おそらくクリスマス公演で招待されたと思わしき少年少女が舞台上映前に観客席で楽しみに待ち侘びる様子がカメラに写されていて大変和やかな気持ちになりました。

クラシックに触れてきてはいたものの幼い頃はバレエというものがあまりよく分からなかったのですが、年々歳を取るごとにその魅力が理解できるようになってきたような気がします。どんな伝統芸能、どんなクラシックにも言えるのですが、一朝一夕では獲得し得ぬ技術とセンスがその身体の中に詰まっていて、ある種の究極の美への探究であり、そのほんの一滴を見れるということがなんと価値あることか!特にバレエは生身の人間の、人間離れした躍動に見惚れるものであります。シルエットが美しい人間というのはあれを指すのでしょうね。

そんなわけでクリスマスで一番好きなコンテンツが何かはわからないものの、バレエで一番好きなのはくるみ割り人形です。バレエ見たことないよ~って方にもおすすめと言えるでしょう。ウム。何っそなたもしや白鳥の湖しか知らんのか?ブラックスワンは名作だからな~。


有料部は他の伝統芸能の話。

不器用に恋々という名前がついたと言わしめるほど私は身体能力が低く目も当てられないのですが、当然他人の身体を見るときもよう分からんな~という感じだったわけです。先日バレエを見た時、その体幹なり姿勢なりがはっきり分かるようになっていて驚いたのですが、多分これは数年前に能楽にハマっていたからなんですよね。

数年前ですが少しだけ能楽を習っていたことがありました。忙しさと病気があり次第にやめてしまったのですが、二回ほど舞台に立たせてもらい素謡と舞をやらせていただき、その時人間の身体の動きというものをはっきり自覚したような気がします。ちょうどその頃芸術鑑賞としても能楽にハマり、休日ともなれば京都や大阪の能楽堂に向かっては色んな能楽を見て楽しんでいました。古典の美しさ、物語性や舞台の張り詰めた空気感もさることながら、それを演じる人々が、多くを積み上げてできているのだとわかってしまえば、色んなものに通いたくなってしまうものです。能楽もまた、一朝一夕では完成しないものです。伝統芸能はきっとみんなそうなのでしょう。今舞台に立つ人々は、芸によって生計を立てているけれど、そこに至るまでの道筋を思えば、多くを犠牲にし多くを学び続けている。それは想像を絶するものです。

鑑賞者の視点に立った時、どうしてもそうした「特別な力を持った努力した人」は尊敬しつつもどこか羨ましくなってしまう。自分にそれだけの場が与えられたとて、そこまで努力できるかと言われれば無理な気もする。けれど努力して舞台に昇る人は、自分を魅せるために生きてきたから、何もかもがひどく綺麗に見えるのです。涙が出てしまう程美しいのです。だから芸能(TVのタレントではないよ)が好きだし、芸を極めた人の舞台が好きです。それは狂気があふれるが故の魅力なのですね、としみじみしました。そういう人間は本当にきれいです。

日々のごはん代や生きていく上での糧になります