『海がきこえる』初視聴 ※ネタバレあり

ニュースなど最近読んでいないので知らなくて驚きだったのだが、今日久しぶりにネットフリックスを開いたら、スタジオジブリ作品がネットフリックスに勢ぞろいしていたのだ!!(海外版ネトフリなので日本版は違うかも)

ジブリ作品はもちのろん大好きで、金曜ロードショーでやるなら必ずチェックして録画もして見ている派だ、もちろん。


しかしだ、この『海がきこえる』に関しては、題名だけは聞いたことがあったものの、観る機会がなかった。Wikipediaによると、スタジオジブリがこのアニメを制作したのは1993年とのこと。もちろんオンタイムで観るには自分は子供過ぎたが、時は飛んで今や2020年、まさか27年間も私に観るチャンスがなかったとは。


そもそもネットフリックス以前はこうした、公式動画を月額で閲覧できるようなサービスを利用したことがない。だからビデオをやDVDを自ら足を運んで借りにいかなければ、観るチャンスはなかったのだ。とはいえ夏休みにるろ剣のビデオ借りて来て一気見したりしてたんだから、ジブリ制覇!とかもするチャンスはなかったのか?と思うが、きっとこの『海がきこえる』は、その頃の子供の私が見ても、とりわけ記憶に残らなかったかもしれないとも思う。


と、言うわけでバリバリ大人の30代になり、今日初めて試聴したのだが、面白かった。

時代設定は、93年の日本より少し古いのかな?学生が親元を離れて暮らすことを「下宿」と言っていて、今では高校生でも大学生でもあまり朝・夕飯付きの下宿に住む人は少ないと思うので、そう言う部分からして、時代を感じてオシャレだなと思った。

下宿と青春と聞くと、夏目漱石を思い出す人も多いと思うが、その要素は実際多いと思う。

※ここからがっつりネタバレです。

高校生の親友同士の男子二人が、同じ女子に惹かれていく。主人公でない方の男子が先に彼女への気持ちを明かし、主人公は遠慮するのだが、最後にはその女性と主人公がくっつく。うん、まんまやないか!


しかしその内容は高校生らしい高校生活で、でも女の子は東京から来たちょっとおませさんで、ドロドロした描写は無く、終始あっさりと気持ちの良いそよ風が吹いているような物語だった。


ただ、どうだろう、この武藤里伽子というヒロイン!若いからを言い訳にしても、お金持ちで不仲な両親のもとに育ったからにしても、ちょいわがまますぎる。それなのに男子にモテまくる。可愛くてチヤホヤされるから他の女子に嫌われるってだけじゃ無く、こんなわがままだったら友達なりたくないと思われて当然と私には映ったぞ。別に性格も悪いわけではないんだけど、自分の世界で生きてる人だな〜って感じ。美人でこの感じだと男性にはむしろ魅力的に映るのだろうな。


ただ、そんなわがまま女子に翻弄されても、ちゃんと自分の頭で考え対処(?)し、あくまで親友の松野超LOVEで優しい主人公には本当に惹かれる、素敵な物語でした。

一番の私的見所は、親友・松野と主人公・杜崎の関係性ややりとりがただただ美しく描かれているところ。松野はヒロイン・武藤を好きになってから、杜崎に訳のわからない電話をかけまくるんだけど、杜崎は全然嫌な顔せず、いつでもすっ飛んでいって松野の話を聞いてあげようとする。しかもお互いに多くを語らない。ただただ一緒に時間を過ごす、そんな感じなのだ。


その、電話で「ちょっと来いよ」的なことを言われて会いにいって直接聞くみたいなのも、今の時代あまりなくなってしまったよね。「ラインで言えよ!」って送っちゃうもんね。とわいえすっ飛んで会いにいっても松野はほぼ語らない。しかしそんな松野をひたすらLOVEな杜崎くんが愛おしすぎる。


というわけで、全体を観た感想としては、私にはなかった共学高校の青春だから、羨ましくて、来世ではきっと味わってみたいと思う時間を少し感じられて幸せ。また、昭和時代の、平和で、でも厳しい時代を知っている大人たちからの圧力で窮屈そうな学生たちの、それでも伸び伸び生きてる雰囲気が、私たちの時代にはないオシャレ感を漂わせていたんだなと思った。


まだ見ていなかった方はぜひ!

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